80年新日本プロレス「第3回MSGシリーズ」最終戦、6月5日、蔵前国技館(テレビ収録、観衆10,500人満員発表)大会。私はこの興行は会場で生観戦しています。
優勝決定戦は1位が35点の猪木、2位には32点でアンドレ・ザ・ジャイアント、スタン・ハンセン、坂口征二の3選手が並びました。
2位の3選手による優勝決定戦進出者決定トーナメントは抽選の結果、1回戦でアンドレと坂口が対戦、その勝者と2回戦でハンセンが対戦することに決定、ハンセンはくじ運に恵まれました。
試合時間は45分1本勝負、まずはアンドレと坂口の一戦。近年youtubeで「不穏試合」として採り上げられた一戦でもあります。坂口は体当たり、アンドレは倒れず、逆にサーフボード・ホールドに捕らえていきます。背中にヘッドバット、さらに正面から額にもヘッドバット。
坂口は組みついて大外刈り、265kgの巨大がズドーンと倒れました。アンドレはベアハッグ、グイグイと絞め上げていきましたが、坂口は両腕をこじ入れるともう一度大外刈り、アンドレは見事に転がされました。
これでアンドレがキレて、フルネルソンに捕らえて前に倒し、そのままグラウンドで全体重を乗せて押し潰しました。型はやや違いますがそれより6年後、86年4月29日、津市体育館で行われた前田日明との一戦を彷彿とさせる展開に。
これで怒りが収まらなかったかアンドレはコーナーでヒッププッシュを連発、たまらず坂口は場外へエスケープ。呼吸を整えてリングに上がります。アンドレは坂口を対角線コーナーに飛ばしてショルダー・タックル、これをかわした坂口は反対のコーナーへアンドレを飛ばし、ダウンしたところへコーナーポスト最上段からフライング・ニードロップ。
さらにジャンピング・ニーアタックにいこうとしたところ、アンドレは逆水平チョップで反撃、ロープに飛ばしてカウンターのビッグブート(18文キック)からヒッププレス、4分37秒、アンドレが体固めでフォール勝ちし2回戦進出を決めました。
アンドレと坂口が小競り合いをする中、第2試合に出場するハンセンが入ってきてアンドレを背後から襲撃、そのまま第2試合(45分1本勝負)のゴングが鳴りました。
アンドレはチョップ、パンチ、ヘッドバッドと流れるような攻めを見せ、ロープに飛ばしてカウンターのビッグブート狙い、しかしハンセンはこれをかわすと踏み込んでのウェスタン・ラリアート、5月30日の高松大会でもみられたシーン。グラついたアンドレの後頭部にエルボー、ダウンしたところにエルボードロップ、そのままもつれて両者場外に転落。
場外戦となりましたが、そこへハルク・ホーガンが乱入、エキサイトしたアンドレはホーガンに手を出して乱闘となりました。その隙にリングに上がったハンセン。レフェリーのカウントは20を数え、僅か1分48秒、ハンセンがリングアウト勝ちで優勝決定戦進出を決めています。
アンドレvsハンセン戦と優勝決定戦の間に行われたセミファイナル、WWF二階級王者対決、ヘビー級王者ボブ・バックランドとジュニア・ヘビー級王者藤波辰巳のノンタイトル戦60分1本勝負は藤波がキーロック、コブラツイストと攻勢に出ましたが、体力で勝るバックランドが藤波の後方回転エビ固めをさらに反転させてのジャパニーズ・レッグロール・クラッチホールド(回転足折り固め)。
12分3秒、カウント3が入りバックランドの勝利、現在も新日本プロレスの「旗揚げ記念日」でよく行われるIWGP二階級王者対決の原点とも言える闘いでした。
メインイベントの優勝決定戦、時間無制限1本勝負は猪木vsハンセンの2年連続同一カード。中盤戦で負傷した足の負傷が癒えない猪木は、短期決戦でないと不利と判断したか、ロープワークの攻防からショルダースルーで投げ捨て、額にナックル・パートの連打。
前日の名古屋大会でのバックランド戦で流血した箇所が切れて再びハンセンは額から一筋の鮮血が。怒りの反撃を見せ、鋭角的な膝を猪木の首筋、後頭部に入れていきます。ダウンした猪木にエルボードロップ。フォールにいくもカウント2。
猪木はリバース・インディアンデスロック、ハンセンもドリルアホール・パイルドライバー、エルボードロップを入れてからのブレーンバスター。ハンセンのブルファイトに猪木は早くもピンチ。
場外へエスケープする猪木、追いかけるハンセン、猪木の背中にエプロンからのエルボー、ガクっと倒れる。ハンセンはリングに戻り「ウィーッ!」(ユース!)と勝利の雄叫び!
リングに上がってきた猪木をロープに飛ばしたハンセンはウェスタン・ラリアート、しかしこれはレフェリーのミスター高橋に誤爆、高橋はダウン。この間に蘇生した猪木は、ドロップキックからブレーンバスター、フォールにいきますがレフェリーがいない。ゆうにカウント3以上は楽勝で入っていましたが…。
勝ったと思ったが猪木は立ち上がりますが、レフェリーはダウンしたまま、背後からハンセンがパンチ、セコンドのホーガンがブルロープを持って入ってきて、ハンセンが猪木の首を絞める。ようやく立ち上がった高橋レフェリーは試合終了のゴングを要請、7分49秒、猪木が反則勝ちで3連覇を果たしました。ダスティ・ローデスが救援に入り猪木に加勢、ここで猪木&ローデスというラインが繋がっています。
猪木に取っては苦しいV3で、試合後のテレビ朝日の勝利者インタビューでも「反則勝ちでも勝ちは勝ち」と答えており、私は「こんな勝ち方では納得いかない、ハンセン、ホーガンまとめてやってやる!」と言うかと思っていただけに、猪木らしくないな、と思いました。しかし、それだけ満身創痍だったということでしょう。
その他の試合はストロング小林は長州力と組んで、ホーガン&バッドニュース・アレン組とタッグマッチ30分1本勝負で対戦。8分40秒、S小林がアレンを片エビ固めで破り、最終戦を自力勝利で飾りました。
ローデス&ティト・サンタナ組vs剛竜馬&木村健吾組は7分23秒、ローデスが木村健を体固めで破りローデス&サンタナ組に軍配が上がっています。
シリーズ終了後、メキシコ、アメリカに海外武者修行に出発する小林邦昭は壮行試合をチャボ・ゲレロと行い、9分55秒、体固めで敗れています。
※観戦チケットをアップ致しました。
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