全日本プロレスとの興行戦争ですが、全日本プロレスは通常通り新日本プロレスの1週間前にあたる恒例の1月2&3日、後楽園ホール昼興行2連戦においてジャイアント馬場3,000試合連続出場突破記念「新春ジャイアント・シリーズ」を開幕させました。
アブドーラ・ザ・ブッチャー、マーク・ルーイン、ジム・デュラン、ガイ・ミッチェル(ラリー・バリアント)、マッドドッグ・マーチン(フレンチ・マーチン)、サンダーボルト・ウィリアムがシリーズ全戦参加。
序盤戦1月3日後楽園ホール〜8日秋田県五城目町広域体育館にザ・シークが特別参加、中盤戦1月18日後楽園ホール&1月19日大津市皇子が丘体育館の2大会にAWA世界ヘビー級王者バーン・ガニアが特別参加。
日本側は佐藤昭雄が1年ぶりに帰国し参戦、タイガー戸口は引き続き海外遠征中、ミスター桜田は3シリーズ連続参戦。
また、先の80年「世界最強タッグ決定リーグ戦」にレフェリーとして参加したタイガー服部が今シリーズも残留してレフェリーを務めました。
開幕戦の1月2日、後楽園ホール(テレビ収録、観衆2,650人満員発表)大会、メインイベントの賞金100万円争奪スーパーヘビー級バトルロイヤル(16人参加)は決勝でプリンス・トンガがデュランを首固めで破り初優勝。
ブッチャーとの因縁を持つシークが私服姿にベールを被って会場に姿を現しましたが乱入などはなし。
鶴田&トンガ組とブッチャー&ルーイン組のタッグマッチ45分1本勝負はブッチャーがトンガをジャンピング・エルボードロップから体固め。
第2戦1月3日後楽園ホール(観衆3,200人超満員発表)大会ではブッチャーのUNヘビー級王座にシークが挑戦(60分1本勝負)。会場狭しと後楽園ホール南側最後列まで使っての場外乱闘で10分10秒、両者リングアウトの引き分け。試合時間は10分「も」やりましたが大半が場外戦でした。ブッチャーは3度目のタイトル防衛。
第5戦、1月7日石巻市総合体育館(テレビ収録、観衆3,800人満員発表)大会。メインイベントは1月13日、島原市体育館でインターナショナル・タッグ王座を賭けて闘う馬場&鶴田組とブッチャー&ルーイン組が前哨戦、ノンタイトルのタッグマッチ60分1本勝負で対戦。
ルーインの凶器打ちからブッチャーがジャンピング・エルボードロップから馬場を体固めで破り、ブッチャー&ルーイン組がフォール勝ち。シークは桜田とセミファイナルでシングルマッチで対戦し、凶器攻撃で反則負け。
第10戦は1月13日、島原市体育館(テレビ収録、観衆1,800人発表)大会。メインイベントは馬場&鶴田組のインターナショナル・タッグ王座にブッチャー&ルーイン組が挑戦。1本目はルーインが鶴田をドリルアホール・パイルドライバーから体固め、2本目は、馬場がルーインに16文キック、続いてタッチを受けた鶴田がジャンピング・ニーパット、ダウンして起き上がったルーインに馬場が逆水平チョップを放ち、試合権利のある鶴田が押さえ込んで体固め。
決勝の3本目は場外で鶴田が捕まり、2人がかりで反則攻撃に遭い、止めに入ったジョー樋口レフェリーにブッチャーが暴行を加えて日本組の反則勝ちとなり2−1で馬場&鶴田組が6度目のタイトル防衛に成功しています。
第13戦、1月18日後楽園ホール(テレビ収録、観衆3,400人超満員発表)大会。馬場国内3,000試合連続出場突破記念試合第1弾、AWA世界ヘビー級王者ガニアとPWFヘビー級王者馬場とのダブル・タイトルマッチ60分3本勝負。
ガニアは前80年7月18日(現地時間)イリノイ州シカゴ・インターナショナル・アンフィシアターでニック・ボックウィンクルを破り、4年半ぶり、54歳という当時としては高齢での王座返り咲きを果たしていました。
1本目はガニアがショートレンジのドロップキック2連発から背後に廻り込んで209cmの馬場に飛び付いての裸絞め(スリーパー・ホールド)、2本目はガニアのドロップキックをはたき落とした馬場が河津落としからの16文キックを決めて片エビ固め。
決勝の3本目はガニアが場外で飛び付き式スリーパー・ホールド、カウントギリギリでリングに上がろうという作戦でしたが馬場はガニアの両足を離さず、エプロンにガニアの背骨を叩きつけましたが両者リングアウトの引き分けに終わり、共にタイトル防衛に成功、馬場は6度目の防衛となりました。
翌1月19日、大津市皇子が丘体育館(テレビ収録、観衆2,300人発表)大会ではガニアは鶴田と初タッグを結成しブッチャー&ルーイン組と対戦。ガニアvsルーインという世界二大スリーパー・ホールドの名手同士が対戦しています。
1本目は両チームリングアウトで1−1。決勝の2本目はブッチャーが新兵器の山嵐(バックフリップ)からジャンピング・エルボードロップを鶴田に決めて体固めでフォール、2−1でブッチャー&ルーイン組が勝利を収めました。
シリーズ最終戦は1月22日、鶴田の地元である山梨県韮崎市運動公園体育館(テレビ収録、観衆3,500人満員発表)大会。メインイベントで鶴田がブッチャーのUNヘビー級王座に挑戦。1本目は両者リングアウトで1−1、決勝の2本目は鶴田がフライング・ボディシザースドロップ(空中胴絞め落とし)でブッチャーから体固めでフォールを奪い、3か月ぶりに王座奪還に成功しました。ブッチャーは4度目の防衛に失敗。
UNヘビー級王座から転落したブッチャーですが、春のチャンピオン・カーニバル2度優勝、PWFヘビー級、UNヘビー級、インターナショナル・タッグ、PWF認定USヘビー級と、全日本プロレスが所管していたほぼ全てのタイトルを総ナメ。実現しなかったのは「世界最強タッグ決定リーグ戦」優勝のみ。しかし、シークと仲間割れしたブッチャーに優勝できるようなパートナーはおらず、もう全日本プロレスのリングですやり残した仕事はなくなってきていました。(この項続く)
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