昼休みがおわり、午後の競技が始まった。蛍のでる借りもの競争は3競技後。男子の女子の5人チームによる2000メートルリレーの後に行われる。
蛍は早々と準備体操などをしている。顔をニヤつかせながら。
というのも先ほどの昼休み、博人と愛瑠と蛍と一緒だった訳だが、姉の愛瑠が蛍にお弁当を作ってくれたのだが、なんと恋美までもが創ってきてくれたのだ。しかも男子が好きそうなハンバーグやウインナー、唐揚げなどがメインの。
渡す時の恋美、「べ、別にあんただけに作ってきてやったんじゃないんだからね!!にいにいのついでよ!!ついで!!」などと頬を赤らめてテレた風にしていた。渡された後、愛瑠が創ったらしい全員で食べる用の重爆の中には・・・・たしかに同じおかずがある。たしかについでのようだ。
・・・・と思ったが、片づけて解散する時、「ああ言ってたけど、恋美ちゃんがつくったの、重箱の中身じゃなくて蛍に渡したお弁当爆だけだから」とコッソリおしえてくれた。
恋美がお弁当を作ってくれた。自分だけに---------
これは期待していいのだろうか?いやいや。今日の運動会でいいところをみせなくては。障害物競走ではマイナス好感度だったようだが-------
蛍「400メートル走がトントンになっただけと思って頑張ろう。うん」
ポジティヴにいこう。そう思う事にした。そもそもマイナスとはいってもビリではなかったのだ。そこまで悪印象ではない・・・・筈で。
借りもの競争。1位を狙うとしても・・・・どんなシロモノの借りものを引くか。半ば運ともいえる。
自分だけのカだけではどうにもならないところが多分にある。
蛍「それでも1位になれるようにしないとなぁ・・・・あ。」
悶々と考えていると、前の競技、女子のリレーが終わったようだ。
とうとう借りもの競争が始まる。まずは男子の部だ。
男子は10列に並ばされている。10回やるらしい。
そしてスタート。
蛍「・・・・は?」
蛍は男子の部の借りものに奔走する男子をみて呆気にとられた。
借りものが・・・・女子のリボンだったりハンカチだったりの持ち物だったり、女子そのものだったり-------
やたら借りものが異性関係が多すぎている。実行委員、何を考えているのやら。
まぁ年頃の小学生だし、異性に触れる機会を作った、とでも言いたいのか・・・・。
実行委員のテントをみると、愛瑠が蛍が見ているのに気づいてテヘペロしてきた。
愛瑠の発案かコレ?
と、上着のポケットにいれてある携帯にメールが入った。送り主は愛瑠だ。
『高い確率で恋美ちゃんの何か、もしくは恋美ちゃんそのものを借りれる内容にしたわ。頑張ってね♪ 愛する姉より』
なにが愛する姉、だ。余計なマネを。
だがこれはこれでチャンスではないか?恋美を借りる内容でもでれば、手をつないでゴールへ-------
恥ずかしい。恥ずかし過ぎる。
というかそもそもの問題があるぞ姉よ。それの指摘メールを返す。
「ボク、女の子として出るんだけど、異性の借りものって男子のじゃ?」
という内容。姉はしっかりものだが、どこか天然なところがある。博人はそんなところも好きなのだろうが。
変身はすぐに帰ってきた。内容は、「蛍の借りものはあたしの特注よ。あたしが書いた蛍への特注紙に赤い丸印がどこかにあるわ。探してね。1番にたどり着かないと他のコにもってかれちゃうからね?」という内容。
蛍「赤い丸のついた紙・・・・かぁ。たしかに1番につかないととられちゃうよなぁ。よし------」
メールのやり取りをしていると、女子の借りもの競争が始まった。上着を脱いで入場口へ。
(よし、がんばるぞ!!)
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