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2025年09月11日07:15

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【特別編】マイティ井上さん追悼(90)

マイティ井上の出場した大会ではないですが、86年「チャンピオン・カーニバル」シリーズ中にジャイアント馬場はタイガーマスクを伴ってアメリカに遠征、4月の19日のルイジアナ州ニューオリンズのスーパードームで行われたNWAクロケット・プロと地元米国版UWF(旧MSWA)共催の「ジム・クロケット・シニア・メモリアルカップ・レスリング・トーナメント」と翌4月20日、ミネソタ州ミネアポリス・ヒューバート・Hハンフリー・メトロドームで行われたAWAの「レッスルロック」に出場しています。

タイトル戦線からは撤退していた馬場はNWA第一副会長としての立場から全日本プロレスのリングはジャンボ鶴田、天龍源一郎、長州力らに任せて全米の大規模なビッグマッチに協力。その背景にはWWFのビンス・マクマホンが84年から仕掛けたレスリングウォーの激化がありました。この2大会の2週間前の4月7日にはWWFが前85年より開催を開始した年間最高のレスリングイベント、「レッスルマニア2」を開催。

この年はニューヨーク州ユニオンディールのナッソー・コロシアム、カリフォルニア州ロサンゼルス・スポーツアリーナ、そしてAWAのメインテリトリーの一つであるイリノイ州シカゴ・ローズモント・ホライズンの3会場での同時開催。AWAのオーナーであるバーン・ガニアに真っ向から喧嘩を仕掛けました。

これに対してNWAクロケットプロとAWAが立ち上がりビッグマッチを開催することで対抗、両大会の参加レスラーもかなり被っており、WWF対NWA&AWA連合軍の壮絶な興行戦争となりました。馬場は仲間のプロモーターを助けるべく、ヘビー級戦士に転向したタイガーマスクを連れて参戦、また4月13日にプロレス転向記者会見を行ったばかりの輪島大士も一緒に視察に連れて行っています。

4月19日に行われたスーパードームでのジム・クロケット・シニア・メモリアルカップ・レスリング・トーナメントは総勢48人レスラー、24タッグチームが出場するワンデートーナメント。1日の興行でやるには参加チームが多過ぎる為、昼夜に別れての開催となりました。

24チーム中、8チームが組み合わせにより1回戦シード。シードとなったのはアニマル&ホークのザ・ロード・ウォリアーズ、マグナムTA&ロニー・ガービン組、ボビー・イートン&デニス・コンドリー組のミッドナイト・エキスプレス、タリー・ブランチャード&アーン・アンダーソン組、リック・マーテル&ディノ・ブラボー組、リック・モートン&ロバート・ギブソン組のザ・ロックンロール・エキスプレス、馬場&タイガーマスク組、イワン&ニキタのザ・コロフズの8チーム。

さらに1回戦から出場がブッチ・ミラー&ルーク・ウイリアムス組のザ・シープハーダーズ、スティーブ・ウイリアムス&テリー・テイラー組、ジム・ガービン&ブラック・バート(リック・ハリス)組、ワフー・マクダニエル&マーク・ヤングブラッド組、バロン・フォン・ラシク&コンガ・ザ・バーバリアン組、チャボ&ヘクターのゲレロ兄弟、ジミー・バリアント&マニー・ヘルナンデス組、ブレッド・ソイヤー&デビッド・ピーターソン組、スティーブ・カーン&スタン・レーン組のザ・ファビラス・ワンズ、トミー・ロジャース&ボビー・フルトン組のザ・ファンタスティックス、ビル・ダンディ&バディ・ランデル組、ボビー・ジャガーズ&マイク・ミラー組、バート&ブラッドのザ・バッテン・ツインズ、ネルソン・ロイヤル&サム・ヒューストン組、バズ・ソイヤー&リック・スタイナー組、ココ・ウェア&イタリアン・スタリオン組の16チーム。

