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2025年10月01日07:19

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【特別編】マイティ井上さん追悼(110)

全日本プロレス86年「サマー・アクション・シリーズ」第2戦、7月5日後楽園ホール(テレビ収録、観衆2,300人満員発表)大会。私はこの興行は会場観戦しています。

メインイベントはジャイアント馬場と天龍源一郎が久しぶりに2人だけのタッグチームを結成、PWF世界タッグ王者チームであるスタン・ハンセン&テッド・デビアス組と対戦し9分38秒に両チームリングアウトの引き分けに終わりました。

5月24日静岡県沼津市民体育館大会での長州力&谷津嘉章組とスーパー・ストロング・マシン&高野俊二組の試合に乱入、味方であるはずのジャパン軍、谷津にダイビング・ダブルニードロップを見舞ってジャパンプロレスに背を向けたキラー・カーンは、その後の試合を欠場。

6月5日大阪城ホール大会メインイベントであるマシン&高野俊組vsアニマル&ホークのザ・ロード・ウォリアーズの一戦で、試合前のウォリアーズの奇襲攻撃により戦闘不能となった高野俊の代わりにマシンと急遽即席タッグを結成して試合に出たKカーン(4分37秒にホークのレフェリー暴行によりKカーン&マシン組の反則勝ち)はその後も欠場をしていましたが、この日ついに後楽園ホールに姿を現しました。

マシンと手を組んだKカーンはセミファイナルで長州&アニマル浜口組の元祖維新軍と対戦、長州がマシンをサソリ固めに捉えましたが、Kカーンは絞首刑用のロープを持ち出してサソリをかけている長州の首を絞め上げ、静止に入ったレフェリーも突き飛ばして7分5秒に長州&浜口組の反則勝ち。絞首刑用ロープを持ち出したことで、Kカーンはヒールターン。WWFを始め、フロリダ、ジョージアと全米のトップヒールだったKカーンがようやくその本性を発揮しだしたと言うべきか…。

セミ前に組まれたのは全日本対ジャパン、ジャンボ鶴田&タイガーマスク組と谷津&寺西勇組の対戦、こちらは11分3秒に鶴田が軽量の寺西をバックドロップからの体固めに降して鶴田&タイガーマスク組の完勝。

ピート・ロバーツは新日本プロレス時代に対戦した小林邦昭とのシングルマッチ。小林のショルダー・タックルをすくい投げで切り返したロバーツでしたが、両者の攻防がロープに近く、もつれて場外に転落、8分7秒に両者リングアウトの引き分けとなっています。

全日本対国際血盟軍、石川敬士&サムソン冬木&ハル薗田組とラッシャー木村&阿修羅・原&鶴見五郎組の6人タッグマッチは7分7秒、原がヒットマン・ラリアットから薗田を体固めに決めて国際血盟軍強し、というところを見せました。

ジャパン対カルガリー・ハリケーンズ、栗栖正伸&仲野信市vsヒロ斉藤&高野俊組。かつての新日本プロレス時代の人間関係が微妙に絡み合う組み合わせですが、10分3秒、高野俊がミサイルキックからの片エビ固めで仲野をマットに沈めました。

ザ・デストロイヤーはロッキー羽田とのシングルマッチを行い6分5秒に得意の足4の字固めでギブアップ勝ち。全日本同士のグレート小鹿&大熊元司組vsマイティ井上&渕正信組は6分11秒に極道コンビの反則負け。

第1、2試合はいずれも全日本対ジャパン、百田光雄と保永昇男のシングルマッチは6分58秒に保永が片エビ固めで勝ち、小川良成と笹崎伸司の一戦は7分12秒に逆エビ固めで笹崎がギブアップ勝ちを収めました。

この日の後楽園ホール大会に大相撲を廃業し、プロレス入りが噂されていたジョン・テンタが来場し、リングサイドから試合を観戦しています。テンタは前日の7月4日、同じ後楽園ホールで行われた新日本プロレスの「バーニングスピリット・イン・サマー」開幕戦も観戦、猪木と握手をかわすなど「果たして全日本と新日本、どちらに入るのか?」と注目されていました。

テンタは本名ジョン・アンソニー・テンタ、63年カナダ出身の当時23歳、ハイスクール時代からレスリングで活躍しカナダでは重量級の王者となりました。ルイジアナ州の大学を中退して85年に来日し大相撲佐渡ヶ嶽部屋に入門、同年の琴天太の四股名で九州場所で初土俵を踏み86年初場所序ノ口、春場所序二段、夏場所より琴天山に改名、三段目でいずれも全勝優勝。前相撲を入れると24戦無敗の成績を残しました。

外国人力士にありがちな腰高で足が細いタイプではなく、レスリングに裏打ちされた強靭な下半身を持ち、名古屋場所では幕下に昇進が決まっていましたが、各界の体質が合わず、また左腕に彫っていたライオンの刺青を手術で消すように言われ(場所中はサポーターで隠していた)名古屋場所を目前に廃業。通訳と称する日本人の交際女性とプロレス入りに向けて動いていました。

後述しますがテンタは全日本プロレス入団が決定、テンタの行動を「新日本と全日本を天秤にかけた」と批判する向きもありましたが、これはテンタは攻められないと思います。

新日本プロレスは猪木が従前より「相撲出身者は腹が出ているからトレーニングしない」と相撲出身者嫌いを公言しており、新日本旗揚げ後の所属メンバーで大相撲出身は木村健吾、ジョージ高野のようなソップ型、坂口征二と共に日本プロレスから移籍してきた小沢正志(Kカーン)、関川哲夫(ミスター・ポーゴ、退団)位しかおらず。

馬場の全日本プロレスは元横綱・輪島を初め天龍、石川の幕内経験者、海外でフリーになりましたが元トンガ力士のプリンス・トンガがおり、他にも当時の本隊だけで小鹿、大熊、羽田、海外修行中のターザン後藤と多数おり、どちらがやりやすいかは明らかで、全日本プロレスを選んだのは当然の選択肢と言えました。
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