リデットエンターテインメント体制になったプロレスリング・ノアでしたが、2度目の身売りも経営状態が改善せず、2020年1月29日、インターネット大手、東証一部(現東証プライム)上場の株式会社サイバーエージェントの子会社として3度目の身売りを行います。
リデットエンターテインメントへの体制移行が2019年2月ですからリデットは1年足らずで事業をサイバーエージェントに譲渡してしまいました。
以下、当時の状況を報じる「スポーツ報知」より抜粋して引用してみたいと思います。
『インターネットサービス大手「サイバーエージェント」の藤田晋社長(47)は(2020年1月)29日、都内で会見し、プロレスリング・ノアを運営する「ノア・グローバルエンタテインメント」の株式を100%取得したことを発表した。
ノアは「サイバーエージェント」の完全子会社となり会社の体制は維持されるが、社長は新たにDDTの社長を務める高木三四郎(50)が就任する。副社長に丸藤正道(40)が就いた。現在「ノア」社長の武田有弘氏(48)は執行役員として運営に携わる。
2000年8月に旗揚げしたノアは、2016年11月にITシステム開発会社「エストビー」に事業譲渡された。さらに昨年(2019年)2月には広告代理店「リデットエンターテインメント」が筆頭株主となったが経営が安定しない状況が続いていた。
一方でサイバーエージェントは、2017年9月に「DDT」を傘下に入れ、インターネットテレビ局「AbemaTV」を通じた試合中継などで成長に取り組んできた。こうした両団体の背景からこのほど、DDTの高木社長を通じサイバーエージェントがノアの経営安定、団体成長を目的に交渉を開始し、サイバーエージェントの藤田社長が株式取得を決断しノアがサイバーエージェントの傘下に入ることで合意した。
現在、プロレス界はカードゲーム販売大手の「ブシロード」が新日本プロレス、女子プロレス「スターダム」、キックボクシングイベント「KNOCK OUT」を傘下に収め業績を伸ばしている。今回、DDTに続きノアも「サイバーエージェント」の傘下に入ったことでプロレス業界の再編が加速することになる。)
サイバーエージェントからのプレスリリースは以下の通りです。
株式会社サイバーエージェント(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:藤田晋、東証一部上場:証券コード4751)は、プロレスリング・ノアを運営するノア・グローバルエンタテインメント株式会社(以下ノア)の発行済株式の全株式を取得することについて合意したことをお知らせします。今後ノアは、サイバーエージェントグループの一員として、DDTプロレスリングとともにグループシナジーを活かすことで、さらなる団体と業界の発展を目指してまいります。
■本件の背景について
当社では1997年に旗揚げされたプロレス団体 株式会社DDTプロレスリング(以下DDT)を2017年9月にグループ化しております。インターネットテレビ局「AbemaTV」を通じた試合の中継や「DDTの木曜TheNIGHT」といったレギュラー出演番組の放送、ファンの皆様に喜んでいただける興行、サービス拡充等を行うとともに、ブログ・SNSを通じて幅広い方にプロレスの面白さや魅力を伝え、所属するレスラーの認知向上を図ることで、団体の成長に取り組んでおります。
一方ノアは、全日本プロレスから独立した三沢光晴さんによって2000年8月に旗揚げされたプロレス団体です。団体名が表すようにプロレス界の“方舟”となるべく、華やかな演出と激しい闘い、魅力あるレスラーを特徴に多くのファンに支持されておりますが、近年、経営が安定しないという状況が続いておりました。
このような背景のもと、DDTと同時期に旗揚げされ、また近年、交流を深めていたノアの経営安定・団体成長を目的に、ノアのサイバーエージェントグループ参画について合意するに至りました。今後ノアは経営の安定化を図るとともに、グループシナジーを活かし、ファンの方に喜んでいただける興行の実施、サービスの拡充を行ってまいります。
■今後の運営について
ノアの社名および組織は現体制を維持し、社長にDDT社長の高木規(リングネーム:高木三四郎)が、副社長にノアレスラーの丸藤正道氏が就任いたします。現社長の武田有弘氏は執行役員として引き続きノアに携わってまいります。
DDT・ノアのオフィスワーク共用などにより経営の合理化を図るとともに、選手がプロレスに集中できる環境を整え、サポートいたします。また、インターネットテレビ局「AbemaTV」の格闘チャンネルにて、ノアの試合・番組の配信を行うほか、さいたまスーパーアリーナで開催するDDT年間最大のビックマッチ「Wrestle Peter Pan 2020」にもノアの選手が参戦いたします。
本連載ではDDTは初回の高梨将弘vsクリス・ブルックスの一戦のに触れただけで次のパートに高山善廣の事故の件を書く予定でいますが、その前にDDTがサイバーエージェントに身売りした経緯に関しても触れておきます。
DDTは97年3月25日、日比谷ラジオシティでプレ旗揚げ戦を開催。プレ旗揚げ戦においては「観客の過半数の支持が得られなかった場合、旗揚げは取りやめる」と宣言していた。全試合終了後、観客に意を問うたところ大部分の支持が得られて正式な旗揚げ戦となりました。
同年4月1日、武藤伸太郎(本業は名刺屋)がPWCはを退団した高木三四郎、三上恭平(MIKAMI)、野沢一茂(NOSAWA論外)を所属して有限会社ドラマチック・ドリーム・チームを設立。
5月14日、北沢タウンホールで旗揚げ戦を開催。この時、IWA格闘志塾より、佐々木貴が移籍して4人で旗揚げとなりました。
以後、北沢タウンホールを常打ち会場にしながら映像を駆使したエンターテイメント性の強い「文化系プロレス」で地道に観客を増やし、99年12月22日には後楽園ホールに進出。
00年代は後楽園ホール大会が定置して満員を続けられるようになり飯伏幸太、ケニー・オメガ等、後に業界を代表するレスラーを輩出しました。
また映像制作の「DDTテック」、居酒屋ドロップキック、三ツ星カレーなどを展開する「DDTフーズ」などのグループ企業を展開、プロレス事業においても「マッスル」、「ユニオンプロレス」と別ブランドでの興行を開催して人気を集めていました。
09年8月23日には両国国技館に初進出、8,865人(超満員札止め発表)の大観衆を動員、メインイベントでは飯伏が王者HARASHIMAを破りKO−D無差別級王座を獲得しています。
12年8月18日、日本武道館で初興行。10,124人(超満員発表)の観客を集め、もはやインディーズの域を超える団体に成長しました。メインイベントは飯伏vsケニーの「ゴールデン・ラヴァーズ」対決によるKO−D無差別級選手権試合で、飯伏がフェニックス・スプラッシュで勝利。
ちなみに今年2025年8月17日有明アリーナで行われた新日本プロレス「G1CLIMAX35」で初優勝を遂げたTAKESHITAこと竹下幸之介がこの日デビュー、エル・ジェネリコ(サミ・ゼイン)に敗れています。
しかし所属レスラーが増え、経費がかさんで来て、思うように観客動員も伸びず、2019年9月、サイバーエージェントに全株式を売却しました。
ログインしてコメントを確認・投稿する