7週間に亘り激闘を展開した新日本プロレス75年「第2回ワールド・リーグ戦」もいよいよ大詰め。優勝争いに向けて最後のデッドヒートレースが展開されています。
終盤戦になると公式戦日程の消化も進み、1大会あたりの公式戦の数も減少していきました。九州、中国、四国を回り、一旦関東に戻った新日本プロレス勢でしたが東海道を西に向かいました。
第32戦、5月12日静岡県伊東市青果市場(観衆4,500人超満員発表)大会。公式戦は大木金太郎と山本小鉄のいわゆる「カタい」者同士の対決。両者はこれより5年前の日本プロレス時代、70年9月の「第1回NWAタッグ・リーグ戦」でチームを結成してエントリーした仲であり、優勝した猪木&星野勘太郎組、外国人側で決勝進出したニック・ボックウィンクル&ジョニー・クイン組、ジャイアント馬場&ミツ・ヒライ組に次いで、吉村道明&グレート小鹿組、アーニー・ラッド&ロッキー・ジョンソン組と同点4位に入っており、互いに手の内は知り尽くしていました。
しかし、歳月は流れ、大木は外敵として新日本プロレスにフリー参戦、小鉄は新日本の旗揚げメンバーとして猪木の「近衛兵」的ポジションになっていました。試合は11分53秒、大木が体固めで小鉄を降し13戦11勝2敗の11点。残り公式戦を全勝すれば2位は確定し優勝決定戦への切符を手入れることが出来ます。しかし残る対戦相手はキラー・カール・クラップ、スーパー・デストロイヤーと難敵トップ2が並びました。
キラー・カール・クラップとファザール・シンの公式戦はクラップがFシンを問題とせず、4分33秒、頭蓋骨絞め(ブレーンクロー)でマットに沈め13戦12勝1敗の12点となりました。残り2試合が大木、星野戦でどちらに勝てば13点で2位は確定で決勝進出となります。
永源遙とサングレ・フリアーの公式戦は9分14秒、片エビ固めで永源が勝ちました。リーグ戦の下位の選手の星取りについては稿を改めて書きたいと思います。
メインイベントはアントニオ猪木&坂口征二組の黄金コンビがスーパー・デストロイヤー&マンマウンテン・マイク組と対戦。1本目は10分6秒、Mマイクが坂口を体固め、2本目は3分18秒、坂口がSデストロイヤーを体固め、決勝の3本目は3分46秒、猪木がMマイクを回転エビ固めに丸め込んで2−1で猪木&坂口組の黄金コンビが快勝しています。
第33戦、5月13日名古屋市体育館(観衆4,300人超満員発表)大会。決勝進出の行方を左右する注目の公式戦、大木とクラップの一戦は8分35秒、両者リングアウトの引き分けに終わりました。大木は14戦11勝2敗1分となり11.5点、クラップは猪木、坂口、S小林からは勝ち星を奪ったものの、大木には勝てず14戦12勝1敗1分の12.5点となり坂口征二と同スコアになりました。共に最終公式戦に決勝進出の望みをかけることに…。
ちなみに、トリビア的なことを書くと、大木とクラップの対戦は日本プロレス、新日本プロレス、国際プロレスの昭和3団体で対戦が実現している日本人vs外国人対決のカードです。(タッグマッチ含む)日本プロレスでは末期の73年2月〜4月にかけてインターナショナル・タッグ王座を巡って闘い、新日本プロレスでは今リーグ戦、さらに5年後の80年11月、国際プロレス「デビリッシュ・ファイト・シリーズ」でタッグで2度対戦、このシリーズの前半で大木は「右角膜エロゲオン」という病気を理由に欠場、そのまま韓国に帰っていますが、実際には東京12チャンネル主導での契約が更新されなかったよるものでした。
翌81年は新日本プロレスと全日本プロレスの引き抜き抗争が開戦した年になりますが、大木は4月に「NWA本部からの勧告」により後生大事にしていたインターナショナル王座のベルトを返上。5月の「スーパー・パワー・シリーズ」から全日本プロレスのリングに復帰。
大木と因縁の深かったタイガー戸口(キム・ドク)、アブドーラ・ザ・ブッチャーの2人は新日本プロレスに行ってしまい、ベビーフェイスとして日本陣営で活躍も、10月の「創立10周年記念ジャイアント・シリーズ」を最後に全日本プロレスを離れ、以後日本のリングで試合をすることはなかったです。
クラップがバロン・フォン・ラシクとの「爪コンビ」を結成して「世界最強タッグ決定リーグ戦」で全日本プロレスに初参戦したのがその次のシリーズになりますから、大木とはスレ違い。もし後大木があと1シリーズ残留していたら、公式戦の参加はないにしても、クラップとの対戦は組まれていただろうと思われるだけに、非常に惜しい気がします。
名古屋大会の他の公式戦は小鉄がMマイクを6分22秒、エビ固めで破り、マサ齋藤は柴田勝久を10分18秒、体固めで降しました。
メインイベントは猪木&星野勘太郎組がSデストロイヤー&ジョン・ガニア組と対戦したタッグマッチ60分3本勝負。1本目は17分30秒、星野がJガニアを片エビ固め、2本目は3分18秒に猪木がSデストロイヤーを弓矢固め(ボーアンドアロー・バックブリーカー)でギブアップさせ、2−0で猪木&星野組が鮮やかなストレート勝ちを飾っています。
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