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2024年02月15日07:24

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週プロ流智美あの日あの時予想2023年総括(38)

第307戦、9月20日発売号●【予想】仲間割れしたシンと上田が一騎討ち、タイガー・ジェット・シンvs上田馬之助(78年9月19日新日本プロレス大阪府立体育会館)【正解】全日本プロレス中継が意外なカードでスタート、馬場vsザ・シーク(72年ハワイ・ホノルル・インターナショナルセンター)

【参考】2017年9月20日発売号は22歳の新鋭・アニマル浜口が待望のデビュー!浜口平吾デビュー戦vs本郷清吉(本郷篤、肥後宗典、72年国際プロレス岡山県高梁市民会館)

2017年9月20日発売号、第3戦の予想●豊登、伏魔殿WWAの罠に落ち伏兵ルークに敗れる、WWA世界ヘビー級選手権試合、豊登vsルーク・グラハム(65年ロサンゼルス・オリンピック・オーデトリアム)※対戦成績は3戦3敗。

【予想解説】78年の「ゴールデン・ファイト・シリーズ」中に起きたシンと上田の「凶悪コンビ」の仲間割れ。

事の発端はこの年の6月にアメリカ、メキシコ武者修行に出た木村健吾がロサンゼルスでパク・チューのリングネームでヒールとなり、アメリカではプロフェッサー・イトウを名乗る上田とタッグを組んだことにシンが不信感を抱いたのが始まりでした。

シンは「何だウエダは、イノキのところのボーイと組んで…裏切るつもりか!」と不快感を顕にしました。上田は「プロはプロモーターに言われれば、誰とでも組む」と反論。

8月25日、長岡市厚生会館での開幕戦でシン&上田組は猪木&坂口征二組の黄金コンビと対戦しましたが、チームワークの乱れから同士討ちを繰り返し早くも不協和音が流れました。

9月1日、福島県会津体育館での猪木&藤波辰巳&ストロング小林組とシン&上田組にシンの子分格として初来日したジンバ・カーンを加えての6人タッグマッチ。2本目、藤波の逆さ押さえ込みでフォール負けしたZカーンに対して、上田は「このうすのろっ!」とばかり、蹴りを入れました。

子分に手を出されたシンはサーベルで上田を殴りつけ、ついに仲間割れ。シリーズ第25戦、9月19日、大阪府立体育会館でシンvs上田の一騎討ちが実現。個の喧嘩マッチを一目観ようと当日券が飛ぶように売れ、チケットは全て売り切れとなり観客発表は9,500人超満員札止め発表。

定員6,000人の旧府立ですが、この時が一番入っていたと言われ、他に日本プロレス69年12月2日のドリー・ファンク・ジュニアvs猪木のNWA世界ヘビー級選手権試合、81年12月10日、「第2回MSGタッグ・リーグ戦」優勝決定戦、猪木&藤波組vsアンドレ・ザ・ジャイアント&レネ・グレイ組他が10,000人の発表ではありますが、実数ではこのシンvs上田戦の時が旧府立の大入り記録ということです。
 
この試合は集英社から発売されたDVDマガジン「燃えろ新日本プロレス」に収録されており、またテレ朝チャンネル「ワールドプロレスリングクラシックス」にも収録されていますので、当時の映像を見ながら簡単に振り返りたいと思います。本日記では「シンvs上田」という表記ですが、テレビ朝日のテロップでは「上田馬之助対タイガー・ジェット・シン」となっています。

特別レフェリーとして猪木入場、おなじみの赤のライオンマークの半袖Tシャツに白のスボン、猪木はこの日は試合には出ず。モハメド・アリ戦の前の猪木だったら、セミ前あたりで軽くシングルマッチをこなしてからレフェリーを務めたように思いますが…。

先に入場してきたのが上田、黄色い法被を羽織り手には黒い袋を持って入場、試合前にシンのサーベルに対抗して日本刀を持ってくると言っていた上田。袋の中身は日本刀なのか?

続いてシンが入場。いつものようにサーベルを持っている。セコンドにはZカーン、ピート・ロバーツがついています。エプロンに上がってきたシンに「サーベルを持ち込むな!」と猪木が注意すると、シンが猪木のボディにトーキック!リングに上がったシンと上田が早くもやり合う。慌ててセコンド陣が止めに入ります。花束贈呈の女性たちはリング下に避難。

星野勘太郎が上田の日本刀らしきものを取り上げました。シンのサーベルは、セコンドのZカーンがリング下に隠しました。倍賞鉄夫リングアナが両者のコールをしようとすると、シンが倍賞リングアナのボディにキック!

