80年新日本プロレス「新春黄金シリーズ」第30戦は2月7日、大阪府立体育会館(テレビ収録、観衆7,200人満員発表)大会。
メインイベントは坂口征二&長州力組の北米タッグ王座にバッドニュース・アレン&マサ齋藤組が挑戦した61分3本勝負。
当初はロッキー・ジョンソンがアレンと組んで挑戦する予定でしたが、2月5日名古屋大会でスタン・ハンセンのウェスタン・ラリアートの誤爆により場外の鉄柱に後頭部を強打、翌6日の安城大会を欠場していましたが、回復せず途中帰国となりM齋藤にパートナーが変更されました。
M齋藤はタイガー・ジェット・シン、グレッグ・バレンタインとパートナーを変えて3回連続の同王座挑戦。1本目は9分37秒、日本組の反則勝ち、2本目は3分12秒、アレンが長州を体固め、決勝の3本目は3分31秒、長州がアレンを体固めで破り、2−1で坂口&長州組が6度目の防衛を果たしています。
セミファイナルはタイトル戦本番を翌日に控えた猪木とハンセンのノンタイトル戦でのシングルマッチ60分1本勝負。猪木は1月25日の岡山大会でも見せた足4の字固めを出しましたが、ハンセンにダメージは与えられず、12分40秒、両者リングアウトの引き分け。
大阪大会は2月22日放送の「ワールドプロレスリング」で録画中継され、メインとセミの2試合が放送されています。
セミ前が2日前の名古屋でWWFジュニア・ヘビー級王座を賭けて対戦した藤波辰巳とダイナマイト・キッドがノンタイトルのシングルマッチ45分1本勝負で対戦し10分6秒、藤波が名古屋と同じくフィニッシュのジャパニーズ・レッグロール・クラッチホールド(回転足折り固め)でフォール勝ち。しかしキッドは「負けても商品価値が下がらない」どころか上がっていくレスラーになって来ていました。
ストロング小林はスティーブ・カーンとシングルマッチで対戦、7分4秒、後方回転エビ固め(公式決まり手は逆回転エビ固め)でフォール負け。ウィリエム・ルスカ&木戸修組vs星野勘太郎&平田淳二組のタッグマッチは12分16秒、木戸が平田を体固め。
スキップ・ヤングは荒川真を10分37秒、片エビ固めで破り、木村健吾はジョージ高野に7分36秒、体固めでフォール勝ちしています。
シリーズ最終戦、2月8日、東京体育館(テレビ生中継、観衆6,200人発表)大会。メインイベントは猪木にハンセンが挑戦したNWFヘビー級選手権試合61分1本勝負。私はこの興行は会場で生観戦しています。
東京体育館大会は午後6時試合開始、東京体育館は午後9時以降の興行開催ができません。よってテレビ生中継開始と同時にメインイベントが始まっています。
ハンセンのラリアートで首を痛めている猪木。試合前、猪木の握手をハンセンは手を上にあげて拒否。観客席後方には2月27日、蔵前国技館で猪木と対戦する極真空手のウィリー・ウイリアムスの姿が。猪木を視察に来たようです。
試合開始のゴング、猪木がハンセンの腕を取る。ハンセンはロープに飛ばしましたが返ってきた猪木はショルダータックル、さらにハンセンの巨体をボディスラムで叩きつけ、アームホイップからアームロックと先手を取っていきます。
ハンセンは背後から猪木の脳天にエルボー、さらに首筋にもエルボー、首を痛めている猪木にはきつい荒技だ。堪らず場外にエスケープ。
リングインした猪木が張り手、ハンセンも張り返すが大振りの為ダメージが小さい、さらに猪木が張り手、的確にヒット、これは効いています。
ハンセンが強引にフルネルソン。猪木は技を外した瞬間に綺麗なカンガルーキック。「来いこの野郎っ!」猪木がアピール、ハンセンはキック。さらに猪木の背中にパンチを連打、素早く体勢を入れ換えた猪木は張り手、足を取りに来たハンセンに猪木はナックルパートの連打!
