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2025年12月16日07:16

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【特別編】マイティ井上さん追悼(186)

全日本プロレス87年「創立15周年記念エキサイト・シリーズ」は2月20日、後楽園ホールで開幕。

「エキサイト・シリーズ」は3週間の比較的短期のシリーズですが、短期とはいえ、アニマル&ホークのザ・ロード・ウォリアーズ(マネージャー・ポール・エラリング)が6度めの来日にして初のシリーズフル参戦。

他にはテリー・ゴディ、アート・クルーズ、マイク・ジョージ、エル・オリンピコの外国人勢がシリーズ全戦参加。

終盤戦特別参加が、NWA世界ヘビー級王者リック・フレアー。

参加外国人選手のプロフィールです。ロード・ウォリアーズは前86年10〜11月の「創立15周年記念ジャイアント・シリーズ」以来約4か月ぶりの来日。NWAジム・クロケットプロのドル箱スター選手ですが、ジャイアント馬場の外交手腕と豊富な日本テレビマネーで3週間のスケジュールを押さえることに成功。

やはり出来るだけ多くの地方のファンにウォリアーズの生でウォリアーズの試合を見てもらうことは大事であり、人気爆発しそうな予感アリアリです。前回の来日ではホークが体調不良を起こして最終戦を欠場しているだけに、今回は万全で臨みたいところ。シリーズ最終戦、3月12日、日本武道館では1年ぶりにインターナショナル・タッグ王座に返り咲いたジャンボ鶴田&天龍源一郎組の初防衛戦の相手として立ちはだかります。また輪島大士との初対決も注目です。

テリー・ゴディは前86年11〜12月の「創立15周年記念世界最強タッグ決定リーグ戦」以来2シリーズ2か月ぶりの来日。前回はキラー・カーンとのタッグで8戦4勝3敗1両リン、失点8の8点。10点が2チーム、9点が2チームいた為5位になりましたが、長州力&谷津嘉章組に反則勝ち、ザ・ファンクスにリングアウト勝ち、スタン・ハンセン&テッド・デビアス組に両リンと上位陣を無得点に追い込んだことでまあまあの成績に終わりました。

今回Kカーンは家庭のあるアメリカに戻っており不参加、ベルト挑戦の機会もありませんが、鶴田、天龍、長州を脅かす存在となる他、輪島との初対決も楽しみです。

アート・クルーズは85年10月「ワールド・チャンピオン・カーニバル」以来1年4か月ぶり2度目の来日、ダスティ・ローデスやフレアーの若い頃を彷彿とさせるクルーカットの風貌で思い切りのいいファイトが信条。前回同様、ゴディと一緒の来日。特別参加の大物が多い中、ゴディと共にフル参戦。85年10月21日、両国国技館ではミル・マスカラスと組んで長州&谷津組と対戦、長州のリキラリアットにフォール負けしましたが大健闘しました。

ベテラン、マイク・ジョージはカンザスのボブ・ガイゲルのルートで75年4月の「第3回チャンピオン・カーニバル」に初来日。ボブ・オートン・ジュニア(カウボーイ・ボブ・オートン)、スティーブ・カーンとの初来日フレッシュトリオで将来を期待されました。

その後、ビル・ワットが主宰していたMSWA(後の米国版UWF)で頭角を現し、80年4月、81年1月には国際プロレスにエース格として2度来日、ラッシャー木村の保持していたIWA世界ヘビー級王座に挑戦し1敗1分。

81年の来日では「ルー・テーズ杯争奪予選リーグ戦」(前期)にエントリーしブロック最多得点で決勝リーグ戦への進出が決まっていましたが、団体崩壊により頓挫。83年1月、新日本プロレス「新春黄金シリーズ」に国際軍団の助っ人として参戦、国際プロレスファンを大いに喜ばせました。83年2月10日には愛知県蒲郡市民体育館でR木村とタッグを結成し、猪木&ハルク・ホーガン組と対戦、ホーガンのアックスボンバーの前にフォール負け。

新日本プロレスへの来日はこれ一度きりで、再びカンザスに戻って試合をしており、4年ぶりの来日、全日本プロレスへは実に12年ぶりの来日となります。果たして、国際血盟軍とタッグを結成する機会はあるか?

初来日のマスクマン、エル・オリンピコはプエルトリコのカルロス・コロンのブッキングで参戦、前86年8月にプエルトリコからスーパー・メディコ(カルロス・ホセ・エストラーダ)、ジ・インベーダー3号(ジョニー・リベラ)B級(C級)マスクマンが来ていますが、今回もその流れ。

「俺は輪島を潰す為に来た」とコメントしていることから、前86年9月に輪島がプエルトリコ遠征した時に対戦した内の誰かの変身と思われます。183cm103kgと(実際に来てみたらもっと小さかった)小柄なだけに輪島要員として呼ばれたかと思われます。