シンと上田が早くも小競り合い、セレモニーは必要ないということか。上田を山本小鉄らセコンド陣がコーナーに押しやり、シンはZカーン、Pロバーツら外国人レスラーが押さえて、立ち上がった倍賞 リングアナが何とか両者のコール。

猪木が睨みを効かせる中、サブレフェリーのミスター高橋が両者のボディチェックを行う。セコンドと高橋レフェリーがリングを下りて、ようやく試合開始のゴングが鳴りました。

シンは軽快なフットワークからパンチ、キックを浴びせ、上田が倒れるとストンピングのラッシュからコブラクロー、位置はロープ際だが構わずで頸動脈を絞め続けます。

猪木が「ブレイク!ワン、ツー、スリー、フォー!」と反則5カウントを数え始めましたが、シンは言うことを聞かず、猪木はシンの頭部にナックルパートを入れました。猪木流のレフェリングか?シンが上田の顔面を掻きむしり、猪木は「ワン、ツー、スリー、フォー!」と再び反則カウントを数え、離さないとみるやシンの頭部へストンピング制裁。

これはさしものシンもたまらずダウンすると、攻守逆転しすかさず上田がストンピング連打からチョーク攻撃、今度は猪木が上田に「ワン、ツー、スリー、フォー!」と反則カウントを数えキックを一撃。

上田が怒った。「何すんだてめぇ!」と文句を言うと、猪木が「何だこの野郎っ!」と上田の顔面に張り手を見舞いました。まさに最強レフェリー。

シンと上田はリング中央で睨み合い、猪木は「ファイト!」と両者に促しました。シンが、上田のボディにトーキック、顔面パンチ、ダウンする上田にコブラクロー。

シンのコブラクローに上田が苦悶の表情で暴れる。チョークに入っているか。リング下から高橋サブレフェリーも身を乗り出してチェック、上田はロープエスケープ。猪木が両者の間に割って入り強引に身体を引き離してブレイク。

シンはパンチ、キックの連打、上田は場外に転落。シンは本部席の机を持ち上げて上田の背中を殴打。

両者リング内へ。上田がお返しの急所攻撃、シンはダウン。そこへ上田がチョークで頸動脈を絞め上げます。猪木は「チョークだ!」と言うと上田が「チョークじゃない」と反論するも猪木が「ワン、ツー、スリー、フォー!」反則カウントを数えると上田は素直にブレイクに応じました。

ここで攻守逆転、今度はシンが上田にパンチ連打からコブラクロー、上田は足をロープに掛けてエスケープ。猪木が「ブレイク!」と怒鳴った後に反則カウントをし、それでも離さないシンにキックを見舞うが、シンはお構いなしでコブラクロー攻撃。

業を煮やした猪木がシンの頭部ににキックを見舞うもシンはコブラクローで絞め続けますが猪木に蹴られて隙が生じました。そこへ上田が目潰し、シンは両眼を押さえダウン。上田がタイツに隠し持っていた凶器を取り出して、シンを凶器で殴っていきました。

猪木は止めに入り、反則カウントを入れますが上田は聞く耳を持たず。猪木は力で上田から凶器を取り上げにかかりました。すかさずエプロンにいた高橋サブレフェリーが凶器を取り上げました。上田は怒って猪木に張り手を一撃、猪木は怒りの形相で張り返してからアリキック、「てめぇ、やんのかこの野郎っ!」と拳を握りレフェリーが臨戦態勢。

猪木に気を取られている間に蘇生したシンが上田にキックから目潰しのお返し、眼を押さえてダウンする上田にシンもタイツから凶器を出し、上田に凶器攻撃で報復。シンはすぐに凶器をタイツにしまい込み、上田をロープに飛ばしてボディにカウンターのトーキック、コーナーマットを外して剥き出しになっ金具に上田の額を叩きつけました。

猪木は金具を背にして仁王立ち、身体を張ってこれを阻止。上田がシンを蹴り上げてから、場外に投げ捨て。再び場外乱闘。今度は上田が本部席の机でシンの脳天を殴打、シンは下から蹴り上げてダウンした上田の顔面を椅子攻撃。先にリングに戻ったシンが、エプロンに上がる上田の顔面に噛みつき。シンは上田にパンチからコブラクロー。上田をコーナーに詰めて追撃。

