80年新日本プロレス「第3回MSGシリーズ」決勝リーグ戦も後半戦を迎え、6月5日、蔵前国技館での優勝決定戦へ向けて連日激しい星の潰し合いが展開されています。
第29戦、5月28日、島根県松江市総合体育館(観衆3,000人満員発表)大会。メインイベントは猪木&坂口征二組が黄金コンビを結成、スタン・ハンセン&ハルク・ホーガン組と対戦、ハンセンとホーガンは、この時初タッグでした。新日本プロレス側はハンセンとホーガンをタッグで組ませて売り出そうという意図があり、まずは社長と副社長による「査定試合」だったことでしょう。
1本目は11分12秒、日本組の反則勝ち、2本目は3分21秒、両チームリングアウトで1−1となり、1本のフォール、ギブアップによる一本勝ちもなく、2−1で猪木&坂口組の辛勝に終わりました。
ストロング小林はセミファイナルで長州力と決勝リーグ戦45分1本勝負で対戦。両者は78年11月17日、後楽園ホールでの「プレ日本選手権」予選リーグ戦で初対決。14分43秒、S小林のバックドロップを長州がコーナーポストを蹴って共倒れ、先に起き上がった長州が覆い被さり体固めでフォール勝ち。
この時はS小林の方が、北米タッグ王者で格上であり、長州が上位食いをやったという印象でした。
翌79年、両者の団体内での番付が入れ替わります。4月5日、東京体育館でS小林はヒロ・マツダ&マサ齋藤組に2−1で敗れ、坂口と組んで保持していた北米タッグ王座から転落、リターンマッチはS小林は外され、6月15日、ロサンゼルス・オリンピック・オーデトリアムで長州が坂口と組んでマツダ&M齋藤組に挑戦、反則含みながら2−1で坂口&長州組が勝ち、王座獲得に成功。長州は会社の期待に応えて見せました。
丸腰となったS小林はこれで猪木、坂口、藤波辰巳、長州に次いで5番手に陥落。S小林はアメリカ、メキシコでの海外武者修行を終えて凱旋帰国した木村健吾と組んで7月6日、四日市市体育館で坂口&長州組の初防衛戦の相手として北米タッグ王座に挑みました。
1本目は15分59秒、S小林が長州にブレーンバスターをも決めてからのカナディアン・バックブリーカー、2本目は4分45秒、坂口が木村健をジャンピング・ニーアタックから担ぎ上げてのアトミック・ドロップ、片エビ固めでフォールして1−1。
決勝の3本目、S小林が長州に再びブレーンバスター、そしてトドメとばかりのバックドロップ。しかし長州は担ぎ上げられながら、左膝でS小林の顔面を一撃、S小林はバランスを崩してダウン。バックドロップは共倒れとなり、先に起き上がった長州がS小林をフォール。2分54秒、長州がS小林を体固めで破り、2−1で坂口&長州組が初防衛に成功しています。
両者の直接フォールは1本ずつながら、決勝フォールは長州がS小林から奪っており、番付再交代は成らず。
その後、両者のシングルマッチは3回組まれ、7月30日、湖西市国際ボウル跡特設リングでは9分4秒、首固め、9月21日、仙台・宮城県スポーツセンターでは6分36秒、首固め、11月24日、大分県新光製糖跡特設リングでは9分4秒、首固めでいずれも長州が勝っており、シングルでは長州の4戦4勝と一方的な成績になっています。
5回目の対戦でS小林は一矢報いることが出来るか?5月30日付(29日発行)の「東京スポーツ」から試合レポを引用してみたいと思います。
『試合が盛り上がったのは長州の強烈な張り手が小林の顔面を襲ってから、これに対して小林は長州をロープに飛ばしてからカウンターパンチ、ニードロップ、ラクダ固め、レッグブリーカーと猛攻。
長州も負けておらずストンピングからボディスラム、首4の字。一進一退の攻防が続く。長州は10分過ぎ、バックドロップの奇襲をかけたがカウント2。体当たりからそのまま場外に雪崩込んで両者激しい場外乱闘、小林がアトミック・ドロップで長州を叩きつけたところで両者カウントアウトとなった』
11分37秒、両者リングアウトの引き分けとなり、長州は9点、S小林は12点となりました。
セミ前は藤波辰巳&星野勘太郎組がアンドレ・ザ・ジャイアント&チャボ・ゲレロ組と対戦したタッグマッチ30分1本勝負で、9分53秒、アンドレが星野を体固めで破り、アンドレ&チャボ組の勝利。
ボブ・バックランドは木戸修を5分47秒、ジャーマン・スープレックスホールドで破り、決勝リーグ戦45分1本勝負ではダスティ・ローデスが剛竜馬を3分16秒、ジャンピング・エルボードロップからの片エビ固めで破り19点、剛は0点のまま。