昼興行は当時の土曜日とあってアメリカでも働いている人が多かったか?スーパードームに3,500人という少ない観客発表。

16チームによる1回戦8試合が組まれました。(試合は全て20分1本勝負)トーナメント1回戦第1試合、ワフー&Mヤングブラッド組とジャガーズ&Mミラー組は7分35秒、ワフーがトマホーク・チョップからMミラーを体固め。

1回戦第2試合、Nロイヤル&Sヒューストン組とバート&ブラッドのバッテン・ツインズは8分17秒、ヒューストンがバートをブルドッキング・ヘッドロックからの体固めで撃破。

1回戦第3試合、Jバリアント&Mヘルナンデス組vsラシク&Kバーバリアン組は8分、ヘルナンデスがKバーバリアンを飛び付き式前方回転エビ固めでフォール。

1回戦第4試合、2月に新日本プロレスへ初来日が予定されていましたがスケジュールの都合で延期(7月)されたスティーブ・ウイリアムス&Tテイラー組とBダンディ&Bランデル組は11分12秒、オクラホマ・スタンピートでSウイリアムスがランデルを片エビ固め。

1回戦第5試合、Bミラー&Lウイリアムス組のシープハーダーズとチャボ&ヘクターのゲレロ兄弟の一戦は11分15秒、Lウイリアムスがヘクターを2人がかりのクローズラインから体固め。

1回戦第6試合、後の89年から全日本プロレスのレギュラーとなるTロジャース&Bフルトン組のザ・ファンタスティックスとSカーン&Sレーン組のザ・ファビラス・ワンズの興味深い一戦は14分56秒、フルトンがSカーンを後方回転エビ固めに降しファンタスティックスの勝利。

1回戦第7試合、バズ・ソイヤー&Rスタイナー組とKウェア&Iスタリオン組は実力者バズが6分10秒、スタリオンを得意のパワースラムからの体固めに降しました。

1回戦最終第8試合、Jガービン&Bバート組とブレッド・ソイヤー&Dピーターソン組は5分48秒にJガービンがピーターソンをDDTからの体固めで倒し、1回戦を勝ち抜いた8チームが2回戦に進出、夜の部でシード枠チームと対戦することになりました。

ビル・ワットが代表を務める米UWFは新日本プロレスと提携しており、87年にかけてシープハーダーズ、Sウイリアムス、Rスタイナー、バズ&ブレッドのソイヤー兄弟、Bバート等が新日本のリングに参戦することになります。

また1回戦をシードされている組とそうでない組のメンバーを見るとシード組はクロケットプロのノースカロライナ勢が中心、そうでない組はワフーのようなクロケット派の超大物もいますが米UWF勢中心、ということが言えるでしょう。

86年4月19日、ルイジアナ州ニューオリンズ・スーパードーム大会昼夜興行「ジム・クロケット・シニア・メモリアルカップ・レスリングトーナメント」(観衆13,000人発表)夜の部では2回戦から決勝戦までが行われています。

タッグトーナメント2回戦(試合は全て20分1本勝負)、第1試合は1回戦シードのボビー・イートン&デニス・コンドリー組のミッドナイト・エキスプレスvs1回戦勝利のネルソン・ロイヤル&サム・ヒューストン組はロイヤルがイートンにコブラツイストを仕掛けていきましたが、自軍コーナー近くでイートンはコブラツイストを掛けられながらコンドリーにタッチ、タッチが成立してもロイヤルはコブラツイストを離さず。

コンドリーがコーナーポスト最冗談からのダイビング・エルボーバットをロイヤルに決めて僅か1分12秒の速攻勝利でミッドナイト・エキスプレスの勝利。

タッグトーナメント2回戦第2試合、1回戦シードのマグナムTA&ロニー・ガービン組と1回戦勝利のバズ・ソイヤー&リック・スタイナー組。8分40秒、TAがRスタイナーをベリー・トゥー・ベリー・スープレックス(フロント・スープレックス)からの体固めで倒してフォール勝ち。Rスタイナーがブレイクするのはやはり90年に弟のスコットとスタイナー・ブラザーズを結成してWCWで活躍するようになってからでしょう。

