85年ジャパンプロレス自主興行シリーズ第3弾「ニューウェーブ・イン・ジャパン」第3戦、11月4日大阪城ホール大会その他の試合です。
マイティ井上はNWAインターナショナル・ジュニア・ヘビー級王者のタイガーマスクとタッグを組み、小林邦昭&保永昇男組と対戦、11分11秒、タイガーマスクが保永を回転エビ固めでフォールし、全日本チームの勝利となりました。
メインイベントで日本テレビの解説席に座った馬場はこの日試合が組まれておらず。セミファイナルでは天龍源一郎とジャイアント・キマラがシングルマッチ45分1本勝負で対戦。天龍がキマラに延髄斬り、これでキマラは場外へ転落。これを追って場外に降りた天龍はキマラを場外の柵(新日本プロレスの場外フェンスほどのものではない)に叩きつけてキマラは観客席へ。リングに上がった天龍が6分1秒、リングアウト勝ちとなりました。
セミ前に組まれたのは谷津嘉章とスーパー・ストロング・マシンの初のシングルマッチ。谷津とマシンは新日本プロレス時代はジャパン勢大量離脱前の84年の「ブラディ・ファイト・シリーズ」1シリーズだけ一緒でしたが対戦はなし。
谷津がマシンにバックドロップ、マシンはダメージからかコーナーにうずくまり、立てず。レフェリーがマシンの状態を見ようと前に立ったところ、意識朦朧だったマシンはレフェリーを谷津と間違えて認識し、いきなりマシン・ラリアット、レフェリー暴行により12分42秒、マシンの反則負けが取られました。
キラー・カーンとテリー・ゴディの大型同士のシングルマッチはKカーンのダイビング・ダブルニードロップをかわしたゴディが足4の字固めを決めましたがKカーンが身体を反転させて両者場外へ転落、11分7秒に両者リングアウトの引き分けとなりました。
ジャパン対カルガリー・ハリケーンズ、寺西勇&仲野信市組とヒロ斉藤&高野俊二組の一戦は9分8秒、高野俊が仲野をジャーマン・スープレックスホールドで破りハリケーンズの勝利。
石川敬士とキング・コブラのシングルマッチは7分37秒、石川がダイビング・ギロチンドロップからの体固めで完勝。
第4戦は11月5日岡山武道館(観衆2,700人発表)大会。岡山は新日本プロレスからジャパンプロレスに鞍替えした瀬戸内プロ企画主催興行でしたが、満員とは成らず。
井上は仲野とのシングルマッチ。12分56秒、サマーソルト・ドロップからの片エビ固めで井上がベテランの底力を見せての勝利。後の89年2月23日後楽園ホールでは世界ジュニア・ヘビー級王座を巡り対戦する両者ですがまだまだこの時は力の差がありました。
メインイベントはジャパン対全日本対抗戦、長州&Kカーン&谷津組と天龍&石川&大熊組の一戦。前日の鶴田との60分フルタイムの激闘から一夜明けた長州が疲れも見せず11分35秒、リキラリアットからの試合で大熊を降しジャパン軍に凱歌が上がりました。
セミファイナルではジャパンの興行で馬場&鶴田組の師弟コンビが実現、キマラ&Kコブラ組と対戦。長州同様前日60分闘った鶴田でしたが、この日は軽い相手。7分35秒、鶴田がバックドロップからの体固めでKコブラを破りました。
ジャパン対ハリケーンズ、谷津&永源遙&新倉組vsマシン&H斉藤&高野俊組は13分22秒、マシンが新倉をフライング・ラリアットからの体固めでフォールしハリケーンズがトリオとしては2勝1敗。
ゴディは薗田とのシングルマッチを行い、8分48秒、フライング・ボディアタックから体固めでゴディが薗田を問題とせず完勝。
第6戦は11月6日三重県四日市市体育館(観衆2,600人発表)大会。四日市は新日本プロレスの有力プロモーター、富野徹三氏が主宰する「共同企画」の地盤で苦戦は予想されましたが、やはり満員にすることは出来ず。
井上は第3試合でハル薗田と全日本プロレス同士のシングルマッチを行い20分時間切れ引き分け。
メインイベントはジャパン対全日本軍団抗争、Kカーン&谷津&栗栖組と馬場&鶴田&天龍組の全日本最強トリオの一戦。馬場がメインでジャパン軍の主力と対戦することは珍しく、かなりの好カードと言えますがジャパンは長州が入っていないのが残念でした。
試合はこの中では一枚落ちる栗栖が狙われ、15分49秒に鶴田がバックドロップからの体固めで栗栖をフォールし全日本軍が盤石の勝利をあげています。
