全日本プロレス86年「サマー・アクション・シリーズ2」シリーズ天王山、9月3日大阪城ホール(テレビ収録、観衆7,800人発表)大会、今シリーズは東京の大会場での興行がない為、大阪城決戦がシリーズ最大のヤマ場となりました。
この日はダブル・メインイベントが組まれダブル・メインイベント第2試合はスタン・ハンセンの保持するインターナショナル・ヘビー級王座に前王者、ジャンボ鶴田が挑むリターンマッチ。7月31日両国国技館での対戦(AWA世界ヘビー級、インターナショナル・ヘビー級ダブルタイトルマッチ)では猪突猛進型のブルファイターであるハンセンがまさかの後方回転エビ固めという丸め込み技で鶴田からカウント3を奪ってのフォール勝ちでベルトが移動。
思えば鶴田もハンセンもテキサス州アマリロのファンク一家の同期。同期生にはこれに元WWFヘビー級王者、ボブ・バックランドが加わる訳ですが、ハンセンは新日本プロレス時代の80年9月30日日本武道館でバックランドのWWFヘビー級王座に挑戦した試合で鮮やかな前方回転エビ固めを見せて観客を驚かせていますが(試合はバックランドのフェンスアウトによる反則勝ち)、日本ではそれは以来の回転エビ固めというのも面白い話です。
さて、話を当日の試合に戻しますと、ロープ際のハンセンに鶴田がジャンボ・ラリアット、ハンセンはこれをかわし、勢い余った鶴田はトップロープ越しに場外に転落、ハンセンもこれを追って場外での殴り合い、リングに上がろうとする鶴田の身体をハンセンが押さえつけ、22分14秒に両者リングアウトの引き分け、ハンセンが王座初防衛に成功しています。鶴田はリターンマッチに失敗、今シリーズ再チャレンジのチャンスはなく3年ぶりの完全無冠は次の「創立15周年記念ジャイアント・シリーズ」まで続くことが決まりました。
王座初防衛を果たしたハンセンは9月9日、愛知県体育館でPWFヘビー級王者、長州力とのダブル・タイトルマッチに臨むことになります。
ダブル・メインイベント第1試合、天龍源一郎と長州の3度目のシングルマッチ、これまで、前85年2月21日ジャパンプロレス主催大阪城ホールでは9分12秒、長州がエプロンでのバックドロップを決めてリングアウト勝ち、6月21日全日本プロレス日本武道館では19分2秒にエキサイトした長州が反則負けとスコアの上では1勝1敗のタイスコア、フォール決着はありませんが、余力を残しての反則負けの長州の方が強く見えてしまうのは仕方のないところ。
8月30日大垣市スポーツセンターでのタッグ前哨戦、天龍&タイガーマスク組vs長州&寺西勇組では、天龍が長州の古傷である脇腹を痛めつけ、タッグながらリングアウト勝ちを収めてようやく溜飲を下げた感じでした。
この試合、入場時にハプニングが。先ず、「パワーホール」のテーマ曲で長州が入場、続いて天龍の入場でしたが、テーマ曲が「サンダーストーム」ではなく鶴田の「J」が流されてしまい、音響がテーマ曲の差し換えをしなかった為に天龍は苦笑いを噛み殺しながら入場すると言う放送事故的なビックリがありました。
全日本プロレスはこれより約9年前の77年12月14日「世界オープン・タッグ選手権」同じ大阪の府立体育会館で、大木金太郎&キム・ドク組vsラッシャー木村&グレート草津組の公式戦で次の試合に出てくるビル・ロビンソン(ホースト・ホフマンと組んでアブドーラ・ザ・ブッチャー&ザ・シーク組と対戦)のテーマ曲である「ブルー・アイド・ソウル」がかかってしまったことがありましたが、この時はまだテーマ曲黎明期であり、日本テレビではありませんでしたが、新日本プロレスのテレビ朝日や国際プロレスの東京12チャンネル(テレビ東京)では同じ楽曲を複数のレスラーのテーマ曲として使い回すことも多々ありましたので大した話題にもなりませんでしたが、今ならX炎上案件でしょう。
試合は大垣でのリングアウト負けの屈辱を晴らすべく長州がラフなファイトに出て試合は荒れ模様。天龍を場外に落として鉄柱を額に打ち付けて流血させ、エプロンに上がって来たところをナックルパンチの連打。天龍がリングに入ってもロープに飛ばしてのナックル、止めに入ったレフェリーを2度に亘り突き飛ばして20分7秒に長州の反則負け。またしても完全決着はつかず、対戦成績は天龍の2反則勝ち、1リングアウト負け。
セミファイナル(ダブル・メインの前)はテリー・ゴディとキラー・カーンが強力タッグを結成、ジャパンプロレスの副将コンビである谷津嘉章&アニマル浜口組と対戦、9分49秒、ゴディがパワーボムからのエビ固めで浜口からフォールを奪っています。
全日本対カルガリー・ハリケーンズ、タイガーマスク&石川敬士組とスーパー・ストロング・マシン&高野俊二組の一戦、タイガーマスクとマシンの顔合わせは注目でしたが12分42秒に両チームリングアウトの引き分け。
アメリカより帰国したジャイアント馬場がこの日より出場、大熊元司&サムソン冬木とのトリオでR木村&阿修羅・原&鶴見五郎組の国際血盟軍と対戦、10分39秒にR木村が大熊をブルドッキング・ヘッドロックからの体固めで破り国際血盟軍に軍配が上がっています。
小林邦昭&寺西勇組vsヒロ斉藤&ジ・インベーダー3号組の一戦は5分56秒、寺西がジャーマン・スープレックスホールドでインベーダー3号を倒しました。
マイティ井上はスーパー・メディコとシングルマッチを行い8分31秒にサマーソルト・ドロップからの体固めでこれを破り地元大阪で嬉しい勝利。国際プロレス時代ならテレビマッチ45分3本勝負でやったでしょう。
第2、3試合はいずれも全日本対ジャパンのタッグマッチ、渕正信&ハル薗田組と栗栖正伸&仲野信市組は12分13秒、渕がテネシー遠征で体得したダイビング・フィスト・ドロップから仲野を片エビ固め。グレート小鹿&ロッキー羽田組と保永昇男&笹崎伸司組は11分19秒、羽田が逆エビ固めで笹崎をギブアップさせて全日本のベテランチームが快勝、羽田の直接勝利はもはや珍しくなっていました。この日は全日本の連勝でした。
第1試合は全日本同士のシングルマッチで百田光雄が小川良成を11分17秒、回転エビ固めで降しました。
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