それは・・・・突然始まった。
全体の3分の1の歌詞と全体的な曲が作曲できたところで皆でそれを聞きながら流奈が振付を考案しつつ踊っているのを見ていたアイリーンがその一言を言い放った。
アイリーン「夏合宿を敢行いたします!!異議はうけつけませんわ!!」
有無を言わさずに始められた・・・・夏合宿。場所は・・・・月乃宮の別荘の1つがある、北海道。自家用ジェットで北海道までひとっ飛び。拠点を札幌に置き、高大な北海道で思う存分トレーニングをするつもり・・・・らしい。律音やののかから、「せっかく北海道までいくのに特訓だけ・・・・?」と、「やだやだ!!遊びたい!!」と駄々こねるので、しかたなく一週間前後滞在し、うち数日を自由時間とした。そのかわり、4〜5日はみっちり特訓をしてもらう・・・・とのことだ。遊べる時間があるとなれば、皆テンションもあがり、頑張る気にもなってくれた。
月乃宮別荘・IN・札幌は近代的白い建物で、部屋は20近くあるようだ。どうしてお金持ちは部屋数を異様に造るのか・・・・。せっかくの北海道だし、バンガローのような木造建築のほうが風情がありそうだが、アイリーンは「そんな事いわれましても!!」と困っている様子。それはそうだ。別荘はアイリーンが建てた訳ではないのだから。
参加者はチーム6人、マネージャーの燿、取材班として響介と鳴鈴、そして一緒に旅行に行きたいというので連れてきた律音とアイリーンの妹達と、草薙征刃。チーム6人はもちろん特訓だし、燿は特訓のメニューを考案したアイリーンのメニュー通りの特訓ができるようバックアップ。響介と鳴鈴はその特訓の取材。ミルフィーと萌音はただ単の観光旅行。征刃も特訓するらしいが、父親の翔に修行メニューを言い渡されているらしいので、朝と晩以外は別行動になるらしい。とはいえ、スタミナトレーニングの一部は翔も合同でやるらしいが。
別荘で1人1部屋を割り振り、荷物を置かせると、この日はミーティングだけとした。自家用ジェットに乗ってきただけだが、疲れもあるだろうという事で。
しかし光神流古武術と三種の神器の’天叢雲剣’を継ぐ翔は、もう移動日から修行メニューが設定されているらしい。ミーティングの時間だけリビングにいて、そのままトレーニングに出ていくらしい。さすが日本最強能力者一族。厳しいトレーニングを積むようだ。
・・・・え?一流魔法使いの月乃宮や霊能者最強と言われている鈴鳴はどうなのかって?魔法や霊力は詠唱や霊力を練る時間が必須で、強力なものならそれに比例して時間もかかる。対して草薙の技はカの込め加減と溜め具合だけなので、発動時間でどうしても歴然とした差が生じる。魔法や霊力技は広範囲で派手で強いイメージがあるが、肉迫されてしまえばもうどうしようもない。草薙の炎は派手だし強いし、接近戦が主な戦闘スタイルなので、密接してしまえば太刀打ち出来ない。草薙の技には遠距離からでも攻撃可能な技があるので、魔法や霊力では分が悪い。という事で、草薙家は最強と言われているが、同じ三種の神器の’八尺瓊勾玉’の八坂家も五分の技を継承しているし、八咫家の’八咫鏡’は派手さはあんまりないものの、トリッキーな技が多く、翻弄されて押し切られてしまうという戦闘タイプ。どれも魔法や霊力より出が早い。接近戦いもトップクラス。ゆえに、最強の能力者と言われているのである。
さて、話をもどそう。リビングでのアイリーンの特訓の説明がなされる。ダンスレッスンや歌の練習の時間は設けられているが、1日8時間の練習時間を設定しているならば、うち1時間づつくらいしか設定されておらず、6時間が肉体トレーニングに設定されていた。
それからも分かるように、今回の合宿のメインは体力強化なのである。曲を聞いて、流奈の振付を考えている場面をみたアイリーンは「これは激しい動きになるようだ」と直感し、すぐに合宿を決めたのである。場所は夏なので涼しいところでという事で、北海道に。
その特訓には響介と鳴鈴も同行し、特訓風景を写真に収めて、後日燿がその画像をHPに載せる。鳴鈴はその様子を文章として学内新聞夏休み特大号で記事にする文章を書く。ミルフィーと萌音は応援にもくるらしいが、滞在期間の殆どは観光にでるらしい。その時は征刃も同行する。それはそうだ。片方は深層の令嬢月乃宮の超お嬢様で、もう片方は将来は絶世の美少女になるだろうと思わせる片鱗を見せている美少女。2人とも美少女な上に、小学生なのだ。悪い大人や高校生、大学生に何かされるかもしれない。ボディガードは必須とも言えた。
鳴鈴「そうね。お願いします草薙さん。きっと響介みたいなの、いっぱいいるでしょうから」
響介「オレっちを引き合いにださないでくれるかな!?(;゚Д゚)」
征刃「まぁ2人共。俺がついてるから、思いきり観光したらいいさ」
萌音「おねがいします、お兄ちゃん」
ミルフィー「御願いします・・・・征刃様」
アイリーン「ではこれをみてください」
アイリーンはバッと中学生女子並の大きさの紙を広げた。そこには円グラフのようなものが書かれており、そこに「歌唱練習」「ダンス練習」「肉体強化」「昼食時間」などが書かれている。学校でいう時間割のようなものだろう。1日の拘束時間は8時間。1時間が歌、1時間が踊り、6時間が肉体強化にあてられていた。東京から出発したときの説明通り、やはり肉体強化がメインらしい。
鳴鈴「特訓中の練習風景の撮影は響介、取材は私がするのでおねがいね」
ののか「可愛く撮ってね?うにっ☆」
響介「もちろんだともマイハニー!!」
鳴鈴「・・・・・・・・」
征刃「何時間かはお前達の体力トレーニングに同行するからよろしく頼むぜ」
翼「日本最強能力者の光神流・・・・勉強になります」
美久「えっと・・・・格闘技の勉強って・・・・あの、私達、アイドルの特訓をしにきたんですけど・・・・」
流奈「今回は激しい動きのある曲にも対応できるようにっていう合宿だから、皆がんばろうね!!自由時間もあるし、気合いいれていこうっ!!」
律音「おー!!」
やる気十分な一同。
だが・・・・そのやる気は翌日からの特訓で既に失われようとは・・・・この時は思いもしなかったのである・・・・。
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