翌日の軽音部の練習。この日も熱の入った練習をしていたが、どうにも美久の調子がわるい。声が出なかったり、音ズレしていたり。いつもの美久ではない。なにか、どこかでライブステージにあがって緊張していて声がでない時のような・・・・。
しかしそれでも歌おうと声を出す。必至な顔で。海でおぼれて助けを求めるような顔で。
・・・・何かに苦しんでいる・・・・顧問の教師にはそうみえた。というか、一緒にやっている仲間の皆がそう思っていた。
部活中、ずっとそんな感じだったので、皆でどうしたのかと聞いてみる。
「どうしたの音羽。今日、銚子わるそうだったな」
美久「ご、ごめんなさい先生・・・・」
「音羽さん。喉でも痛い?」
「う〜ん・・・・のどが痛いというよりは・・・・何か悩んでいるような?」
「なんか発表会の時の美久ちゃんみたいだったよ?」
美久「はぅ・・・・ごめん・・・・」
「謝らなくてもいいけど、どうしたの?」
そう聞かれ、相談してみる事にした。律音達に誘われていること。もしそっちにいけば、軽音部を退部して練習しなければならないだろう事。そして・・・・先ほどはステージに立っていると想像してやってみていた事を。
「そっかぁ。草薙さんたち、アレにでるつもりなんだぁ」
「あ、あたし知ってる。別の空き教室で練習してたり、グラウンドで走り込みしてたもん」
「なるほど。実際にステージに立っているつもりで歌ってた訳か。どうりで陸にあがった金魚みたいな顔して苦しんでた訳ね」
美久「先輩!?それ、どんな顔ですか!?」
「で、音羽はどうしたいの?『PROJECT STAR LIGHT』、挑戦してみるの?」
美久「先生・・・・さっき、ステージに立ってるつもりでやってみたんですが、やっぱり・・・・人前で歌ってると想像するだけでも声がでなくなっちゃうみたいで・・・・でも・・・・私、やってみたいんです。人前で歌えるようになりたいです」
「・・・・そうか。わかった。音羽がそう思うならそうしたらいい。先生もみてみたいぞ?人前で堂々と歌っているお前の姿を。頑張ってこい。応援してるぞ」
「がんばってね美久ちゃん!!」
「私も応援してる!!」
美久「皆・・・ありがとう・・・・。先生・・・・私・・・・頑張ってみます。人前で歌えてる自分の姿・・・・夢に向かって・・・・」
「ん。頑張れよ」
美久は皆に頭を下げると、部室を後にした。そして向かうは・・・・律音達が練習しているであろう・・・・空き教室へ------------------
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