夜、入部テストに合格したことを友人に電話で話した。STAR-MINEに入れてやや興奮気味に。
ただ、言われた通り、律音が宮凪愛架の娘という事は伏せておいたが。
『へぇ。入れたんだ。ね?言ったでしょ?カラオケの点数は気にする事なかったでしょ?』
奏鳴「そうだね。これから走り込まないといけないから頑張るよ」
『走り込み?』
奏鳴「うん。歌とダンスは悪くないけど、スタミナが足りなすぎって言われて・・・・」
「まぁステージじゃ歌って踊る体力がないといけないだろうしね。折角入れたんだから頑張りなさいよ?」
奏鳴「うん。それじゃあまた学校で」
そういうやり取りで電話が切られる。奏鳴はベッドに仰向けに寝っ転がり・・・・思う。
なぜ草薙律音は神凪なんて偽名を使ってアイドル活動をしているのか。別に本名でやってもかまわないと思うのだが・・・・何か伏せなければならない事情でもあるのだろうか。宮凪愛架の娘というネームバリューがあればもっと注目してもらえるはずなのに。
騒がれるから隠しているのだろう。その程度にしか思っていなかった。しかし理由は翌日の部活で話される事になる。
運営からの指示。あの宮凪愛架の娘が大会に出ているとなれば、出来レースとして悪いないことないことを世間や各メディアが叩くかもしれない事。
そして・・・・宮凪愛架の娘という事。もしみっともないパフォーマンスをしたり途中で負けるような事があれば・・・・母親の名前と経歴にキズがつく。自分の経歴がどうなろうと構わないが、母親の輝かしい記録にキズはつけたくない。律音はそう話した。
そんな事情があるとは知らず、ただ騒ぎになるからとしか思っていなかった夕べの自分を叱ってやりたい気分だった。これはうっかり喋ってしまう事を避けなければ。
律音「頑張って勝とう。BLUE-HAWKSも月宵月華も強敵だけど、勝たなきゃ決勝に行けないんだから。出来れば優勝して有終の美を飾りたい」
アイリーン「有終の美?」
律音「あ、うん!!何でもないよ!!」
流奈「????」
ののか「いまさら勝とうなんて何言ってんの?勝つために練習してるんじゃん」
美久「そうだね。がんばろう?」
翼「東日本大会は1位のチームしか勝ち抜けじゃない。厳しい戦いだろうけど、もちろん負ける気はない」
燿「うん。狭すぎる門だし、強敵揃いだけど、皆でカを合わせて頑張ろう」
アイリーン「目下のところ、奏鳴さんの体力作りと発声練習を急がないと」
律音「曲や振付を覚えるのはもうほとんど出来てるもんね」
燿「日々、努力してるようだしね
流奈「さすがテストでソラで歌って踊っただけあるよね」
翼「その調子で頑張れば、自信に繋がるよ」
美久「一緒に頑張ろうね」
奏鳴「はい。頑張ります」
奏鳴の加入で新体制になったSTAR-MINE。東日本予選まではあと約ひと月。それで奏鳴を仕上げなければならない。
あるようでないひと月。それを有効に使わなければ。
7人でも新フォーメーションでの振付も考案し、練習に励む。
東日本予選を勝ち抜くために-------------------
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