全日本プロレス86年「創立15周年記念世界最強タッグ決定リーグ戦」は11月22日後楽園ホールで開幕。
参加チームは前85年優勝、PWF世界タッグ王者チーム、スタン・ハンセン&テッド・デビアス組、84年優勝チーム、ジャンボ鶴田&天龍源一郎組、ジャパンプロレス代表、インターナショナル・タッグ王者チーム、長州力&谷津嘉章組、79、82年優勝チーム、ドリー・ファンク・ジュニア&テリー・ファンク組のザ・ファンクス、ジャイアント馬場&タイガーマスク組、テリー・ゴディ&キラー・カーン組、リック・マーテル&トム・ジンク組、国際血盟軍代表、ラッシャー木村&鶴見五郎組、アジア・タッグ王者チーム、スーパー・ストロング・マシン&阿修羅・原組の9チーム。
PWFルールによる総当りリーグ戦で(30分1本勝負)○あらゆる勝ち2点、△時間切れ引き分け1点、●あらゆる負け、▲あらゆる時間内引き分けが0点。シリーズ最終戦の12月12日日本武道館大会での全公式戦終了後、最多得点チームが優勝となります。
参加チームのプロフィールです。前年度優勝、PWF世界タッグ王者チーム、ハンセン&デビアス組は2年連続2度目の参戦、ハンセン個人では82年より5年連続の参戦(82〜84年はブルーザー・ブロディと組んで参加)で10月の「創立15周年記念ジャイアント・シリーズ」中盤戦以来2シリーズ連続参戦。デビアス個人でも2年連続2度目の参戦で7月の「サマー・アクション・シリーズ」以来4か月ぶりの来日。
前85年はデビアスが試合巧者ぶりを見せつけてハンセンのサポートに周り、初エントリー初優勝。ブロディの新日本プロレス移籍により解散となった超獣コンビの後釜としてPWF世界タッグ王座を1年以上に亘って保持しており、チームとしての安定感は抜群。本年もデビアスの上手さがハンセンの強さを引き出して2連覇なるか?
84年優勝チームの鶴田&天龍組は83年以来4年連続の参戦、鶴田個人では78年の第1回大会より9年連続参加、天龍個人では81、82年に原と組んで参戦、83年からは鶴田と組んで参戦し6年連続の参戦。本年の鶴龍コンビは2月5日、札幌中島体育センターで長州&谷津組にインターナショナル・タッグ王座を奪われ、3月4日、大阪城ホール、10月27日、新潟市体育館でのリターンマッチも両チームリングアウトで逃げられ、また、7月27日、長野市民体育館でハンセン&デビアス組のPWF世界タッグ王座に挑戦するもこちらも両リンに終り、ベルトに縁がない期間が約10か月続いています。
反則勝ちとは言え、84年には前年歯が立たなかったハンセン&ブロディ組を降して優勝しており、ここは全日本プロレス本隊のエースチーム賭して2年ぶりの優勝は必須といったところです。
ジャパンプロレス代表、インターナショナル・タッグ王者チーム、長州&谷津組は2年連続2度目の参戦。(長州、谷津個人でも同様)前年は初参加、初優勝が期待されましたが、終盤でニック・ボックウィンクル&カート・ヘニング組、ダイナマイト・キッド&デービーボーイ・スミス組に2日連続の反則負けとなり急失速。最終戦の12月12日にハンセン&デビアス組に時間切れ引き分けに持ち込まれて同点2位に終わりました。
