80年新日本プロレス「第3回MSGシリーズ」は東北ツアー、第20戦は5月18日、岩手県千厩(せんまや)町体育館(観衆2,200人発表)大会。
メインイベントは猪木&星野勘太郎&木戸修組がダスティ・ローデス&バッドニュース・アレン&ティト・サンタナ組と対戦した6人タッグマッチ。1本目は4分58秒、ローデスが木戸を体固め、2本目は5分12秒、日本組の反則勝ち、決勝の3本目は3分47秒、猪木がアレンをアバラ折り(コブラツイスト)でギブアップさせて2−1で猪木&星野&木戸組が快勝しています。
セミファイナルは決勝リーグ戦45分1本勝負。ストロング小林は藤波辰巳と対戦、前79年5月4日、岡山武道館での第2回大会予選トーナメントでは30分時間切れ、5分間✕2度の延長戦も時間切れとなり、40分に亘る死闘を展開、おそらく会社側の方針で決勝リーグ戦進出の権利を放棄させられたS小林が後日、再試合を行うことなく藤波に権利を譲渡しました。
以来1年、藤波はNWAインターナショナル、WWFのジュニア・ヘビー級二冠王として「ジュニア最強」の看板に相応しい王者となりました、S小林は北米タッグ王座の坂口征二のパートナーの座を長州力に取られ、団体のナンバー5になっていました。
5月20日付(19日発行)の「東京スポーツ」から試合レボを引用してみたいと思います。
『パワーにものを言わせる小林がグイグイと攻めたてる。手四つ、カウンターパンチ、レッグシザース、フルネルソンと怪力殺法を披露、これには藤波もタジタジ。テクニックで対抗したものの、今シリーズ絶好調の小林のパワーの方が上回った。
アームブリーカー、ニードロップ、ニードロップと立て続けに襲う。これに対し藤波は小林の無造作なカウンターパンチをかわすとドロップキック一発、コーナーポストによじ登り、フライングボディアタックを狙うも、これまた小林につかまり、デッドリー・ドライブ。したたかマットに叩きつけられ、場外脱出。
だが、上がってきたところを捕まった。豪快なブレーンバスター。だがこの時藤波が体勢をスルリとかわした。と同時に一瞬の逆転、逆さ押さえ込み。悪戦苦闘の末に藤波の辛勝。』
11分17秒、藤波のクイック技、逆さ押さえ込みにS小林は無念の涙を飲みました。藤波は5点、S小林は0点。
セミ前が公式戦外のシングルマッチ30分1本勝負でスタン・ハンセンが坂口征二を6分50秒、体固めで破りました。
決勝リーグ戦45分1本勝負、アンドレ・ザ・ジャイアントとチャボ・ゲレロの一戦は3分49秒、チャボお得意の回転エビ固めをヒッププレスで押し潰したアンドレが体固めで勝利。アンドレは10点、チャボは0点。予選トーナメントでも対戦した長州力と剛竜馬は10分22秒、長州がバックドロップからの体固めでフォール勝ち。長州は5点、剛は0点。
ハルク・ホーガンは来日第1戦に続き、永源遙と対戦し2分6秒、ベアハッグで完勝。ウィリエム・ルスカは荒川真を6分35秒、腕ひしぎ逆十字固めでギブアップさせています。
第21戦、5月19日、宮城県中新田(なかにいだ)町体育館(観衆3,200人超満員発表)大会。メインイベントは坂口&藤波&ルスカ組とハンセン&アレン&サンタナ組が対戦した6人タッグマッチ。
1本目は11分17秒、日本組の反則勝ち、2本目は3分59秒、藤波がサンタナを回転エビ固めで破り、反則含みながら坂口&藤波&ルスカ組が2−0のストレート勝ちを飾っています。
セミファイナルは決勝リーグ戦45分1本勝負、猪木がチャボと対戦し、6分50秒、グラウンド・コブラツイストで勝利し10点、チャボは0点。
S小林はセミ前でローデスと決勝リーグ戦45分1本勝負で対戦。国際プロレス時代は2度に亘り、IWA世界ヘビー級王者としてローデスの挑戦を退けたS小林でしたが、世界のスーパスターとなったローデスとは立場が逆転。前79年10月「闘魂シリーズ」での6年ぶりの対戦ではS小林が一敗地にまみれています。
5月21日付(20日発行)の「東京スポーツ」に試合レポが掲載されていますので抜粋して引用。