猪木は「ブレイク」と両者の間に入って分けようとする猪木に対しシンがパンチ。ついにシンは猪木に襲いかかりました。シンが猪木の頭部にパンチ連打、たまらず腰からダウンした猪木にストンピングの嵐。

ここでシンが上田に「猪木をやれ!」というポーズ。すると敵対していたはずの上田が猪木にキック、セコンドの坂口がリング下から静止に入りますが、シンは坂口にも蹴りを入れていきます。

上田が猪木の左腕をロープを利して折り曲げる。高橋サブレフェリーがリングに上りこれを止めにいきました。

シンのセコンド、Zカーンがシンにサーベルを渡しました。シンはサーベルを手にしてゆっくり背後から上田に歩み寄り、上田の脳天をサーベルの柄で一撃、上田はフラフラと場外に転落。これを追ってシンも場外へ降りて、上田の額をサーベルの柄で殴りつけてからリングへ。リングに上がったシンが、ダウンしている猪木の左腕をサーベルの柄で何度も攻撃。

猪木のピンチを見兼ねた藤波がリングに飛び込んできてシンに張り手の連発からドロップキック、シンはリング上でダウンしてサーベルを投げ出してしまいました。

猪木はシンのサーベルを奪いました。慌てて場外に避難しますが、猪木はリングを下りて場外ヘ追いかけていき、シンの脳天をサーベルの柄で殴りつけ鬱憤晴らしの大暴れ。逃げるシンを、サーベルを持って追いかける猪木。

上田も流石に日本刀は剥き身で持って来る訳にはいかず竹刀を持ってリングに上がる。リング上では上田が竹刀で藤波を叩きまくる。止める坂口にも竹刀で一撃、上田のバックに回った藤波が上田を羽交い絞めにし上田から竹刀を奪った坂口が脳天に「お面一本」!

リングを下りて退場し始めた上田を藤波が追いかけて竹刀で脳天を一撃、上田が逃げる。藤波は竹刀を持って追いかける。新日本プロレス軍団も普段上田に竹刀で年中叩かれており、溜飲を下げる大暴れ、大阪のファンは「やれ、やれっ!」と大歓声.

猪木が場外から戻って来て試合終了のゴングをようせい、14分45秒、シンの反則負けの裁定が下りました。先にサーベルを持ち出して猪木レフェリーに暴行を加えたのは明らかで当然の結果と言えます。

ですが、ヒールにとって反則負けは負けではありません。シンはにヒールとして上田以上のインパクトを残したと言ってよく、シンの「優勢勝ち」だったと言えるでしょう。

【正解解説】72年7月29日、午後2時、日本プロレスのエースであった馬場は、日本プロレスリング興業株式会社、及び日本プロレス選手会へ役員、所属選手としての辞表を提出。

同日午後6時から東京・赤坂プリンスホテル「有明の間」で記者会見を行い、「今年の4月以来、会社の方針としてやむを得ず、NETテレビに出演する事になりましたが、これは自分自身にとって極めて不本意な事でした。自分は日本テレビに恩義を感じていますし、力道山先生と正力松太郎氏との縁もあります。そうした関係でどうしても日本テレビとの絆を断ち難く、日本プロレスから独立する事にしました。」と声明文を読み上げ、日本プロレスからの独立を宣言しました。

また、今後について記者の質問に答え「新しい組織を作り、日本テレビさんの協力をいただいて、再び日本テレビのブラウン管にのりたいと考えています。」と発言。

7月31日、日本テレビで行われた放送記者会で松根光雄運動部長が「10月からプロレス中継を予定している。主役は馬場で、土曜日夜8時〜9時のゴールデンタイムで、という方向で進んでいる」と表明しています。

8月14日午後、東京・渋谷区代官山の日本プロレス事務所内で芳の里淳三(長谷川淳三)社長と馬場の会談が行われたが、日本プロレス側から馬場を引き留めるための具体的な提案がなく、10分程度の話し合いで馬場は会社を後にしました。

8月18日日本プロレス「第1次サマー・ビッグ・シリーズ」が宮城・石巻市民総合グラウンド大会で終了し馬場は大木金太郎と組んでジート&ベポ(後のニコリ・ボルコフ)のザ・モンゴルズを2−0で撃破、これが馬場の日本プロレス最後の試合。