この年、長州はPWFヘビー級、インターナショナル・タッグの二冠王となり、大型外国人は苦手というレッテルを貼られながら、ベルトを守り通して来ただけにここはもう一つの「歴史と伝統」である世界最強タッグ決定リーグ戦優勝に名を刻んでおきたいところです。
79、82年優勝チーム、さらには同大会の前身となる77年「世界オープン・タッグ選手権」優勝チームであるドリー・ファンク・ジュニア&テリー・ファンク組のザ・ファンクスは2年ぶり7度目の出場(オープン・タッグは除外)、ドリー個人では78年から9年連続出場、テリー個人では83、85年を除いて7回目の出場。(引退していた83年は馬場&ドリー組のマネージャーとして来日)ドリー、テリー共に10月の「創立15周年記念ジャイアント・シリーズ」後半戦特別参加以来2シリーズ連続3週間ぶりの来日。
8月までWWFでヒールとして活躍しており、テリーも一度引退し84年にあっさり復帰したことで批判を浴び、絶対的なベビーフェイスではなくなっており、ヒールテイストのファンクスの魅力が発揮出来るか?注目されます。
初参加の馬場&タイガーマスク組、馬場個人では78年の第1回から9年連続参戦、この年の3月にヘビー級転向を表明したタイガーマスクは初参戦。タッグチームとしての実績はまだあまりありませんが、
4月19日ルイジアナ州ニューオリンズ・スーパードームで行われたNWAジム・クロケットプロ&米国版UWF合同興行「ジム・クロケット・シニア・メモリアルカップ」ワンデータッグトーナメントに出場、1回戦はシードされ2回戦より出場、ジム・ガービン&ブラック・バート(リック・ハリス)組と対戦、7分55秒に馬場がカウンターの16文キックからの体固めでBバートを倒して準々決勝に進出。
準々決勝ではマグナムTA&ロニー・ガービン組と対戦、タイガーマスクが果敢にもTAにコーナーポスト最上段からのダイビング・ボディアタック決めましたがこれをキャッチされる、9分58秒TAのベリー・トゥー・ベリー・スープレックス(フロント・スープレックス)からの片エビ固めでフォール負け。馬場&タイガーマスク組は準々決勝敗退となりました。
今回はトーナメントではなく、長期のリーグ戦となり、タイガーマスクの動き次第ということになりますが、馬場も体力面で衰えが目立つようになって来ており、ヘビー級虎戦士として真のメインイベンターを目指すタイガーマスクに取っては試練のリーグ戦となります。番狂わせの上位食いに期待したいところ。
初参加のキラー・カーンは5月にジャパンプロレスに謀反を起こしてヒールターン、外国人ヒールサイドとして参戦していましたが、同じく世界最強タッグ決定リーグ戦に初参加となる「人間魚雷」テリー・ゴディとタッグを結成してエントリー。ゴディは8月の「サマー・アクション・シリーズ2」中盤戦から特別参加して以来2か月ぶりの来日。
大型でスケールの大きなラフファイターチームだけにどのチームとぶつかっても新鮮で楽しみ。腰の故障で先の「創立15周年記念ジャイアント・シリーズ」を全休したKカーンですが、2か月休んで体調も回復、優勝戦線をかきまわす存在となるか?
