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2025年03月29日07:43

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【特別編】マイティ井上さん追悼(65)

85年全日本プロレス「ワールド・チャンピオン・カーニバル」第12戦、日本テレビ「全日本プロレス中継」ゴールデンタイム移行記念、10月19日土曜日、後楽園ホール(テレビ生中継、観衆3,400人超満員発表)大会。

午後7時からの生中継。国際プロレスのTBSがこの時間帯で毎週水曜日に生中継をやっていましたが、日本テレビ、テレビ朝ではこれまでの生中継と言えば午後8時からが通例で、試合開始が午後6時30分、正味の興行時間が2時間半というのが普通でした。この日の試合開始は通常より30分早い午後6時、果たして1時間しか経っていない午後7時からの放送開始で、どのへんからの試合から中継が始まり、メインイベントまで入るのか?という懸念が、テレビ放送を見るまでは払拭出来ずにおりました。

増して、特別参加外国人選手がこの日から一気に増え、ただでさえ大所帯の全日本プロレスはどんなやり方で生中継に対応していくのか…。

井上の試合はテレビ中継開始前の第2試合に組まれ大熊元司&ハル薗田と組んでジャパンプロレスの寺西勇&保永昇男&仲野信市組と対戦。10分8秒、薗田が仲野を小林邦の得意技であるフィッシャーマンズ・スープレックスホールド(網打ち式原爆固め)でフォールし全日本チームの勝利。ジャパン軍は寺西、保永の新アジア・タッグ王者チームがいましたが、本領発揮には至らず、若い仲野が狙われて敗戦。

いつもですとメインイベントから試合を追っていきますが、今回はテレビ中継の開始から書いていきたいと思います。ちなみにこの日は全9試合が組まれ、全て15分1本勝負で行われました。

中継最初の試合は第6試合、天龍源一郎&タイガーマスク組とミル・マスカラス&チャボ・ゲレロ組の途中から。ゲスト解説は馬場。馬場はこの日は解説に専念する為か試合は組まれておりません。天龍がチャボに延髄斬りからフォールの体勢へ。マスカラスがカットに入るとタイガーマスクもリングに入って来て応戦。   

乱闘のさなか、天龍がチャボにもう一発延髄斬りを決めて10分40秒、片エビ固めでフォール勝ちし天龍&タイガーマスク組の勝利となりました。

続いては長州力とAWA世界ヘビー級王者、リック・マーテルとのシングルマッチ。攻める長州、受けるマーテルという展開で、長州はリキラリアットをマーテルに見舞ったものの逃げ切られて15分時間切れ引き分け。この時点で既に午後7時半を廻っていました。

セミファイナルに組まれたのは鶴田とNWA世界ヘビー級王者、リック・フレアーの一騎討ち。こちらは鶴田がフレアーのお株を奪う足4の字固めを見せましたが、フレアーもお返しに足4の字。大方の予想通り、この試合も15分時間切れ引き分けとなりました。セミ終了時点で放送時間は残り5分弱。

メインイベントは注目の初対決、ドリー・ファンク・ジュニア&テリー・ファンク組のザ・ファンクスvsアニマル&ホークのザ・ロード・ウォリアーズの一戦。後から入場して来たウォリアーズがマネージャーのポール・エラリングの合図で奇襲攻撃をかけ、試合開始、乱闘となったところで、放送時間が終了。メインは終わりまで入りませんでした。

試合はエラリングがリング内に入ってきて、レフェリーがエラリングを止めている間にアニマルがテリー・ファンクをリフトアップスラムで場外に投げ落とし、4選手とエラリングが場外乱闘となり、3分59秒に両チームリングアウトの引き分けに終わっています。

放送に入らなかった試合、キラー・カーン&谷津嘉章&小林邦昭組とテリー・ゴディ&ザ・グレート・カブキ&アート・クルーズ組の6人タッグマッチは6分49秒、Kカーンがクルーズを「アルバトロス殺法」ダイビング・ダブルニードロップからの体固めで撃破。

全日本対国際血盟軍、石川敬士&渕正信&ターザン後藤組とラッシャー木村&阿修羅・原&鶴見五郎組は9分56秒、原がT後藤をヒットマン・ラリアットからの体固めに決めて国際血盟軍の勝利となりました。

