06年8月20日付(19日発行)の「東京スポーツ」にプロレスリング・ノアを中心とした日本プロレス界の統一機構グローバル・レスリング連盟(GPWA)が発足され、初代会長にはプロレスリング・ノアの三沢光晴社長が就任することが明らかになったという記事が掲載されました。
プロレスの場合、近年はスクープというものが存在しなくなりました。プロレスマスコミのオピニオン・リーダーと言えば東スポであり、何か大きな動きやアングルがある時にはまずは東スポに報告するというのが業界の慣習になっています。
それと反対に位置していたのが、この年限りで休刊となった「週刊ファイト」(新大阪新聞社)。I編集長でお馴染みのファイトは「東京と同じことをしていたら勝負にならない。」と、スッパ抜きの記事を書き、「飛ばし」(フライング記事)で注目を集め一時代を築きました。その為、団体関係者からのクレームもしばしばありました。
このGPWAの設立記事に関しても、ファイトがスッパ抜きをしようとした為、実行委員の仲田龍ノア取締役が東スポの太刀川恒夫社長(当時)に三沢と参加団体であるZERO1-MAXの代表、大谷晋二郎とゼロワンの運営会社ファースト・オン・ステージの中村祥之代表を連れて発足の挨拶に行ったものでした。
GPWAの発足時点でのメンバーは浅野起州(IWAジャパン)、大谷晋二郎(ZERO1-MAX)、川畑憲昭(エルドラド)、キャリー・シルケン(ROH)、クリス・ラバー(EWA)、佐々木健介(健介オフィス)、スティーブ・コリノ(WORLD-1)、TAKAみちのく(K-DOJO)、高木三四郎(DDT)、高山善廣(高山堂)、ハーリー・レイス(WLW)、三沢光晴(プロレスリング・ノア)、村上和成(ビッグマウスラウド)以上アイウエオ順。
結果、新日本プロレスと全日本プロレスは加盟することなく終わっていますが、実際は当時ノアと敵対関係にあった新日本プロレス潰しの包囲網でした。
ノアと新日本は01年10月の秋山の新日本東京ドーム参戦以来、05年7月18日のノア東京ドーム大会まで交流が続いていましたが、05年6月に新日本プロレス社長を解任された草間政一氏が自身の著書で、ノア東京ドームでの力皇猛vs棚橋弘至のGHCヘビー級選手権試合に関してのマッチメイクについて触れてしまったことに端を発し、新日本プロレスの親会社となったユークスから発売されたプロレスゲームでのノア所属選手の肖像権に係るトラブルから絶縁状態になっていました。
しかし、その後ZERO1-MAXが新日本プロレスと手を組んで対抗戦をやってしまったことで組織がバラバラになり、新日本プロレスも常識派の菅林直樹氏が社長となったことで、両団体の関係は修復。08年9月27日ノア大阪府立体育会館大会に新日本プロレスの裕次郎(高橋裕二郎)&内藤哲也組のノーリミットが参戦して以来交流が復活。現在に至っています。
GPWAは組織の存在意義を失い、機能することなく三沢の事故もあって頓挫。三沢の事故の後、ノア、全日本、新日本のメジャーと呼ばれる3団体が中心になって検討された「ライセンス制度」も進展せず、プロレス業界で統一機構という話は成功した試しがありません。
20年2月には天龍源一郎、藤波辰爾、長州力とその家族が中心となり「日本プロレス殿堂会」を発足させましたがこちらもいつの間にか活動の話は伝わらなくなりました。
23年に新日本プロレスが中心となり「日本プロレスリング連盟」が設立され、全日本プロレス、ノア、DDT、ガンバレ☆プロレス、大日本プロレス、DRAGONGATE、九州プロレス、スターダム、東京女子プロレス、プロレスリングFREEDOMSなどの団体が加盟、25年1月には一般社団法人化し、DDTを運営するCyberfight取締役の高木規(三四郎)が代表理事に就任しましたが何がやりたくて結成しているのかよく分からない連盟というのが実態です。
9月9日日本武道館大会は15,500人(超満員発表)の大観衆を動員。
メインイベントは秋山準に丸藤正道が挑戦したGHCヘビー級選手権試合。
先に動いたのは丸藤。ロープワークを使ったラリアット3連打で秋山からダウンを奪います。秋山もカウンターのジャンピング・ニーで反撃。