猪木はスライディング・レッグシザースからダブル・レッグロック。両足を決めながら肘でハンセンの背中を押し、すかさず右足を差し込んで立ち上がると、十八番のリバース・インディアンデスロック、ハンセンはロープエスケープ。
ハンセンが猪木をロープに飛ばしてカウンターのエルボー、さらにボディスラムにいこうとしましたが猪木は首固めに丸め込みます。カウント2。
猪木はハンセンの左腕を取ってから足を取ってテイクダウンを奪いにいきましたがハンセンはパワーで切り返してやらせず。ハンセンのジャンピング・エルボードロップは猪木がかわし自爆、猪木はサイドヘッドロックからネックロックに以降、首投げでハンセンを投げてからのスリーパーホールド。またもやハンセンがパワーで返してロープブレイク。
ハンセンが猪木の胸板にパンチの連打。猪木は下からキックで応戦、イラッときたハンセンがチョーク攻撃、レフェリーのミスター高橋がハンセンを止めに入るも猪木のボディにパンチ。怒った猪木はハンセンの額にナックルパートの鉄拳制裁、しかしハンセンは怯まない、猪木のボディにニーを入れると堪らずダウンした猪木にストンピングの追い討ち。猪木がラフファイトを仕掛けてもハンセンはパワーで優勢に立っています。
「テメェ!」怒る猪木ですが、ハンセンは猪木をモンキーフリップで投げ付け、これもまた、痛めているボディにエルボードロップ、フォールにいきますがカウント2。
今度はハンセンが猪木にスリーパーホールド。立ち上がって首筋にエルボーを叩き込みスリーパーを続けます。猪木の背中にニー、さらにストンピング! 一発一発が重い。猪木はリバース・フルネルソンからダブルアームスープレックス狙いにいきますが、ハンセンは猪木のボディにニーを連発して投げさせず。
パワーは28歳のハンセンが36歳の猪木を凌駕、攻撃が止まらないハンセンがキック、首筋にエルボー、顔面にニーと怒濤の攻撃、ダウンする猪木にニードロップ2連発からカバー、カウント2で返すも猪木ピンチ、まさに「ブレーキの壊れたダンプカー」だ!
ハンセンは猪木をコーナーに叩きつけます。猪木は突っ込んで来たハンセンにトップロープを両手で摑んでの両足キックからドロップキック。
猪木はブレーンバスター狙い、ハンセンは腰を落として防御。ハンセンは猪木の顔面をマットに叩きつけていきます。ハンセンが猪木の胸板にニーの連発から猪木を持ち上げてドリルアホール・パイルドライバーを狙い、これを食らうと危ない!猪木はリバーススープレックスで切り返し。
猪木は至近距離からのドロップキック、ハンセンをロープに飛ばしての卍固め、決まった!大歓声が沸き上がる東京体育館。しかし、次の瞬間、悪夢が…ハンセンは卍固めを掛けられながら背筋の力で体勢を起こしてバックフリップで外してしまいました。
猪木に卍固めを決められて、ロープに逃れたレスラーはいますが、卍固めを力で外してみせたのはスタハンセンが初です。場内騒然、ハンセンが猪木をロープに飛ばしてウエスタンラリアート、カバーの体勢。猪木がカウント2で返しました。
ハンセンはダウンした猪木にロープに飛んでのフライング・ボディプレス、これは猪木がかわしてドロップキック、ハンセンが場外に転落。
観客席からは「イノキコール」が湧く。ハンセンは場外から猪木の脚を引っ張って転倒させると場外乱闘ヘ引っ張り込みます。ハンセンは場外でカナディアンバックブリーカー、猪木はコーナーの鉄柱を蹴ってのリバーススープレックス。両者ダウン、しかしタフなハンセンは先にリングに上がりました。猪木もエプロンに上がる。
ハンセンがロープ越しのブレンバスター、これを猪木かわしてバックに廻ってのバックドロップからフォールにいきましたがハンセンがカウント2で返しました。
猪木はハンセンにボディスラム、コーナーポスト最上段に登りフライング・ニードロップ狙い、しかしハンセンは素早く立ちあがると猪木のボディに痛烈なボディブロー、猪木はコーナーポストから場外に転落。
高橋レフェリーの場外カウントが数えられる。猪木がエプロンに上がったその瞬間、ハンセンが突進してウェスタンラリアート一閃!まともに喰らった猪木は場外でダウン、高橋のカウントが進む。猪木が起き上がりリングに生還しようとしましたが、カウント20。17分12秒、ハンセンのリングアウト勝ちでベルト移動、猪木は28度目の防衛に失敗、ハンセンが第18代王者になりました。
リング下にいた参謀のM齋藤を初め、Sカーン、アレンら外国人勢がリングに上がってハンセンを祝福。チャンピオンベルトを逆さまに巻いたハンセンは「ウィーッ!」(後日、実は「ユース!」と言っていたとのこと)とロングホーンを突き上げて勝利の雄叫びをあげました。猪木、ウィリー戦を19日後に控え、ハンセンに惨敗を喫してしまいました。(この項続く)
※観戦チケットをアップ致しました。
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