初参加の元AWA世界ヘビー級王者、リック・マーテルは初来日のトム・ジンクと組んでエントリー。マーテル個人では85年10月の「ワールド・チャンピオン・カーニバル」以来1年1か月ぶりの来日。
前回の来日では10月21日両国国技館でNWA世界ヘビー級王者、リック・フレアーと史上初のダブル・タイトルマッチを行い、34分3秒、両者リングアウトの引き分け。またフレアーとの豪華「世界王者タッグ」でザ・ファンクス、鶴田&天龍組、長州力&谷津嘉章組と対戦し、ファンを楽しませました。
しかし同年12月29日ニュージャージ州イースト・ルーサーフォード・メドーランズ地区ブレンダン・バーンアリーナでスタン・ハンセンに敗れAWA世界ヘビー級王座から転落。
王座転落後のマーテルはAWA地区の試合に出ながら地元のカナダ・ケベック州モントリオールでのジノ・ブリット主宰の「インターナショナル・レスリング」で活躍。ジンクとはモントリオールでタッグチームを結成していました。
初来日のジンクは58年ミネソタ州出身の28歳の新鋭。ルエディ・シャーキーにスカウトされプロレス入りし83年デビュー、84年からは地元ミネソタのAWAに登場。
85年より、オレゴンやワシントンをテリトリーとするPNWに参戦(当時はNWA傘下)、86年1月21日にボビー・ジャガーズを破りNWAパシフィック・ノースウエスト・ヘビー級王座を獲得。同年下期からモントリオールに転戦し、マーテルとタッグを結成、待望の初来日。
マーテル30歳、ジンク28歳と若く今で言うイケメンで身体もカッコよく、女性ファンに人気の出そうなチームであり、ジンクのキャリア不足はありますが、リーグ戦に新風を吹き込みそうです。
初参加の初期からのオリジナル国際血盟軍、ラッシャー木村&鶴見五郎組、R木村個人では84年大会にUWFを退団して全日本プロレスに移籍、馬場の「ミステリアス・パートナー」に指名されて参加も12月8日、愛知県体育館での鶴田&天龍組戦で馬場と仲間割れ、以後は国際血盟軍としてヒールターン。85年は阿修羅・原と組んで参加しており3年連続3度目の出場。
鶴見個人では83年にザ・モンゴリアン(ジン・ルイス、テキサス・レッド)と組んで初参戦、84年は、当初はメンバーには入ってなかったものの、ワンマン・ギャングのパートナーとして参戦予定だったバズ・ソイヤーが来日キャンセルとなり、一度はタイガーマスク要員として来日していたピラタ・モルガンが代わりにギャングと組むことが発表されたものの、軽量の為出場メンバーには歯が立たないと判断され、鶴見がギャングのパートナーに指名されて出場。2年ぶり3度目の出場となりました。
気心が知れ、普段から組んでおり連携はバッチリ、大物食いや両チームリングアウトの場外心中作戦など、上位陣には侮れないチームとなりそうです。
初参戦、アジア・タッグ王者チーム、スーパー・ストロング・マシン&阿修羅・原組のカルガリー・ハリケーンズ、国際血盟軍混成チーム。マシンは個人でも初参戦、原は81、82年が天龍と、83年がマイティ井上、85年がR木村と組んで参加、全日本プロレスに入団した81年以降、失踪していた84年以外は出ており、2年連続5度目の参戦。
原は慢性化していた膝と腰の故障が悪化し、「サマー・アクション・シリーズ2」終盤戦を欠場、一度は復帰も思うように回復せず、先の「創立15周年記念ジャイアント・シリーズ」10月21日両国国技館で復帰。高野俊二のアメリカ遠征でヒロ斉藤と2人だけとなったカルガリー・ハリケーンズのリーダー、マシンとタッグを結成。
10月30日青森県営体育館で石川敬士&M井上組を破りアジア・タッグ王座を獲得。前にも書きましたが個々には長州&谷津組のインターナショナル・タッグ王座に挑戦してもおかしくないチームですが、タッグに関してはまだ未知数。マシンが共闘していたKカーン、原と今回は組まない国際血盟軍との兼ね合いはどうなるか?安易な不戦敗は避けて欲しいところ。
新日本プロレスとの興行戦争ですが、新日本は1週早い11月14日、後楽園ホールで「ジャパンカップ争奪タッグ・リーグ戦」が開幕。新日本プロレスと復縁したかに見えたブルーザー・ブロディが特別参加をキャンセル、また同じく特別参加予定だったアンドレ・ザ・ジャイアントもWWFのスケジュール優先でキャンセル。リーグ戦とは別に予定されていた前田日明vsブロディ、アンドレvsブロディは中止に。
後楽園ホールが全日本プロレスが11月22日&23日、新日本プロレスが11月14日、札幌中島体育センターが全日本が11月28日、新日本が11月24日。東京の大会場が全日本の日本武道館が12月12日、新日本の両国国技館が前日の12月11日といずれも新日本先行となりますが暮れのタッグリーグでは質量共に全日本が新日本を凌駕しており、全日本の優勢が予想されました。
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