アントニオ猪木への再挑戦が決まったストロング小林ですが、帰国前に「別冊ゴング」74年12月号で国際電話での独占インタビューに答え、再戦へ向けて怪気炎を上げています。
このインタビューは非常に興味深い内容になっていますので抜粋して引用してみたいと思います。ただし、これは猪木vsアーニー・ラッドのNWF世界ヘビー級選手権試合(11月1日、札幌中島スポーツセンター)の行われる前であり、正式発表前です。(聞き手・竹内宏介編集長)
竹内「まず最初にお聞きしたいのは、アントニオ猪木からの挑戦受諾の返事があったかどうかなんですが…」
小林「はい、10月24日に東京の叔父さん(代理人である叔父の坂戸氏)から国際電話がありまして、新日本プロレスの新間さんから、猪木さんは僕の挑戦を受ける、期日は12月12日、蔵前国技館でどうだという話があったと聞きました。蔵前なら何も言うことはないし、よろしく頼むと言いましたよ。
年内にやりたいという僕の希望も通ったのだし、何も言うことはないですね。こうなった以上頑張るだけです。」
竹内「ルールなんかの話し合いは?」
小林「それはまだです。それは日本に帰ってから猪木さんと話し合いますよ。他のことならともかく、これだけは猪木さんに一方的に決めてもらう訳にはいきませんよ。
レフェリーについてもルールについても注文をつけますよ。今度は僕は絶対に勝ってみせるという自信と計算の上で行動してますからね。」
竹内「なるほど。ではあなたの考えているルール、レフェリーというのは?」
小林「そうですね。ルールは時間無制限1本勝負、フォールマッチでいいと思います。前の時と同じでいいんです。だがレフェリーについて注文があるんですよ。
日本人レフェリーじゃ嫌ですね。これは猪木さん側に強硬にお願いして受け入れてもらうつもり。アメリカ人レフェリーにしてもらいたいんですよ。」
竹内「何故ですか?」
小林「純粋に中立と言えるのはアメリカ人レフェリーだと思います。これは、おそらくルール管理委員会が決めると思うんですけど、それだけは強く主張します。」
竹内「あなたがアメリカで6か月間やってきてアメリカ人レフェリーに慣れているからそんなことを言うんじゃないの。」
小林「それはどう取られても構いません。とにかく僕はアメリカ人レフェリーで試合がしたい。それに時間無制限1本勝負、この2つを入れてくれるなら、他の条件はすべて猪木さん側に任せますよ。」
竹内「このことは猪木側にはもう伝えてあるの?」
小林「大体のところは叔父さん(坂戸氏)を通して申し入れてあるんですが、具体的な話し合いは僕がアメリカから帰った後ですね。」
竹内「その帰国の時期はいつ頃になりそうですか?」
小林「11月18日(日本時間19日)にマジソン・スクェア・ガーデンで最後の試合をやるんですが、それが終わってすぐに帰国の途につく予定です。が、途中ハワイでトレーニングをしていきたい。
1週間ぐらい走り込んだり、ジムワークをやりたい。ハワイにはホーさん(ディーン・ホー)のジムがあるし。ホーさんには話はしてあるんです。だから日本に帰るのは11月の20日過ぎです。見違えるようになった小林を見てもらいます。」
竹内「ところで9月21日(日本時間22日)にフィラデルフィアで対戦したブルーノ・サンマルチノとのWWWFタイトルマッチでは、サンマルチノを相当、痛めつけたみたいだったけど?」
小林「はい、もうめちゃくちゃでしたね。椅子で殴ったし、目には塩をすりこんでサミングをしたり(笑)。サンマルチノも怒って椅子で殴ってきて、僕もその椅子を奪って殴り返して、あれは酷かったですよ(笑)。
でもあのままレフェリーがストップしないで試合を続けさせてくれていたら、僕はサンマルチノに勝っていたという自信を持っていますね。あの試合で、僕は日本へ帰って猪木さんと再戦しようという気持になったんですよ。
それだけ自信がついたと言いますかね…僕はサンマルチノというWWWFのチャンピオンを僕の力を計る物差しにしていたんですよ。まぁ、おそらくサンマルチノは僕が帰国するまで、もう僕の挑戦を受けることはないと思いますよ。だが、チャンスはまだいくらでもあるんですよ。
プロモーターのビンス・マクマホンさんは、僕が今度日本へ帰って猪木さんに勝って、ニューヨークに帰ってきたら、必ずサンマルチノとマジソン・スクェア・ガーデンでWWWFタイトルを賭けて闘うチャンスを作ってやると言ってくれていますからね。」
竹内「それだけの自身があれば大丈夫ですね。元気に帰国して、猪木選手とベストマッチをやってくれるように、我々もファンも望んでいますよ。」
小林「ありがとうございます。アメリカでのファイトも残り少なくなって来たし、当面、現在抗争中のペドロ・モラレス血祭りを目標に、そして打倒猪木を大目標に頑張りますよ。日本のファンの皆さん、ゴングの読者の皆さんによろしくお伝え下さい。」
小林の国際電話インタビューを受けて同号で竹内編集長は猪木に港区南青山の新日本プロレス事務所で猪木に直撃取材を行っています。
竹内「いよいよ、小林との再戦が決定したが、どうです?今の心境しては。」
猪木「まあ、小林とはいずれにしても、もう一度やらねば収まるまいと思っていたし、どうってことはないですね。私は誰が相手でも今の自分を出し切れば、負けるはずがないと信じているし、私の好きな言葉で言えば『不動心』ですよ。」
竹内「日時、場所は決まったが、ルールはどうなりますか?レフェリーの問題もある。」
猪木「これは、私の一存では決められない。小林側では20日(11月)過ぎには帰ってくるから、それから話し合いたいと言っているので、その時点で決定することになるでしょう。皆さんの意見も聞いて決めたい。
私はどんなルールでもいいんですよ。また、レフェリーは誰でも構わない。どんな場合でも勝つという自信はありますからね。」
竹内「自信満々だが、小林の実力も上がっていますよ。最近の小林をどう評価しています?」
猪木「この前、ブラジルへ行って帰りにアメリカに寄ったんですよ。この時にマイク・ラーベルとかロイ・シャイアといったアメリカのプロモーター達とロサンゼルスのビルトモアホテルで会ったんですよ。
その時に小林の話が出て、小林の評判はアメリカで凄くいいんですよ。おそらく、後半年もアメリカにいたらマジソン・スクェア・ガーデンでトップになるだろうと言われていますね。
ラーベルは『小林は今、サンマルチノ、モラレスと並んでマジソン・スクェア・ガーデンのビッグ3だ』とさえ言ってましたよ。私はそれを聞いて『なかなかやってるな』と思っていたんですが…。小林も相当自信をつけてるだろうし、そろそろ来る頃かなと思っていたら、凱旋挑戦してきた(笑)。」(次回へ続く)
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