第360戦、10月9日発売号●【予想】猪木、「鉄人超え」を果たす、NWF世界ヘビー級選手権試合、猪木vsルー・テーズ(75年新日本プロレス蔵前国技館)【正解】総勢34人のレスラーが4時間以上、11試合のロングナイト、全日本プロレス創立10周年記念興行(81年全日本プロレス蔵前国技館)
※参考 2019年10月9日発売号は○【予想】今回予想に同じ(75年新日本プロレス蔵前国技館)猪木がNWF初防衛戦に選んだ“59歳の鉄人”(同)この時点での対戦成績は106戦21勝85敗、勝率198。2013年10月9日発売号は新日本プロレスvs全日本プロレス蔵前興行大戦争。(81年10月8日新日本プロレス蔵前国技館&同9日全日本プロレス同所)
【予想解説】本連載(31)8月7日発売号の中でも触れましたが、75年夏、アメリカ東部地区に進出した新団体IWAは8月7日、ニュージャージー州ジャージーシティ・ルーズベルト・スタジアムで東部地区本格進出第2弾興行が行われましたか、この大会で鉄人ルー・テーズが59歳でカムバックを果たしています。
テーズはエリック・ザ・レッド(67年にバイキング・ハンセンとして日本プロレス、74年にエリック・ザ・アニマルとして新日本プロレスに来日、78年に交通事故死)とシングルマッチで対戦、5分35秒、反則勝ちとなっていますが、レッドに正面飛びの鮮やかなドロップキックを決めています。
この大会は日本から猪木が視察に訪れていますが、59歳とは思えないテーズの試合を見て、6月26日、蔵前国技館でタイガー・ジェット・シンから奪回に成功したNWF世界ヘビー級王座の初防衛戦の相手に指名、オファーを行っています。
テーズが日本で試合をするのは2年前の73年10月14日、蔵前国技館でカール・ゴッチと組んで猪木&坂口征二組と対戦した「世界最強タッグ戦」以来のこと。決戦の舞台は「闘魂シリーズ」最終戦、10月9日、蔵前国技館となりました。
しかし、猪木は左膝ウィルス性関節炎(蜂窩織炎)にかかり、シリーズを開幕戦から4週に亘り長期欠場。9月19日、千葉公園体育館でのジャック・ルージョー戦で復帰。8月1日、ロサンゼルス・オリンピック・オーデトリアムでの坂口と組んでのジェリー・ブラウン&バディ・ロバーツ組のハリウッド・ブロンドスとの防衛戦でノーコンテストとなり、コミッショナー預かりとなった北米タッグ王座決定戦はストロング小林に権利を譲っていました。
9月22日、愛知県体育館で坂口&S小林組vsブロンドスの王座決定戦が行われましたが、S小林は1本目、13分49秒、カナディアン・バックブリーカーでBロバーツから先取したものの、2本目は4分40秒にBロバーツ、3本目は3分12秒にJブラウンがS小林から2本連続して体固めでフォールを奪い、北米タッグ王座をブロンドスに奪われてしまいました。
9月26日、熊谷市民体育館で猪木は星野勘太郎と組んでブロンドスと対戦しましたが、1本目はBロバーツが星野を体固め、2本目はJブラウンに猪木がフォールされてしまいストレート負けを喫してしまいました。
後がない新日本プロレス勢は10月2日、大阪府立体育会館で猪木が出陣、坂口と組んでブロンドスの北米タッグ王座に挑戦。1本目は17分31秒、坂口がBロバーツを片エビ固め、2本目は13分56秒、Bロバーツが坂口を体固め、決勝の3本目4分18秒、猪木が試合観戦中のテーズの面前でJブラウンにバックドロップを決めて体固めでフォール。2か月ぶりに王座奪回に成功。猪木はテーズ戦に向けてコンディションを上げて来ました。
そして迎えたシリーズ最終戦、10月9日蔵前国技館、観衆は10,500人(満員)発表。特別レフェリーは現役としてはついに日本に来ることがなかった幻の強豪、アルゼンチン・バックブリーカーの元祖、50年代のアメリカ東部地区のヒーロー、無冠の帝王アントニオ・ロッカ。
テーズはゴングと同時にドロップキック、猪木の腰を抱えて素早いバックドロップの奇襲。猪木は場外にエスケープしてダメージを回復させました。
グラウンドの攻防の後、テーズは2発目のバックドロップ。これはバランスを崩してテーズも後頭部を痛打。試合前に「テーズをバックドロップで投げる」と公言していた猪木はテーズにバックドロップを決めて、さらに横抱きに抱えるとそのまま投げてブリッジして固めるブロックバスターホールド(岩石落とし固め)。ロッカは長年プロレスで酷使したか膝が悪く膝をついてマットに伏せる為、専業レフェリーよりカウントに入るタイミングが遅くなります。
17分43秒、カウント3が入り猪木が初防衛に成功。テーズは「カウント2で右肩を上げた」とレフェリーのロッカに抗議しましたが判定は覆らず。試合の後半は年齢的なものもあってかスタミナ切れを起こしたテーズでしたが、32歳の猪木と互角に渡り合ったのは流石でした。
【正解解説】全日本プロレス81年「創立10周年記念ジャイアント・シリーズ」第7戦は10月9日蔵前国技館(テレビ収録、観衆13,000人超満員発表)大会。私はこちらの興行は日本テレビの視聴者プレゼントに当たって観に行くことができました。
この日は金曜日で、私がビル掃除のアルバイトをしてお金を貯めてビデオデッキを購入したのが翌82年の4月。最初に録画した放送が4月21日蔵前国技館での猪木vsジェシー・ベンチュラの「水曜スペシャル」だったのですが、10月9日は前日観に行った新日本プロレス対国際プロレスの全面対決が放送されるので、「ワールドプロレスリング」は観ていなく2日連続蔵前国技館に行きました。
