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2024年03月12日07:23

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ストロング小林さん追悼(623)

80年新日本プロレス「第3回MSGシリーズ」は決勝リーグ戦へと突入、第18戦は5月16日、愛知県刈谷市体育館(テレビ生中継、観衆3,200人満員発表)大会。

メインイベントに出場予定だった猪木ですが、右足甲の強度打撲により欠場。猪木は5月13日の宇部大会での場外乱闘の際、興奮した観客が投げたイスが右足甲を直撃、翌14日の橿原大会は無理を押して出場したものの、16日になっても腫れと痛みが引かずに帰京。17日に主治医である佐藤三蔵菊屋橋病院院長の治療を受けることになりました。

メインイベントはカード変更となり猪木の代打にはウィリエム・ルスカが入り、藤波辰巳&長州力とのトリオでこの日より参加のアンドレ・ザ・ジャイアント&チャボ・ゲレロ&ティト・サンタナ組と対戦することになりました。

1本目は12分7秒、長州がサソリ固めでサンタナからギブアップを奪い、2本目は僅か58秒、アンドレが長州をジャイアント・プレスから体固め、決勝の3本目は5分29秒、チャボが藤波からリングアウト勝ちし2−1でアンドレ&チャボ&サンタナ組が勝利を飾りました。

ルスカは直接勝敗には絡んではいませんが、動きはもたついており、6人の中では1人浮いた存在で藤波&長州に負担を強いることになってしまいました。

セミファイナルは決勝リーグ戦45分1本勝負、この日から参加のダスティ・ローデスとスタン・ハンセンの夢の対決。ハンセンのブルファイトにローデスもバイオニック・エルボー、パンチで応戦、場外乱闘となりハンセンはエプロン際でローデスの一瞬の隙を突いてのショートレンジのウェスタン・ラリアート一撃、エプロンでダウンしたローデス、10カウントが数えられて5分45秒、ハンセンがリングアウト勝ち。

両者リングアウトに終わるかと予想していましたが、リングアウトながら決着がついたことに驚かされました。ハンセンの怪物化はとどまるところを知りません。ハンセンは4点、ローデスは0点。

セミ前、テレビ生中継の番組の冒頭はストロング小林とテレビ初登場となったハルク・ホーガンのシングルマッチ30分1本勝負。ホーガンは白のタイツに七色のマントを羽織り、マネージャーにはフレッド・ブラッシーがついています。

ホーガンはS小林をボディスラムで抱え上げて倒しギロチンドロップを叩き込んでから再び持ち上げてカリフォルニア・クラッシュ(オクラホマ・スタンピード)、一気にフォールしカウント3。3分38秒、片エビ固めでS小林を倒してしまいました。

S小林はホーガン相手の「ジョバー」になってしまいました。S小林の死去が発表された直後に配信された2022年1月7日配信の「文春オンライン」に当時を振り返る故人のコメントが記載されていますので、引用してみたいと思います。

『小林さんの気持ちが切れたのは1980年、「超人」ハルク・ホーガンのテレビマッチの日本デビュー戦の相手をつとめたときのことである。小林さんはまったく自分の技を出せず一方的に攻められ、わずか4分足らずで3カウントを聞くことになった。

「確かに彼はアメリカで売り出し中の選手であったけれど、当時はまだプロレスを知らないグリーンボーイですよ。新日本からも何の説明もなくて、ああ、これがいまの自分の置かれた現実なんだなと思いました。もちろん、腰を痛めていたこともあって精彩を欠いていたのは自分でも分かっていました。でも、どうしても割り切れないところがあったんですね」

 圧倒的な勝利を飾ったホーガンは、たちまち新日本のリングにおけるトップ外国人選手となり、1982年には映画『ロッキー3』にも出演。アメリカンドリームを体現した。考えようによっては、ホーガンを格上げするには相手にも相応の「格」が必要であり、当時の新日本が小林さんを低く評価していたとは必ずしも言い切れないが、3分で試合終了となったことは「国際の元エース」の尊厳を深く傷つける格好となった。』

今でこそ「ジョバーは実力がないと出来ない」というのは浸透していますが、当時は「S小林は弱い」としか観客、テレビ視聴者には伝わらなかったことでしょう。

WWFからの大切な「預かり者」であるホーガンのファーストインパクトを強烈なものにする為には木村健吾、星野勘太郎、木戸修あたりでは足りず、さらに翌週5月23日の宮城県迫(はさま)町体育館からのテレビ生中継では猪木とホーガンのシングルマッチが組まれていたところを見ると、新日本プロレス上位陣の中でタイトルホルダーではないS小林が相手に選ばれたのはまぁ仕方なし、と言ったところです。

この日の刈谷大会生中継は上記3試合が放送されました。ローデスvsハンセンはテレ朝チャンネル「ワールドプロレスリングクラシックス」にアーカイブがあります。

坂口征二はバッドニュース・アレンを4分34秒、片エビ固めで破り、星野と剛竜馬は5分12秒、両者リングアウトの引き分け。木戸は木村健を11分14秒、エビ固めで破りました。

なお、予選トーナメント敗退のジョニー・パワーズとスティーブ・トラビスは5月14日の橿原大会を最後に帰国しています。

第19戦、5月17日、静岡県焼津市スケートセンター(観衆4,500人超満員発表)大会。S小林はメインイベントに出場、坂口&藤波とのトリオでローデス&ホーガン&サンタナ組と6人タッグマッチで対戦。1本目は12分32秒、両チームリングアウトで1−1、決勝の2本目は4分25秒、藤波がサンタナを回転エビ固めで降し、坂口&藤波&S小林組が2−1で勝利を飾りました。

ローデスとホーガンがタッグを組んでいるのも貴重です。

午前中に東京で治療を受けた猪木は直接会場入りし強行出場、セミファイナルで長州との決勝リーグ戦45分1本勝負を行い、5分7秒、首固めでフォール勝ちし5点、長州は0点。

その他の決勝リーグ戦はアンドレが剛を2分23秒、体固めで破り5点、剛は0点。ハンセンはチャボを3分50秒、体固めで降して9点、チャボは0点。

ルスカ&星野組vs木村健&永源組のタッグマッチ30分1本勝負は12分6秒、ルスカがアルゼンチン・バックブリーカーで木村健をギブアップさせてルスカ&星野組の勝利。アレンは木戸に9分31秒、体固めでフォール勝ちしました。

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