ビル・ロビンソンは新倉史裕とのシングルマッチが組まれましたが新倉を問題とせずに6分15秒、ワンハンド・バックブリーカーからの片エビ固めで完勝しています。

この日は御大・馬場がテレビのゲスト解説を務めただけで試合は組まれず。他にグレート小鹿、ロッキー羽田、百田義浩、百田光雄、永源遙、剛竜馬、アポロ菅原、高杉正彦が不出場でした。

注目の視聴率は11.6%(ビデオリサーチ調べ)とまずまずの数字でしたが、日本テレビ側の「最低でも15%」は大幅未達に終わりました。

この前日の10月18日には新日本プロレスが「バーニングスピリット・イン・オータム」後楽園ホール大会を開催、猪木vsコンガ・ザ・バーバリアン、ザ・コブラvs越中詩郎、全日本プロレスから新日本プロレスに参戦したケンドー・ナガサキことランボー・サクラダvsブルーザー・ブロディを生中継にて放送しています。

観客発表は新日本プロレスが2,290人満員発表で全日本プロレスが上回りましたが、視聴率ではテレビ朝日が13.3%をあげ、日本テレビは視聴率競争には敗れてしまいました。

第13戦、10月20日静岡産業館(ツインメッセ静岡、観衆4,600人超満員発表)大会。前日の後楽園ホールから特別参加外国人がフルメンバー揃って、まさに文字通り「世界王者の祭典」に相応しいシリーズとなりました。

井上はタイガーマスク&渕とトリオを結成、ジャパンプロレスの小林邦&新倉&仲野組と6人タッグマッチで対戦、11分28秒、タイガーマスクが仲野をジャーマン・スープレックスホールドで降し全日本軍に軍配が上がりました。

メインイベントでは史上初、現役のNWA世界ヘビー級王者フレアーとAWA世界ヘビー級王者マーテルがタッグチームを結成し、ドリー&テリーのファンクスと対戦。勿論言うまでもなくファンクスは共にNWA世界ヘビー級王者経験者であります。

試合はドリーがマーテルを場外に投げ落とし、そのまま4人が入り乱れての乱闘となり、18分4秒にドリーとマーテルが両者リングアウトの引き分けとなりました。

セミファイナルでは長州&谷津組とアニマル&ホークのロード・ウォリアーズが激突。これまでジャパン軍とウォリアーズとは長州&Kカーン組、Kカーン&谷津組という対戦はありましたが、この組み合わせは初。

ロープワークの中で、アニマルのラリアットをかわした谷津がロープに飛んで反撃を試みようとした時にリング下からマネージャーのエラリングが谷津の足を引っ張りました。これを見ていたレフェリーがウォリアーズの反則を取り、ゴングを要請、4分39秒、長州&谷津組の反則勝ちとなりました。

セミ前に組まれたのは、鶴田&天龍組とゴディ&クルーズ組の一戦。8分9秒、鶴田が鮮やかなバックドロップからクルーズを体固めに決めて鶴龍コンビ余裕の勝利でした。

若手の中でも進境著しい川田がこの豪華メンバーの中で後ろから4試合目に出場、マスカラスとのシングルマッチに抜擢されています。試合は4分19秒、ブレーンバスターからの体固めでマスカラスが貫録勝ちを収めました。

カブキはハル薗田とシングルマッチで対戦、4分17秒、セカンドロープをつたい歩いての正拳突きか体固めでフォール勝ち。

全日本対国際血盟軍、馬場&石川&大熊組vsR木村&原&鶴見組は9分10秒、R木村が大熊をブルドッキング・ヘッドロックから体固めに決めて国際血盟軍が勝ち、原の加入により国際血盟軍は戦力増強となりました。

Kカーン&栗栖組とロビンソン&チャボ組の一戦は9分9秒、チャボがジャーマン・スープレックスホールドで栗栖からフォール勝ちしています。

第14戦はシリーズ天王山、10月21日、両国国技館(テレビ収録、観衆10,900人満員発表)大会。

井上は馬場&石川とのトリオでR木村&原&鶴見組の国際血盟軍との6人タッグマッチ。10分39秒石川がコーナーポスト最上段からのダイビング・ボディプレスから鶴見を体固めに決めて全日本軍に凱歌が上がりました。  