タッグトーナメント2回戦第3試合、優勝候補の本命1回戦シードのアニマル&ホークのザ・ロード・ウォリアーズが登場、1回戦勝利のワフー・マクダニエル&マーク・ヤングブラッド組と対戦し8分4秒、ホークがMヤングブラッドをセカンドロープからのフライング・ラリアットからの体固めで撃沈させてウォリアーズの完勝。

タッグトーナメント2回戦第4試合は1回戦シードのイワン&ニキタのザ・コロフズと1回戦勝利のジミー・バリアント&マニー・ヘルナンデス組。イワンがジミーにラリアットを仕掛けますがジミーはこれをかわしました。しかしこれはフェイントで、ジミーが上手くかわしたと思った瞬間、コーナーで待ち構えていたニキタがセカンドロープからのロシアン・シックル(ダイビング・ラリアット)、すかさずニキタがカバーに入り、8分18秒、ジミーを体固めに決めてコロフズに凱歌が上がっています。

タッグトーナメント2回戦第5試合は1回戦シードのリック・マーテル&ディノ・ブラボー組と1回戦勝利のスティーブ・ウイリアムス&テリー・テイラー組の予定でしたが、ブラボーが飛行機トラブルによりニューオリンズ入り出来ず、マーテル&ブラボー組が棄権、Sウイリアムス&Tテイラー組の不戦勝となりました。

ブラボーの欠場理由は飛行機トラブルですが、83年の新日本プロレス「IWGP」も北米代表に選ばれて来日し、開幕戦前のレセプションに出席していながら、「自宅に強盗が入った」との報が入り1試合も行わずに帰国、93年3月11日に射殺されるという悲痛な最期を遂げています。リアルマフィアであり、裏社会の住人だったブラボーだけに額面通り信用していいかどうかは?になります。

マーテル&ブラボー組は共にフレンチカナディアン、マーテルは84年、ブラボーは83年の新日本プロレスIWGP参戦をキャンセルしたという共通項があり実現していれば面白いタッグチームになっていたことでしょう。

タッグトーナメント2回戦第6試合、1回戦シードのリック・モートン&ロバート・ギブソン組のザ・ロックンロール・エキスプレスvsブッチ・ミラー&ルーク・ウイリアムス組のシープハーダーズの一戦はシープハーダーズのマネージャーがニュージーランドの国旗を持って乱入。

しかし、モートンが国旗を奪ってマネージャーを殴り飛ばし、8分40秒にロックンロール・エキスプレスの反則負けが取られました。何故乱入して来たマネージャーを殴って反則負けとなってしまったのか理解に苦しむ判定ではありますが、いい加減さやデタラメさもアメリカンプロレスの大きな魅力でもあります。

同日、ルイジアナ州ニューオリンズ・スーパードーム大会夜の部「ジム・クロケット・シニア・メモリアルカップ・レスリングトーナメント」(観衆13,000人発表)

タッグトーナメント2回戦第7試合は1回戦シードのタリー・ブランチャード&アーン・アンダーソン組の「フォー・フォースメン」と1回戦勝利のトミー・ロジャース&ボビー・フルトン組のザ・ファンタスティックスの対戦。体格的にはファンタスティックスはジュニア・ヘビー級であり、不利が予想されましたが、アーンがTロジャースをボディスラムに担ぎ上げたところ、レフェリーの死角を突いて入ってきたBフルトンが担がれたTロジャースの背中にドロップキック、バランスを崩したアーンは昏倒、上になったTロジャースがそのまま覆い被さってカウント3。11分24秒、ファンタスティックスが頭脳プレーでの勝ち星を挙げました。

タッグトーナメント2回戦最終第8試合に1回戦シードの馬場&タイガーマスク組が登場。日本からのゲストということで2回戦トリの扱いです。対戦相手チームは1回戦勝利のジム・ガービン&ブラック・バート組。Jガービンは84年8月に、Bバートは83年8月にリック・ハリスのリングネームで全日本プロレスに来日。