終盤戦、3月6日、岩手県水沢市(現在の奥州市)文化体育館〜最終戦3月12日、日本武道館まで特別参加がNWA世界ヘビー級王者リック・フレアー。

85年10月の「ワールド・チャンピオン・カーニバル」中盤戦以来1年5か月の来日、85年10月21日、両国国技館ではAWA世界ヘビー級王者リック・マーテル(当時)と史上初のダブル・タイトルマッチを行い、34分3秒、両者リングアウトの引き分け。また、マーテルとの豪華絢爛「世界王者タッグ」を結成し、ザ・ファンクス、鶴田&天龍組、長州力&谷津嘉章組と対戦、鶴龍コンビにはリングアウト負け、他2チームは両チームリングアウトとなりましたが、世界2大王者の揃い踏みはまさに圧巻で、ファンを狂喜させました。

1年後の86年10月「創立15周年記念ジャイアント・シリーズ」中盤戦に特別参加が予定されていましたが、来日前の試合で膝を負傷してキャンセル。予定されていたタイガーマスクとの「猛虎七番勝負」第1戦、(10月20日、愛知県岡崎市体育館)、長州とのNWA世界ヘビー級、PWFヘビー級ダブル・タイトルマッチ(10月21日、両国国技館)は中止に。

今回はその穴埋めとしての来日、フレアーの王座には谷津、鶴田、長州の連続挑戦が決定、またタイガーマスクとの猛虎七番勝負の第3戦行われます。 

シリーズを通してのタイトルマッチ、ビッグマッチは3月7日秋田県立体育館でフレアーのNWA世界ヘビー級王座に谷津がトップバッターとして挑戦。3月9日群馬県高崎市中央体育館ではタイガーマスクvsフレアーの猛虎七番勝負第3戦が実現。

3月10日福島県郡山市総合体育館ではフレアーに鶴田が対戦。フレアーが秋田での谷津戦で防衛に成功した場合はタイトル戦となる。仮に谷津が勝って王座を奪った場合でも谷津と鶴田のタイトル戦とはならない。

シリーズ最終戦、3月12日日本武道館では鶴田&天龍組の保持するインターナショナル・タッグ王座にアニマル&ホークのザ・ロード・ウォリアーズが挑戦。フレアーは長州との約2年ぶりの対戦。郡山大会終了時点でフレアーが王者の場合はタイトル戦となります。(今回は長州のPWFヘビー級王座は賭けられず)世界ジュニア・ヘビー級選手権試合、王者、渕正信には初代同王者、カルガリー・ハリケーンズのヒロ斉藤が挑戦します。

フレアー挑戦が発表されていた長州は、風邪と手首の腱鞘炎悪化(ガングリオン)を理由に、2月20日、後楽園ホールでの開幕戦に姿を現さず、このシリーズを欠場。長州は自宅にはおらず、5月に挙式予定の婚約者、河野英子さんと雲隠れ。(後に長野県伊香保温泉にいたことが判明)

同日、もう1つ大きな動きが起きました。マサ齋藤はまだ新日本プロレスに参戦していた時期の84年4月にアメリカで警察官暴行で現行犯逮捕(仲間のケン・パテラが酒によってマクドナルドで暴行事件を起こし、パテラに加担したM齋藤は駆けつけた警察官に殴る蹴るの暴行を加えていた)され、その後保釈されて84年5月11日、福岡スポーツセンターでの新日本「84IWGP」に参戦。 

同年10月30日付で長州らと行動を共にすると宣言し新日本プロレスを離れてジャパンプロレスに移籍。全日本プロレスのリングには85年1月の「激突!オールスター・ウォーズ」後半戦と5月のジャパン自主興行シリーズ「ビッグ・ラリアート・フェスティバル」と全日本「激震!サンダー・ウォーズ」序盤戦に参加したのみで足の負傷を理由にアメリカに戻りました。

実際はアメリカで裁判に出なくてはいけなかったからでしょうが、いくら助太刀とはいえ警察官暴行は事実であり、懲役刑が確定。ウイスコンシン州の刑務所に収監されていましたが、86年12月25日に出所。そんなM齋藤に東京プロレス時代からの先輩であり、ライバル、そして盟友だった猪木は激励の手紙を送っていたそうです。

2月13日にM斎藤が帰国しました。M斎藤は帰国後すぐの記者会見で猪木との対戦をアピールし、2月20日、中野サンプラザで行われていた猪木信者のミュージシャンが猪木の44歳の誕生日を祝福すべく開催した「突然卍がためLIVE」にゲスト出演していた猪木の前にバースデー祝の花束を持って駆けつけ、再会を喜び合いました。

しかし、お祝いムードだったのは一瞬の話、M齋藤は
3月26日新日本プロレスの大阪城ホールで行われる「INOKI闘魂LIVEパート2」への出場を表明、猪木の対戦相手に名乗りを挙げています。 

長州の欠場とM齋藤が猪木の前に姿を現したのが同日であり、偶然にしてはあまりに出来過ぎな気もしますが、この同日、別の場所で起きたことが、日本プロレス界の動きを大きく変える、まさに「風雲急を告げる」ことになっていくことになります。

話を全日本プロレスのエキサイト・シリーズに戻すと、先シリーズ途中でケガの為欠場したサムソン冬木と小川良成は今シリーズを全休となりました。

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