メインイベントは世界マット界初のNWA世界ヘビー級王者フレアーとAWA世界ヘビー級王者マーテルのダブル・タイトルマッチ。これまで「世界3大メジャー」のうちNWAとWWF、AWAとWWFはそれぞれダブル・タイトルマッチが実現したことがありますが、NWAとAWAが交わるのは初めて。

日本で実現した背景にはビンス・マクマホン率いるWWFの全米制圧開始にNWAとAWAが手を組んで侵略者の手から自分達のテリトリーを守ろうと共闘戦線を張っていることと、馬場がNWA第一副会長の立場にいながら、AWAとも親密な関係を構築していたからでした。

試合は60分1本勝負。マーテルが鮮やかなフライング・ヘッドシザースを見せて攻勢に出ます。攻めるマーテルに受けるフレアー。ダブル・タイトルマッチとは言え、マーテルは挑戦者として、フレアーは王者としてのレスリングをしました。

フレアーが放ったフライング・ボディアタックをマーテルが受け止めましたが、勢い余ってマーテルはフレアーを抱えたまま場外へ。両者ダメージが大きくて立ち上がれず34分3秒、両者リングアウトの引き分けとなり、共にタイトル防衛に成功しています。

セミファイナルでは鶴田&天龍組とアニマル&ホークのロード・ウォリアーズがノンタイトル45分1本勝負で対戦。両チームは3月9日同所でのインターナショナル・タッグ王座を賭けた初対戦ではホークと鶴田が1本ずつ取り合った後3本目はマネージャーのエラリングの乱入でウォリアーズの反則棄権負け。

6月5日愛知県体育館での再戦もエラリングの乱入により鶴田&天龍組が反則勝ちを拾っておりこの日が3度目の対戦となりました。

アニマルが天龍をベアハッグに捕らえ、ホークがコーナーから飛んでのダイビング・ラリアット、アニマルが天龍をフォールの体勢に入ったところで鶴田がカットに入りました。

ホークを場外へ叩き落とすと鶴田とアニマルが激しい殴り合い、鶴田はアニマルに攻撃を加えようとロープに走りましたが、ロープを背にしたところで場外にいたホークがイスで鶴田の背中を一撃。レフェリーがゴングを要請し10分4秒、ウォリアーズの反則負けを宣告し、またしても試合は反則決着となりました。

鶴龍コンビ対ウォリアーズは3戦して鶴龍コンビの3反則勝ちとなっています。

セミ前に組まれたのは長州&谷津組とマスカラス&クルーズ組の45分1本勝負。長州とマスカラスは74年10月、長州がヨーロッパ修行に出たばかりの時期に西ドイツ・ハノーバーで対戦しマスカラスが勝ったと伝えられています。試合は期待された長州とマスカラスの絡みは少なく、8分41秒、長州がクルーズをリキラリアットからの体固めで降し、長州&谷津組が盤石の勝利を飾りました。

ドリー&テリー&タイガーマスク組とゴディ&ロビンソン&チャボ・組による夢の6人タッグマッチ。テリー・ファンクとテリー・ゴディは2年前の83年8月31日、蔵前国技館でのテリー・ファンク引退試合(ドリー&テリー・ファンク組vsスタン・ハンセン&テリー・ゴディ組)以来の因縁の対決。

ロビンソンがタイガーマスクの左腕をロックすると、タイガーマスクは右肘でのエルボー、これで場外に転落したロビンソン(鶴田との試合等でロビンソンがよく見せる定番ムーブ)。リングに上がろうとしたロビンソンにタイガーマスクがリング内からプランチャ、さらにドリーがドロップキックで追い打ちをかけて、11分30秒、タイガーマスクがロビンソンにリングアウト勝ちの金星をあげて、ドリー&テリー・ファンク&タイガーマスク組の勝利。

「東洋の神秘」カブキと「蒙古の怪人」Kカーンのシングルマッチはセカンドロープからのダイビング・ダブルニードロップに来たKカーンをカブキが下から毒霧で迎え撃ち、4分50秒にカブキの反則負け。カブキは試合後に入ってきたゴディと共闘していくことを表明しました。
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