さらに串刺し式のジャンピング・ニーを狙った秋山でしたが丸藤はこれを跳ね返すとドラゴンスクリュー。後ろから低空ドロップキックを決め、吊り天井狙いからのニークラッシャー、そして足4の字固めへ移行。
丸藤は秋山の足に狙いを定め、鉄柱を利用してのドラゴンスクリュー、膝固め、ロープに秋山の足を固定しておいての膝への低空ドロップキック。助走をつけてもう一発狙ったがショルダースルーで返されて花道へ叩きつけられてしまいます。
秋山は花道から場外へのボディスラム、リング内では珍しいサソリ固め、弓矢固めと腰へ集中攻撃。秋山はエプロンでブレーンバスターを見せ丸藤を場外へ投げ落とそうとするも、丸藤は体勢を入れ替えてリング内に着地。秋山を場外に落としてプランチャにいくが、これは秋山にかわされる。
しかし、トラースキックからその場飛び不知火を決めると秋山の背中は鉄柵へ。続けて鉄柵を利用しての不知火。天才・丸藤の面目躍如といったところ。
試合はリング内へ。丸藤はジャーマン、クロスアーム式スープレックスホールドを決めるも秋山はカウント2で返す。
秋山はコーナーに上った丸藤に雪崩式フランケンシュタイナーからパワーボムから逆エビ固め。さらに抱え込み式逆エビで丸藤の腰骨を絞め上げていきます。
丸藤はスワンダイブ式ミサイルキックで秋山を場外へ落とすと戻って来るところへフロムコーナーtoコーナー、パワーボムで叩きつけてトラースキック、不知火とたたみかけるも秋山はカウント2でクリア。
丸藤の串刺しエルボーをキャッチした秋山はエクスプロイダー、ダウンした丸藤にジャンピング・ニー、さらに花道に連れ出してのジャンピング・ニー、丸藤はカウント19ギリギリでリングイン。
秋山は背後からのジャンピング・ニー、フロント・ネックロックで絞め落としにかかり、それでも決め切れず急角度エクスプロイダー。そしてとどめとばかりスターネスダスト。勝負あり、と思いきや丸藤はカウント2でクリアし、館内は大「マルフジ・コール」。
秋山は丸藤をコーナー最上段にセット。丸藤は大技狙いに来る秋山をヘッドバットの連発でかわし、雪崩式不知火。両者ノックダウン。
ほぼ同時に立ち上がった両者。丸藤のチョココロネ(変形エビ固め)を切り返した秋山はジャンピング・ニー狙い。これは丸藤がかわす。
秋山がリストクラッチ式エクスプロイダーに来た一瞬のタイミングで丸藤は完璧首固め。ガッチリと丸め込んで27分29秒、ついに3カウントが入りました。
丸藤がヘビー級の頂点に上り詰めました。26歳の第10代GHCヘビー級王者が誕生した歴史的勝利でした。丸藤はこれでのGHCヘビー級、タッグ、ジュニア・ヘビー級、ジュニア・ヘビー級タッグの4大GHCグランドスラムを達成しています。
試合後の勝利者インタビューで丸藤は7月に息子が生まれたことをファンに公表。リングを降りてテレビ解説席にいた三沢に握手を求め、三沢もこれに応じています
この日はアンダーカードに他のタイトルマッチやビッグマッチは組まれず、メインの秋山vs丸藤戦ほぼ一本で興行的勝負に出ました。
セミファイナルは森嶋猛&力皇猛組のWILD��vs高山善廣&杉浦貴組。力皇が無双で杉浦を押さえています。
セミ前は三沢が小川良成とのタッグでバイソン・スミス&キース・ウォーカー組と対戦。合体式エメラルド・フロウジョンで小川がウォーカーから勝利。この時が2度目のノアマット参戦だったウォーカーはまだまだ荒削りでキャリアの浅さを感じました。
第5試合は8月にビッグマウスラウドを退団した柴田勝頼がKENTAとの「ソウルメイト」タッグを久しぶりに復活させ、田上明&潮崎豪組と激突。
KENTAと柴田の合体技「タッチ・ザ・スカイ」(柴田が潮崎を肩車し、KENTAがスワンダイブ式ラリアットを決めるダブルインパクト)でKENTAが潮崎からフォールを奪いました。
小橋建太が長期欠場の中、丸藤のGHCヘビー級王座奪取でノアは一気に世代交代を進めるかと思われましたが…。
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