発表は同じ13,000人超満員で、プロレスマスコミは「どちらも大盛況」という書き方でしたが、実際には私が猪木ファンだったから言うのではなく、蔵前興行戦争は新日本プロレスの方が入っていました。
この日は4大決戦が行われました。試合順に振り返りたいと思います。まずはこの日より特別参加のミル・マスカラスのIWA世界ヘビー級王座にマイティ井上が挑戦(60分1本勝負)。井上も国際プロレスでは同名の王座を保持していた時期がありましたが、新天地で結果を残しておきたいところです。
井上はマスカラスのドロップキックを叩き落とすと、勝負を賭けたコーナーポスト最上段からのダイビング式サマーソルト・ドロップ、これをマスカラスが外して井上は自爆、すかさずマスカラスはコーナーポスト最上段からのダイビング・ボディアタックからの体固めでフォール勝ち、タイトル防衛に成功しました。
続いてはドリー・ファンク・ジュニアのインターナショナル・ヘビー級王座にブルーザー・ブロディが挑戦した一戦(60分1本勝負)。このカードは4月30日松戸市運動公園体育館での復活インターナショナル・ヘビー級王座決定トーナメントの優勝決定戦で行われる予定でしたが、ブロディの足の負傷によりドリーが不戦勝で王者になりました。
10月6日の仙台大会で長男ディンク君を襲われたことからドリーは怒りの先制攻撃。場外乱闘となりましたが逆にブロディに鉄柱に額を打ち付けられて先に流血。
リング上、ドリーはスピニング・トーホールドにいきますがブロディに片足で顔面を蹴られて決まらず、ならばとブレーンバスターにいきましたが、担がれたブロディの足がレフェリーのジョー樋口に当たってしまい、樋口レフェリーはダウン。レフェリー不在の間にブロディはチェーンを持ち出してドリーを攻撃、ドリーはブロディのチェーンを奪って自らの腕に巻いてのパンチ、蘇生した樋口レフェリーが止めに入りましたがエキサイトしたドリーは樋口をチェーンで殴ってしまい、反則負け。PWFルール適用によりベルト移動、ブロディが第11代王者になっています。
セミファイナルはリック・フレアーに鶴田が挑戦したNWA世界ヘビー級選手権試合60分3本勝負。レフェリーを務める予定だったジョー樋口は前のドリーvsブロディ戦でダウンした為、立会人として来日していたPWF会長のロード・ブレアースが急拠、レフェリー代行をすることに。
1本目は鶴田がジャンピング・ニーパット、ダブルアーム・スープレックスと繋いでコーナーポスト最上段からのミサイルキックを決めて片エビ固め、2本目はフレアーが滞空時間の長いバックドロップから足4の字固め。
ブレアースのレフェリングは芳の里と似ていて動きが鈍いのと、現役時代の膝へのダメージから、マットを叩く時く為に膝を庇うところがありワンテンポ遅れてしまいます。
決勝の3本目、鶴田のコブラツイストをフレアーが腰投げで返した時、ブレアースのポジションが悪く投げられた鶴田の下敷きになってしまいダウン。鶴田はバックドロップ、ドリルアホール・パイルドライバーからカバーに入りますがカウントは入らない。
ならばと鶴田はフレアーをコーナーに振ってドロップキック、これは悪手でした。フレアーにかわされ股間を打ってダウン、そこをフレアーが片エビ固めに押さえ込み、復活したブレアースはカウント3を叩き2−1でフレアーがタイトルを防衛しています。
メインイベントは馬場とブルーノ・サンマルチノが友情タッグを結成、全日本プロレスで再結成されたタイガー・ジェット・シン&上田馬之助組と対戦したタッグマッチ60分1本勝負。レフェリーは樋口が復活しました。
この試合は主催者に名を連ねていた「東京スポーツ」から賞金100万円が勝者チームに贈られることになっていました。馬場とサンマルチノは前日の10月8日宇都宮・栃木県体育館で初タッグを結成、ハーリー・レイス&バック・ロブレイ組と対戦し馬場がロブレイを16文キックからの片エビ固めで破っており、試運転の状況は良好です。
対するシン&上田組は新日本プロレスの4月8日京都・福知山市厚生会館での坂口征二&長州力組戦以来半年ぶりのタッグ結成でしたが悪の連携は不変。
試合の最大の見せ場はサンマルチノがシンにベアハッグ、馬場が上田にコブラツイストを見せたシーンでした。シンはサンマルチノの顔面を掻きむしって脱出、そこから4者場外での乱闘となり、両チームリングアウトの引き分けとなっています。
4大決戦の前のカードがテリー・ファンク&天龍&阿修羅・原組vsレイス&アレックス・スミルノフ&ドン・デヌーチ組の6人タッグマッチで天龍がデヌーチから回転エビ固めでフォールを奪っていますが、出場選手が多いとはいえ、テリーとレイスにこの使い方をしてはあまりに勿体なく、30分1本勝負でいいので、テリーvsレイスのシングルマッチを組んで欲しかったです。
合計4時間以上にわたる長時間興行でしたが、前座試合を2つ位削り、この日大木金太郎と対戦したマスクドX(サイレント・マクニー)は休みにしても良かったのではないかと思います。
※対戦成績は360戦58勝302敗、勝率161。
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