8月24日、22日に平井義一日本プロレス協会会長(元衆議院議員)から提示された調停案に対し、24日午後馬場は平井会長宅を訪れ拒否する事を伝達同夜、馬場は新団体設立に向けての準備のため渡米しました。。

8月31日に帰国した馬場は、9月1日、日本プロレスリング・コミッショナーにインターナショナル王座のベルトを返上を伝え、翌2日代官山の日本プロレスで行われた記者会見で、馬場は正式にインター王座を返上を発表これで馬場は日本プロレスから離れ、本格的に新団体設立へ動き出しました。

9月9日午後2時から赤坂プリンスホテル「有明の間」で記者会見を行い新団体「全日本プロレス」の設立を発表。

新法人は全日本プロ・レスリング株式会社、代表取締役 馬場正平、資本金4,000万円、本店所在地は東京都港区六本木7丁目3番12号。

旗揚げ前夜祭を10月21日町田市体育館、旗揚げ戦を10月22日、日大講堂で行い、シリーズは3週間15試合を行う予定。外人選手は交渉中で後日発表。日本選手は馬場、大熊元司、マシオ駒、轡田友継(サムソン・クツワダ)、佐藤昭夫の5人が決定しています。

日本テレビでは、10月7日から「全日本プロレス中継」の放送を開始。7日と14日は海外の馬場の試合を放送し、21日から本格的に試合中継をスタートさせると発表。

9月10日、ジャイアント馬場は、外人選手との契約の為渡米。17日に帰国したジャイアント馬場は18日午後、赤坂プリンスホテル「有明の間」で記者会見を行い、「旗揚げジャイアント・シリーズ」の日程、参加外国人選手と所属選手を発表しています。

シリーズ参加外国人はブルーノ・サンマルチノ、テリー・ファンク、フレッド・ブラッシー、ドン・デヌーチ、ダッチ・サベージ、ジェリー・コザック、シリーズ終盤戦には全日本プロレスの外国人ブッカーに就任したドリー・ファンク・シニアがテリーと入れ替わりで特別参加。

日本側所属選手は9日に発表された5名に、国際プロレスから移籍が決定したサンダー杉山、元日本プロレスの藤井誠之が加わり7名となりました。(後日、日本プロレスを辞めていた百田光雄も加わる)

会見に同席した国際プロレス吉原功社長は「杉山は円満退社による移籍。要請があれば、シリーズ毎に国際プロレスの若手選手を貸し出す。」と発言。馬場も「国際プロレスさんとは、今後も交流を深めていきたい。」と語りました。

馬場は会見後、日本テレビの「全日本プロレス中継」用の試合収録とプロモーター、レスラーへ旗揚げに向けての協力要請の為、日本テレビの原章ディレクター、清水一郎アナウンサーら日本テレビのスタッフと共にハワイに向け出発。

9月20日、ハワイ・ホノルル・インターナショナルセンターで馬場は9月6、7の2日間、日本プロレスに初来日し、帰国したばかりのザ・シークとシングルマッチ時間無制限1本勝負で対戦。

シークがロープ際で馬場の額に噛みつき攻撃。馬場が場外に逃げシークが追いかけ場外戦に。場外でシークが投げた机をリングに立てかけた馬場は、シークを捕まえ机へ3度激突させたが、その間にカウントが数えられ11分40秒両者リングアウトの引き分けとなりました。

全日本プロレスの旗揚げ前夜祭は10月21日、日本テレビの「全日本プロレス中継」は10月7日から毎週土曜日午後8時より放送開始。ハワイでの馬場vsシーク戦は7日の初回放送でオンエアされています。

第2週の14日はテキサス州アマリロのテレビスタジオに設置されたリングで全身赤コスチュームのマスクマン、ザ・プロフェッショナルを破っていますが、プロフェッショナルの正体は独特の動き方からハーリー・レイスだとバレてしまいました。レイスの両腕の刺青を隠す為にコスチューム姿にしたとの事です。

当時はまだ日本プロレスの芳の里社長、遠藤幸吉取締役がNWAのメンバーであり、NWAのメインテリトリーで活躍するレイスが日本テレビの画面に登場してはまずかろうドリー・シニアが配慮したものでした。

※対戦成績は307戦54勝253敗、勝率175。
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