やはりここは長州&Kカーン&谷津組vs馬場&鶴田&天龍組の6人タッグ頂上決戦を見たかったところですが、馬場としては長州vs鶴田のシングルマッチをジャパンの興行に譲歩したのだから、馬場と長州の初顔合わせは全日本プロレスのリングで、ということなのでしょう。
長州はセミファイナルに出場、寺西とのタッグでキマラ&Kコブラ組と対戦、7分32秒、長州がKコブラをリキラリアットからの体固めで葬り去っています。
セミ前に組まれたのはジャパン対カルガリー・ハリケーンズ、永源遙&保永昇男&仲野組vsマシン&H斉藤&高野俊組。主力級を欠いたジャパン勢はこのメンバーで勝つのは厳しく12分8秒、マシンが仲野をサイド・スープレックスからの体固めで降しハリケーンズに軍配が上がっています。
ゴディは大熊とシングルマッチで対戦、6分54秒、フライング・ボディアタックからの体固めで完勝。
ジャパン対全日本、小林邦昭&新倉史裕組とタイガーマスク&石川敬士組の対戦は9分22秒、タイガーマスクが新倉をジャーマン・スープレックスホールドでフォールし全日本側の勝利。
シリーズ最終戦11月7日、長野市民体育館(観衆3,200人発表)大会。最終戦も満員マークはつかず…。
井上はタイガーマスクとのタッグで寺西&仲野組との対戦、11分29秒、タイガーマスクが仲野をフライング・ボディアタックからの体固めに決めて全日本軍に軍配が上がりました。
最終戦のメインイベントはジャパン対カルガリー・ハリケーンズ軍団抗争、長州&小林邦&保永組とマシン&H斉藤&高野俊組が激突。保永は初のメインイベント登場となりました。
ハリケーンズは軽量の保永を狙えば勝てたと思いますが敢えて大将である長州にターゲットを絞り、3人がかりで長州を攻撃、自軍コーナーに逆さ吊りにして袋叩きにし13分31秒、ハリケーンズの反則負けとなりました。
ハリケーンズは今シリーズ全6戦、全日本プロレス勢、外国人との対戦はなく、全てジャパン軍との対戦でした。このことから見てもハリケーンズのジャパン参戦は馬場は直接関与していた訳ではないのが理解出来ます。
セミファイナルは馬場&天龍組がキマラ&Kコブラ組と対戦。馬場とキマラは初対決。11分19秒、天龍がKコブラを首固めで破りました。
鶴田は大熊とのタッグでジャパン副将チーム、Kカーン&谷津組との対戦。12分5秒、Kカーンが大熊を「アルバトロス殺法」ダイビング・ダブルニードロップからの体固めで破り、ジャパン軍に凱歌が上がっています。
ゴディは石川とシングルマッチで対戦、7分6秒、ゴディが場外でフライング・ニードロップを決め、ボディスラムで投げつけてリングアウト勝ち。10月4日の「ワールド・チャンピオン・カーニバル」開幕戦から5週間の長期参戦となったゴディでしたが、タイトル挑戦はなし、鶴田、長州との絡みも少なく、ジャパンのシリーズでは中堅どころとのシングルマッチが多く組まれ、その能力を考えると、非常に勿体ないことをしたと思います。
ジャパンの自主興行シリーズ第3弾は全6大会中、満員、超満員となったのは11月2日の後楽園ホール、3,200人超満員発表だけで、長州vs鶴田の頂上対決を持って来た11月4日、大阪城ホールは9,500人発表と満員には成らず、10,000人を切る発表。地方では苦戦しました。大都市興行は少なかったです。
日本側メンバーは充実していましたが、外国人選手が3選手と少なく、知名度の高いスタン・ハンセン、タイガー・ジェット・シンがいなかった影響もあるでしょう。しかし、最大の要因は「ジャパンプロレス」のブランド力にあったと思われます。外国人も全日本のレギュラーだったゴディ以外、キマラは89年2月の「エキサイト・シリーズ」で初めて全日本に招聘されましたがKコブラは全日本には呼ばれませんでした。
UWFもそうですが、地方興行ではやはり全日本プロレス、新日本プロレスの名前が浸透しており、後発団体は不利と言えました。結果的にはジャパン主催のシリーズとしてはこの「ニューウェーブ・イン・ジャパン」が最後となりました。外国人レスラーのギャラや、移動経費も大きかったことから、以降ジャパンの自主興行は後楽園ホールを中心とした関東地区に重点を置いた日本人レスラーだけの単発興行にシフトしていきました。
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