81年新日本プロレス「サマー・ファイト・シリーズ」は7月3日、後楽園ホールで開幕。
初のシリーズフル参戦となるアブドーラ・ザ・ブッチャー、マスクド・スーパースター、バッドニュース・アレン、NWA世界ジュニア・ヘビー級王者レス・ソントン、スタンリー・レーン、フランク・サベージがシリーズ全戦参加。
後半戦特別参加がミッシェル・ナドール、終盤戦にはついに「墓堀人」ローラン・ボックが特別参加、他にメキシコからスコルピオの特別参加が決定。
同じ7月3日、熊谷市民体育館で全日本プロレスの「サマー・アクション・シリーズ」が開幕。こちらはディック・スレーター、ビル・ロビンソン、キラー・トーア・カマタ、グレート・マーシャルボーグ、ルーファス・ジョーンズ、ビクター・リベラ、ラリー・ズビスコ、ボビー・ヒーナンというメンバー。
新日本プロレスにブッチャー、タイガー戸口を引き抜かれ、「本人が行くというものは仕方ないが、こういうことは業界としては良くないこと」とコメントしていた馬場は「売られた喧嘩は買う。アメリカにいる俺の仲間が動いてくれている」と目には目、歯には歯の報復宣言。
馬場は6月11日、後楽園ホールで「スーパー・パワー・シリーズ」が終わると元子夫人、日本テレビの原章ディレクターと共にカナダを訪れ、トロントのシンを訪問、好条件を提示して一発で契約成立。
馬場はその足でテキサス州ダラスに飛び、スタン・ハンセンと移籍交渉を行い、「断わることが出来ない位の金額」(ハンセン談)を提示して即時契約。しかし新日本プロレスとの契約が年末まで残っているからと言うと「終わってからでいい」と馬場が回答、年末にハンセンを投入する「仕込み」が整いました。馬場は最初から投入時期に年末を狙っていたかと思われます。
シンが全日本プロレスヘ移籍か?というのは「東京スポーツ」でも報じられてはいましたが、では一体いつ、という部分に関してはぼやかして書かれていました。
新日本プロレス「サマー・ファイト・シリーズ」開幕戦7月3日、後楽園ホール(テレビ生中継、観衆2,200人満員発表)大会、メインイベントは猪木&坂口征二組の黄金コンビとブッチャー&アレン組が対戦したタッグマッチ60分1本勝負。私はこの興行は生観戦しています。
しかし、ブッチャーの新日本プロレスシリーズ参戦第1戦なのに後楽園ホールは満員には成らず。新日本プロレスのファンはブッチャーを求めてはいなかったことになります。
試合はコーナーポスト最上段に上がった坂口にブッチャーが下から地獄突き、これで坂口は場外に転落、11分46秒、ブッチャーが坂口にリングアウト勝ち。
セミファイナルは藤波辰巳のWWFジュニア・ヘビー級王座にNWA世界ジュニア・ヘビー級王者ソントンが挑戦した60分1本勝負。当初は藤波がソントンのNWA世界ジュニア王座に挑戦する予定でしたが、ソントンのタイトルは賭けられず、藤波のWWFのみの防衛戦となりました。
これは推測するに、オクラホマのプロモーターでNWA世界ジュニア王座を管理していたレロイ・マクガークは79年にマクガークのもとでマッチメーカーをしていたビル・ワットと対立。ワットは独立して新団体MSWAを旗揚げ。興行地盤を乗っ取りました。
マクガークは虎の子のNWA世界ジュニア王座を看板にオクラホマ州タルサを中心に細々とテリトリーを継続して来ましたが、経営不振によりNWA世界ジュニア王座のベルトを新日本プロレスにレンタルすることを画策。
ソントンと藤波の二番勝負によるタイトル戦を行い、藤波がソントンを降してNWA世界ジュニア王座、栄光のダニー・ホッジ、ケン・マンテル、ヒロ・マツダ、ネルソン・ロイヤルが巻いたベルトを獲得。NWAとWWFの二冠王者となり「もはやジュニアに倒すべき相手なし」として2本のベルトを返上してヘビー級転向。
WWFはタイガーマスクに受け継ぎ、NWAはマクガークに返却、折りを見て王座決定戦を行いソントンが返り咲く、という腹づもりだったのではなかったでしょうか?
しかしマクガークが新日本プロレスに対してレンタルマネーをふっかけてこれを拒否された、というのが私の考察です。マクガークはこれまで新日本プロレスとビジネスした実績はありませんが、橋渡しをしたのは元NWA世界ジュニア王者、マツダでしょう。
ちなみに翌82年5月にタイガーマスクがソントンを破ってNWA世界ジュニア王座を奪取した時はマクガークは既にプロモーションをクローズしていて、ベルトはソントンの個人所有になっていたという話です。
試合は60分1本勝負、15分48秒、両者リングアウトの引き分けとなり藤波が23度目の防衛を果たしました。
Mスーパースターは長州力に4分49秒、体固めで勝利。レーンは木村健吾を9分16秒、片エビ固めでフォール勝ちし、Fサベージは永源遙に8分22秒、体固めで降しました。
※観戦チケットをアップ致しました。
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