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2015年03月19日09:49

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気になるあの子は吸血鬼〜Youre Territory〜(5)/SS

時間になって始まった路上ライブ。黒いゴスロリワンピースの3人がマイクの前で歌う。


ライブは・・・・まさに圧巻と言わざるを得ない。


3人の後ろで演奏しているのはどこの何者かは分からないが、演奏の技術はプロ並み。ドラムとベースの音をメインにしておどろおどろしい闇・・・・または混沌。そんなものを音で表現。


歌・・・・なのであろうが、ところどころにシャウトが入ってアイドルの歌というよりかは、悪霊の叫び・・・・そんな表現がしっくりくるような低い声。音と相まってダークな世界を形成していた。


曲は全部で5曲。全部が全部、以前からあった旧曲らしいのだが、そのうち4曲がダークサイドな曲。最後に歌った1曲だけ、アイドルっぽいポップな曲を歌って、路上ライブは終わった。


最後にSTAR-LIGHT-PROJECTに出ると宣伝をして終わった。観客はそれぞれ帰って行ったが、律音達はその場からうごけない。


5人と燿はそれぞれ同じことを感じていた。’月咲此花には勝てない’。


ダークな低い声からアイドルのポップな歌声まで幅広くカバーできるあの声域や声質は群を抜いていると思われる。母親についてアイドルのライブについていったこともあるアイリーンもこれは勝てないと思っている。


まさにプロ並みだ。なぜこれだけの実力をもっていながらアマチュアでアキバアイドルをしているのだろうか。


6人が落ち込む中、律音だけは前向きだった。東京予選の1枠はこれで決まったようなものだが、勝ち抜け枠はまだ2つある。3位までに食い込めばいいと皆を励ます。最後はなんとか元気を取り戻してくれたが、解散時まで皆表情は暗かった。月宵月華の実力を間近で感じて自分たちの身の程を知らされた気分だった。



皆それぞれ帰っていき、響介と鳴鈴も帰って行った後、1人秋葉原の街中をブラついて帰ろうと思ったときだった。私服姿に戻った月宵月華の3人に呼び止められ、4人で近くで早い夕食と雑談をする事になり、此花の行きつけらしいメイド喫茶に入っていく。





此花「どうだった?私達のライブ」


律音「すごかったです。私じゃああんな歌、歌えませんよ」


此花「ふふふ。バンパイアとしての能力発揮、ってトコかしら。・・・・ああ、紹介が遅れたわね。こっちの2人が私のチームメンバーの雪城葵と花水樹結菜」

紹介された2人はそれぞれ名乗り、自己紹介をしてくれた。その内容は月宵月華のHPで公表している内容なので知ってはいる。しかしその実力は・・・・先ほど知らされたばかりだ。


雪城葵。可愛いものが大好きで、ヌイグルミを集めている。が、クールな月宵月華のイメージに合わないという事で、公式的には内緒にしている。
その可愛いというのは物だけではなく、人にも適用され、可愛い子にも手を出す・・・・とか・・・・。


花水樹結菜。ほかの2人と違って中学生ではなく、小学生。お人形さんのような容姿、でよく葵にもふもふされている。クールイメージの月宵月華にあわせているのではなく日頃からゴスロリの恰好をしており、表情もあまりない。というのは此花の談。


律音「えっと・・・・草薙律音ですっ・・・・・・・・あ。」


名乗って気づいた。なぜ草薙など名乗ってしまったのか。そこには此花も気づいて突っ込んできた。



律音「あ〜・・・・えっと・・・・あの、それは芸名みたいなものでして」


葵「芸名?へ〜。かっこい〜」

結菜「・・・・無名のチームで芸名・・・・なにか・・・・あるの?」


此花「そうなのよ。この子、調べても詳しい情報が入ってこないのよね。なんで芸名なの?草薙って名前に何かあるのかしら?」



マズい。この場はなんとかごまかしたいところ。あれこれ適当な事を言ってみたのだが、此花はジト目で・・・・全然信じていない。どうにもウソ八百が通じる様子ではない・・・・。


どうしていいか困っていると、携帯にメールが着信。母親からだ。夕食はどうするのかという内容だった。’軽く食べてるなう。もうすこしで帰りまふ’と返信。


これはいい逃げる口実。席を立ち、帰ろうとすると、月宵月華の3人はなにやらヒソヒソ話をすると、此花がいきなり家に行っていいかと聞いてきた。


・・・・いや、ダメに決まっている。隠してきた律音のシークレット情報がバレてしまう。しかし強引に押し切られ、とりあえず此花だけ、招待する事にした。葵と結菜に別れの言葉を告げると、律音と此花は一路、律音の家へと向かった・・・・・・・・。



2人は山手線に乗って東京駅へ。そこで降りて律音の家へ。


そして・・・・家の門の前で立ち止まる。




律音「あの・・・・此花さん・・・・。これから家に入りますけど、驚かないでくださいね・・・・」


此花「驚く?何に?私が吸血鬼っていうくらいにショッキングな事でもあるの?」


律音「ショッキングかどうかは分かりませんけど・・・・」


律音は玄関のドアを開けるすると母親が「おかえりなさい」と出迎えた。その顔に・・・・此花が指差して・・・・震えた。



此花「あ・・・・ああああ・・・・あの・・・・ま、まさか・・・・もしかして・・・・」


律音「紹介します・・・・お母さんです」


愛架「あら?あたらしいお友達?初めまして。愛架です」


此花「は、はははじめまして・・・・!!月咲此花ですっ・・・・!!」



クールな吸血鬼はどこへやら。伝説のアイドルを前にして声が裏返っていた。


萌音「おねえちゃんおかえり〜」


翔「おう帰ったか。ん?見ない顔だな。新しい友達かな?」


愛架「玄関では何だからあがって」


此花「お、おじゃまします・・・・」



伝説のアイドル宮凪愛架を前にしてすっかり萎縮してしまった此花。愛架につれられてリビングへと向かった。



-----------------------------SCENE6へ-----------------------------



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