『ローデスがハンセンに、小林が藤波にと、二人ともスタートで不覚を取っている。だからスタートは慎重だ。長い睨み合いから腕、足、バックの取り合いと一進一退の攻防。6分過ぎたあたりでローデスが俄然ラフプレーに出た。小林を場外へ突き落とし、エルボー攻撃から鉄柱へゴツーンと打ち付けた。またも脳天に毒針を落とす速攻だ。
フラフラになりながらも小林はリングへ復帰。持ち前の怪力殺法を発揮した。ローデスをグイとコーナーへ振ってタックル、パンチ、これにはさすがのローデスもタジタジ。
しかし、前NWA世界ヘビー級王者、ローデスは攻められても冷静、余裕があった。小林の強引なカウンターパンチ攻撃に耐えながら、二発目は完全に裏をかいた。さっと小林のパンチをかわして脳天へ得意のエルボー。ドッと倒れた小林めがけて、ローデスは5、6歩助走をつけてランニング・エルボードロップ、ローデスは嬉しい初白星をもぎ取った』
東スポは17分11秒、「ゴング」、「月刊プロレス」のプロレス熱戦譜では6分11秒、と試合時間の相違はありますが、ローデスが片エビ固めで5点、S小林は連敗で0点。
S小林は決勝リーグ戦に進出後、藤波、ローデスに連敗してまだ初日が出ていませんが、試合内容は悪くはなく、この日の東スポのコラム「記者の目」でも、その好調ぶりが書かれています。
タイトルは「6年前の”怒涛の怪力”がよみがえったS小林」『怪力S小林がよみがえった。MSG決勝リーグ戦で藤波、ローデスに敗れ、白星なしの小林。だが、予選トーナメントをやっとの思いで勝ち、決勝リーグへ駒を進めたことと、現在の対戦相手を考えれば、当然と言える成績。
しかし、「こんなに調子がいいのは何年ぶりかね。充実しきっている」(小林)という言葉を借りるまでもなく、今シリーズは”怒涛の怪力”が完全に復調した。この夜の前NWA世界ヘビー級王者ローデス戦でも、一歩も引けを取らないファイト。シリーズ後、結婚を控え張り切っていることもあるだろうが、6年前の猪木との”因縁の対決”のそれ近いデキにあることは確かだ。』(良)
とありますが、このコラムを書いているのは堀内良一記者です。「新日本プロレスの5番手にポジションを下げられた現在のS小林には藤波もローデスも『勝たせてはもらえない相手』負けるのは仕方ないが試合内容は良く、好調である」という事が書かれています。
決勝リーグ戦45分1本勝負、長州とアンドレの一戦は4分40秒、何と長州がアンドレを両者リングアウトに持ち込む殊勲の星を挙げて2点を加えて7点、アンドレは文字通り足元を掬われて痛い取りこぼしで12点です。
ホーガンは剛を4分2秒、カナディアン・バックブリーカーでギブアップさせ、星野&木戸組vs木村健&永源組のタッグマッチは20分時間切れ引き分けとなりました。
第22戦、5月20日、福島県会津体育館(観衆3,400人満員発表)大会。S小林はメインイベントに出場、猪木&木戸とのトリオでアンドレ&アレン&サンタナ組と6人タッグマッチで対戦。
1本目は11分9秒、アンドレがS小林を体固め、2本目は3分41秒、木戸がアレンを回転エビ固め、決勝の3本目は4分4秒、アンドレが木戸を体固めで破り、アンドレが一人で2フォール奪ってアンドレ&アレン&サンタナ組が2−1で勝利を飾っています。
セミファイナルは決勝リーグ戦45分1本勝負、藤波とチャボの今シリーズ3度目のシングル対決、予選トーナメントではチャボのリングアウト勝ち、5月9日、福岡大会でのWWFジュニア・ヘビー級選手権試合では藤波がジャーマン・スープレックスホールドでフォール勝ちと1勝1敗。
決着戦となった一戦は9分46秒、逆さ押さえ込みで藤波がフォール勝ちし10点、チャボは0点。
セミ前の決勝リーグ戦45分1本勝負、長州とハンセンの一戦は、2日続けてのサプライズは起きず、3分17秒、ハンセンが体固めでフォール勝ちし、14点、長州は7点。同じく決勝リーグ戦、初戦の坂口は剛を9分5秒、アルゼンチン・バックブリーカーでギブアップさせて5点、剛は0点。
公式戦外の試合では、ローデスは星野を5分19秒、片エビ固めで撃破、ホーガンは木村健を1分59秒、カナディアン・バックブリーカーでギブアップさせ、ルスカは永源を7分2秒、腕ひしぎ逆十字固めで破りました。
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