試合は7分55秒に馬場がカウンターの16文キックからの体固めでBバートを倒しての貫禄勝ちをしました。

これでベスト8が決定し、準々決勝に進みました。タッグトーナメント準々決勝(試合は全て20分1本勝負)第1試合はアニマル&ホークのザ・ロード・ウォリアーズがボビー・イートン&デニス・コンドリー組のミッドナイト・エキスプレスと対戦。アニマルがコンドリーにロープの反動を利したカウンターのパワースラム。フォールの体制に入ったところ、ミッドナイトのマネージャーであるジム・コルネットがトレードマークであるテニスのラケットを持って乱入、アニマルの背中をラケットで殴りつけて8分21秒、ウォリアーズの反則勝ち。

タッグトーナメント準々決勝第2試合、イワン&ニキタのザ・コロフズとスティーブ・ウイリアムス&テリー・テイラー組の試合は20分時間切れ引き分けとなり、規定により両チーム失格。 

タッグトーナメント準々決勝第3試合、Tロジャース&Bフルトン組のザ・ファンタスティックスとブッチ・ミラー&ルーク・ウイリアムス組のシープハーダーズの一戦は9分24秒に両チーム反則となり、こちらも規定により両チーム失格となりました。

タッグトーナメント準々決勝第4試合、馬場&タイガーマスク組vsマグナムTA&ロニー・ガービン組。タイガーマスクのコーナーポスト最上段からのダイビング・ボディアタックを受け止めたTAがベリー・トゥー・ベリー・スープレックス(フロント・スープレックス)でタイガーマスクを投げ捨てて9分58秒に片エビ固めでフォール勝ち。馬場&タイガーマスク組は準々決勝敗退となりました。

マグナムTAはジム・クロケットの秘蔵っ子で、次期NWA世界ヘビー級王者最有力候補で、馬場も早くから全日本プロレスに呼びたいと招聘に動いていましたが、飛行機事故の為に下半身不随となってしまい、来日せず、「まだ見ぬ強豪」のままで終わっています。

タッグトーナメント準決勝はザ・コロフズ、Sウイリアムス&Tテイラー組、ザ・ファンタスティックス、シープハーダーズの4チームが失格となった為に行われず、ザ・ロード・ウォリアーズとマグナムTA&Rガービン組が決勝戦進出を決めています。

UWFノースアメリカン・ヘビー級選手権試合、王者ハックソー・ジム・ドゥーガンにディック・スレーターが挑戦。ドゥーガンも米UWFと新日本プロレスとの提携路線でこの年の1月と8月の2回、新日本プロレスに参戦しています。

試合は両腕がロープに挟まってしまい身動きが取れなくなったドゥーガン(アンドレ・ザ・ジャイアントが好んで使う定番ムーブ)にスレーターがパンチ攻撃、静止に入ったレフェリーとスレーターが揉み合う間にロープが解けたドゥーガンが、背中を向けたスレーターにアメフトスタイルのショルダータックル、14分18秒、片エビ固めでフォール勝ちし王座を防衛。

クロケット・プロの総力を賭けたビッグマッチとあってNWA世界ヘビー級王者、リック・フレアーが登場、同プロモーションの黄金カードであるダスティ・ローデスとのタイトル戦が組まれました。試合は壮絶な流血戦となり、フレアーはローデスの履いていたリングシューズであるブーツを脱がせて攻撃し特異の足4の字固めヘ。

しかし、ローデスはフレアーからブーツを奪い返してブーツでフレアーの脳天を一撃、12分48秒にローデスの反則負けとなりました。

セミファイナルとセミ前にタイトルマッチを挟んでのメインイベント、タッグトーナメント決勝戦(決勝戦のみ時間無制限1本勝負)アニマル&ホークのザ・ロード・ウォリアーズvsマグナムTA&ロニー・ガービン組の一戦は8分28秒にアニマルがガービンをラリアットからの体固めで撃破。1日3試合を勝ち抜いたウォリアーズが優勝、賞金100万ドルとジム・クロケット・シニア・メモリアルカップを獲得しました。
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