公式戦外の試合ではウィリエム・ルスカがティト・サンタナと対戦し、7分34秒、腕ひしぎ逆十字固めでギブアップ勝ち。バッドニュース・アレンは永源遙を6分30秒、体固めで降しています。
第30戦、5月29日、岡山武道館(観衆2,900人発表)大会。メインイベントは決勝リーグ戦45分1本勝負、猪木とハンセンが公式戦で激突、今シリーズ5月9日、福岡スポーツセンターでNWFヘビー級王座を賭けて対戦。猪木は大苦戦の末、辛うじて王座初防衛を果たしています。
試合はハンセンがスリーパーホールドから投げつけ、猪木の首筋にエルボー、猪木もアリキックで突破口を見出してボディスラムからコーナーポストに登ってのフライング・ニードロップ。しかしハンセンにかわされて自爆、場外へエスケープする猪木、追うハンセン、猪木がハンセンの首根っこを捕まえて鉄柱へ一撃、リングに生還しようとするもハンセンは猪木の足を引っ張り、自分がリングへ。しかし今度は猪木がこれを阻止。場外カウントは進み、9分18秒、両者リングアウトの引き分け。猪木は28点、ハンセンは21点。
セミファイナルはバックランド&藤波のWWF二階級王者コンビが登場、ローデス&チャボ組と対戦したタッグマッチ45分1本勝負。12分11秒、バックランドがチャボを回転エビ固めで破り、バックランド&藤波組が快勝しています。
S小林はセミ前でアンドレと決勝リーグ戦45分1本勝負で対戦、国際プロレス時代から11年に亘る因縁を持つ両者ですが、近年はアンドレがかなり上にいってしまい、ポジションはかなり開いています。
試合はアンドレのペースで進められ、足払いからアームロック、コーナーに詰めてのヒッププッシュ、S小林はたまらず場外へ逃げました。体勢を立て直してリングインしましたが、そこへ待っていたのがアンドレのヘッドバット。S小林の胸に強烈な逆水平チョップを見舞うとカウンターのビッグブート(18文キック)、ダウンしたS小林にヒッププレス、6分7秒、体固めでアンドレがフォール勝ちし23点。S小林は12点。
セミ前は坂口&長州組の北米タッグ王者チームが登場、ホーガン&アレン組とタッグマッチ30分1本勝負で対戦、11分4秒、長州がアレンを体固めで破り、坂口&長州組の勝利。このシリーズは北米タッグのタイトル戦はありませんでしたが、この試合をタイトル戦にしても良かったのではないかと思います。
サンタナは木村健吾を8分32秒、片エビ固めで破り、ルスカは小林邦昭を8分41秒、腕ひしぎ逆十字固めでギブアップさせました。星野vs剛のシングルマッチは10分57秒、首固めで星野がフォール勝ちを飾っています。
第31戦は5月30日、香川県高松市民文化センター(テレビ生中継、観衆3,500人満員発表)大会。メインイベントは決勝リーグ戦45分1本勝負、前79年6月1日、第2回大会の同じ高松で決勝リーグ戦で同一カードが組まれていましたが、藤波が足の負傷で棄権しており、ちょうど1年後の同じ高松で師弟対決が組まれました。
藤波はドラゴンロケットで果敢に攻めていきましたが、11分45秒、猪木のエプロン越しのバックドロップからの体固めで勝負あり。猪木は33点、藤波は20点。
セミファイナルは注目の決勝リーグ戦45分1本勝負、アンドレとハンセンの激突。ハンセンはロープに振られて戻ってきたところ、アンドレのビッグブートをかわして、踏み込んでのウェスタン・ラリアートを叩き込んでアンドレをグラつかせましたが、アンドレもヘッドバットで反撃し場外へ。
3分14秒、両者リングアウトとなりアンドレは25点、ハンセンは23点となりました。
セミ前はスペシャルシングルマッチ45分1本勝負。バックランドとホーガンの日本初対決。ホーガンのパワーにバックランドもパワーで対抗、レッグストレッチャーで厳しい攻め、ホーガンもベアハッグで反撃。場外乱闘となり、セミファイナルに出場するハンセンがホーガンの助けに入り加勢、18分8秒、バックランドの反則勝ち。
この日の「ワールドプロレスリング」生中継は上記3試合が放送されています。
坂口&ルスカ組vsアレン&サンタナ組のタッグマッチ30分1本勝負は8分18秒、坂口がサンタナを逆エビ固め。
決勝リーグ戦45分1本勝負、ローデスとチャボの一戦は8分4秒、ローデスが片エビ固めで勝利し24点、チャボは0点。
木戸は永源を8分37秒、首固めで破り、S小林は木村健と組んで長州&星野組と対戦、16分2秒、S小林が星野を体固めで破り、S小林&木村健組に軍配が上がっています。
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