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2025年11月02日07:04

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【特別編】マイティ井上さん追悼(142)

全日本プロレス86年「創立15周年記念ジャイアント・シリーズ」第3回難民義援金募集チャリティー興行、10月21日両国国技館(テレビ収録、観衆10,600人満員発表)大会。私はこの興行は会場で生観戦しています。

ちなみに過去2回の難民義援金募集チャリティー興行は第1回が82年4月21日新日本プロレス蔵前国技館(アントニオ猪木vsジェシー・ベンチュラ、飛龍十番勝負第3戦、藤波辰巳vsアブドーラ・ザ・ブッチャー、タイガーマスクvsブラック・タイガーWWFジュニア・ヘビー級選手権試合他)、第2回が84年7月31日全日本プロレス蔵前国技館(スタン・ハンセンvsジャイアント馬場PWFヘビー級選手権試合、リック・マーテルvsジャンボ鶴田AWA世界ヘビー級選手権試合他)で、開催団体が新日本から全日本に代わったのは難民支援団体が新間寿の人脈によるものだったからという説が有力です。

この日はダブル・メインイベントとして行われ、ダブル・メインイベント第2試合は長州力にテリー・ファンクが挑戦したPWFヘビー級選手権試合。

既に何回か書いて来ましたが、NWA世界ヘビー級王者、リック・フレアーの来日キャンセルでこの日行われる予定だったフレアーvs長州のNWA世界ヘビー級、PWFヘビー級ダブル・タイトルマッチは中止に。

両王座のダブル・タイトルマッチは74年12月5日、日大講堂でこれより3日前の12月2日、鹿児島県立体育館でジャック・ブリスコを破り日本人初のNWA世界ヘビー級王者となった馬場が、保持していたPWFヘビー級王座も賭けてブリスコのリターンマッチを受けて2−1で両王座を防衛して以来、約12年ぶりに行われる予定でしたので、開催中止は長州のみならず、主催の全日本プロレスにとっても大きなダメージでした。

また、テリーのPWFヘビー級王座挑戦も、同じく74年8月9日、蔵前国技館で馬場に挑戦して2−1で敗れて以来12年2か月ぶり。

長州はその鬱憤をテリーに一気にぶつけるように試合開始から畳み掛けていきました。長州がテリーへラリアットからサソリ固め。ロープに逃げようとするテリーを場外からセコンドのドリー・ファンク・ジュニアが引っ張り一旦はブレイクとなりましたが、リング中央で再度サソリ固めが決まり、14分59秒、テリーは無念のギブアップ。

長州は5度目のタイトル防衛に成功。5度目にして初めて長州は一本勝ちによる防衛を果たしましたが、当時34歳で絶頂期にあった長州と一度引退して復帰した42歳のテリーとでは体力とコンディションに大きな差がありました。

ダブル・メインイベント第1試合はスタン・ハンセンのインターナショナル・ヘビー級王座に鶴田が挑戦。7月31日、両国国技館でハンセンの奇策とも言える後方回転エビ固めに敗れ、王座をうばわれた鶴田は3年ぶりに「完全無冠」となり、9月3日、大阪城ホールでのリターンマッチでは両者リングアウトで逃げられてしまいました。

このシリーズのハンセンは翌10月22日栃木県足利工業短大付属高校体育館までの特別参加でインターナショナル王座の防衛戦はこの両国大会1度きり。鶴田は王座奪還に失敗すれば次の「世界最強タッグ決定リーグ戦」はタイトルマッチはやらないのが原則であり、無冠で年越しをしなくてはならなくなる可能性大で背水の陣でハンセンとの闘いに臨みました。

ハンセンは鶴田をコーナーに振りタックル。しかし鶴田はタックルをかわしコーナーのターンバックルへ激突させ、すかさず飛びつくように首固めを決めフォール。ガッチリと足でハンセンの足をロックしてカウント3が入り、19分37秒首固めで鶴田がハンセンから初のピンフォール勝ちを奪い、鶴田がタイトルを獲得。第16代王者に3か月ぶりに返り咲きを果たしました。

アメリカで輪島大士のコーチを行う為に前半戦不参加で、この日から出場の馬場は天龍源一郎と組んでアニマル&ホークのザ・ロード・ウォリアーズと対戦(60分1本勝負)。

エプロンからホークが馬場を押さえ、アニマルが攻撃しようと突っ込んだところ、馬場は逆にカウンターの16文キックで反撃。さらに馬場がもう一発決めようと自らロープに走った時、リング下からウォリアーズのマネージャー、ポール・エラリングが馬場の足を掬って倒し、ウォリアーズが2人がかりで馬場を攻撃、制止するレフェリーも殴り倒して、6分2秒馬場がウォリアーズに反則勝ちとなりました。

ドリー・ファンク・ジュニアはミスター・オリンピアと組んでジャパンプロレスの副将コンビ、谷津嘉章&アニマル浜口組と対戦、8分21秒、谷津がパワースラムからの片エビ固めでオリンピアを倒し、谷津&浜口組の勝利。

先の「サマー・アクション・シリーズ2」で膝と腰を負傷し終盤戦を欠場、最終戦の9月11日、後楽園ホールには強行出場したものの、シリーズオフ中に回復せず、今シリーズ開幕戦から欠場していた国際血盟軍の阿修羅・原がこの日より復帰、復帰第1戦はカルガリー・ハリケーンズのスーパー・ストロング・マシンと組んでタイガーマスク&ハル薗田組と対戦。12分27秒、原がヒットマン・ラリアットからの体固めで薗田からフォール勝ちし復帰戦を飾っています。

原がマシンと組んだことで、国際血盟軍との関係はどうなるのか?高野俊二のアメリカ遠征で戦力ダウンのハリケーンズの助っ人となるのか?、またこのシリーズ腰の負傷で全休しているキラー・カーンとの絡みはどう変わっていくのか?あるいはヒール日本人軍が大連立か?今後の流れが大いに注目されることになりました。

タイガー・ジェット・シン&カール・フォン・スタイガー組は石川敬士&マイティ井上組と対戦、6分9秒、シンがコブラクローからの体固めでM井上を降しています。

全日本対国際血盟軍、大熊元司&サムソン冬木&渕正信組とラッシャー木村&ザ・グレート・カブキ&鶴見五郎組は10分37秒、R木村がブルドッキング・ヘッドロックからの体固めで大熊を破り、国際血盟軍に軍配が上がりました。

小林邦昭&寺西勇組vsヒロ斉藤&ポール・ダイヤモンド組は9分4秒に両チームリングアウトの引き分けとなりましたが、この試合で小林は膝を負傷してしまいました。

ブラッド・レイガンズと保永昇男のシングルマッチは7分19秒、スピード十分のサイド・スープレックスからの片エビ固めでレイガンズの勝利。ジャパン同士の仲野信市と笹崎伸司のシングルマッチは7分6秒に仲野がジャーマン・スープレックスホールドで後輩の笹崎を撃破。

第1試合は全日本対ジャパン、百田光雄が8分42秒、バックドロップからの片エビ固めで佐々木健介を破りました。

輪島、ジョン・テンタの入団により日本相撲協会との関係が悪化した全日本プロレスはこの大会を最後に両国国技館から撤退、以後は前85年より並行して使っていた日本武道館が東京のビッグマッチ常打ち会場となり、馬場存命中はついぞ両国国技館では興行は開催されず。これより実に18年後の04年7月18日、武藤敬司体制になってから両国大会を復活させるのでした。
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