豪華な外国人メンバーを集めた79年新日本プロレス「闘魂シリーズ」も12月6日、蔵前国技館(テレビ収録、観衆9,500人発表)大会が最終戦。
メインイベントは新WWFヘビー級王者猪木が前王者ボブ・バックランドのリターンマッチを受けた初防衛戦61分1本勝負。猪木のWWF王座の初防衛戦ながら満員マークはつかず、この辺が興行の難しい部分ですが、満員にならなかった理由としては両者の同タイトル戦がこの2年間で5回目であること。
日本プロレス時代、新日本プロレス初期とは違い、打撃技を駆使した格闘技戦スタイルの試合に変節していった猪木と正統派外国人レスラーとは必ずしも名勝負にはならないことなどがあると思います。
レフェリーは11月30日、徳島市立体育館での初戦のレッドシューズ・ドゥーガンに代わりミスター高橋。
新日本プロレスは力道山時代からの慣わしで大物政治家がリングに上がり立会人を務めることが多かったです。秋田大助、内閣総理大臣就任前の森喜朗、福田宏一など過去にリングに上がり観客に挨拶しています。この年の二階堂進コミッショナー就任もその流れでしょう。
この日は超大物、前内閣総理大臣である福田赳夫がリングに上がり観客に挨拶していました。
試合開始のゴング、猪木はアームロック、フェイスロックからグラウンドに移行してのレッグロックとスピーディーな流れるような攻撃で試合の主導権を握っていきます。
猪木はコブラツイストにいきますがバックランドは上体を起こして両腕をフックさせず、強引な腰投げでこれを防御。
反撃に出たバックランドはレッグロックからトーホールド。これを猪木が切り返してのヘッドロック。バックランドがロープに飛ばそうとしますが猪木はヘッドロックを離さず。執拗なヘッドロック攻撃から首投げで投げてからの首4の字固め、猪木の脚部は柔軟かつ細い。なのでバックランドの首にグイグイと食い込んでいきます。
バックランドは力で技を振り解きましたが、猪木は飛びついての巴投げから上になってのエビ固め、バックランドは両足をコジ入れて切り返してのエビ固めの応酬、見ごたえのある攻防。
猪木が再度ヘッドロックを取りにいくとバックランドが猪木を軽々と抱え上げ、ハイアングルでの足抱え式バックドロップ、猪木は後頭部をしたたかに打ち付けてダウン、技を掛けたバックランドもダウン。先に起きたバックランドがフォールにいきますが猪木はカウント2。
猪木はリバース・フルネルソンからのダブルアームスープレックス狙い、バックランドは腰を落としてジリジリとロープへ。離れ際猪木は4月3日、福岡スポーツセンターでのレフトフック・デイトン戦で見せたヘッドバット、不意を突かれたバックランドはもんどり打って場外に転落。
フラフラとエプロンに上がるバックランドに猪木がロープ越しのブレーンバスター狙い、バックランドは逆に猪木を高々と上げてブレーンバスターで場外へ放り投げようとします。このあたりは前週の徳島でも見られた攻防ですが競い勝った猪木がブレーンバスターでバックランドをリング内に叩きつけるのに成功。
すかさずコーナーポスト最上段に昇った猪木はトップロープからのフライング・ニードロップはバックランドがよけて自爆。猪木は弱点の膝をマットにぶつけてダウン、バックランドもブレーンバスターのダメージが残ったかダウン。猪木がフォールに入りましたがカウント2。
バックランドは猪木のボディに強烈なヘッドバット、さらに横抱きにしてのサイドスープレックスからフォール、猪木はカウント2で返します。
さらにドリルアホール・パイルドライバー狙いバックランドを猪木はリバース・スープレックスで返しました。下になったバックランドは猪木の身体をグリップ、そのままブリッジして起き上がり、クルッと体勢を入れ換えての逆さ押さえ込み、これは押さえが甘く、猪木がカウント2でクリア。
猪木が場外にエスケープ。脇腹を押さえています。先程のバックランドのサイド・スープレックスで痛めたか?、一呼吸置いてからリングインし不用意に近づいて来たバックランドに猪木はドロップキックの2連発、カバーに入りましたが、バックランドはカウント2。
猪木はロープに飛ばしてからのコブラツイスト、しかしバックランドは強引に技を外してリバース・フルネルソンから強烈なダブルアームスープレックス一発、猪木の身体が、背中からマットに叩きつけられました。
20分経過。猪木は足を取るがバックランドがキックで倒す、それでも猪木がしつこく足取り、バックランドがキックで返しての応酬が続きました。諦めない猪木はついに足をを捕らえての足4の字固め。バックランドは苦悶の表情でこれを耐えます。
若さに優るバックランドは体勢を入れ換えて両者うつ伏せ、逆4の字固めで切り返し、「効いてないぜ」と言わんばかりの腕立て伏せからサードロープに手を伸ばしてロープブレイク。
両者リング中央でスタンドの攻防、猪木はアリキックの連発、バックランドはボディスラムで猪木を持ち上げますが、猪木はアバランシュホールド気味に体重を乗せて浴びせ倒して上になりカウント2。
猪木はバックを取ってフルネルソン。バックランドはぶっこ抜く感じで投げ捨てる。猪木はベアハッグの体勢から初公開のフロント・スープレックス、しかしこれは綺麗に反ることが出来ず、投げが不完全、フォールにいきますがカウント2。
猪木はヘッドバットの連発、これは効いている…バックランドはダウンして猪木がカバーに入るもバックランドはカウント2で返すと勢いで猪木が場外まで吹っ飛びました。バックランドのパワーは凄いが、ここは猪木がポーンと飛んで見せ場を作ったか?
猪木がリングに上がろうとすると四つん這いのバックランドが思い切り猪木にヘッドバット、ディック・スレーターがよく見せるムーブです。両者リング上、バックランドが「地殻を貫く」強烈なジャンピング・ドリルアホール・パイルドライバー、カウント2.9で猪木がギリギリ肩を上げました。バックランドの技は一つ一つが重たく、エグいです。
ここで25分経過。バックランドは猪木を抱え上げてカナディアン・バックブリーカーも猪木がコーナーを蹴って反転してからのリバース・スープレックスからフォールの体勢へ、カウント2でバックランドはこれをクリア。
何故か、猪木がキーロック。バックランドは技をかけられた状態でコーナーポストに乗せました。恐るべきパワー、体力では30歳のバックランドが36歳の猪木を上回りました。
館内が騒然としてきました。前週の徳島に次いでタイガー・ジェット・シンが乱入。欠場中のマサ齋藤と前日の12月5日、古河市立体育館で閉幕した国際プロレスの「デビリッシュ・ファイト・シリーズ」に参戦していた上田馬之助の姿も。
バックランドはここで猪木を場外に放り投げました。シンが猪木に襲いかかる。徳島の時は身体のコンタクトはなかった両者でしたが、今回は猪木がシンに暴行されました。
猪木がエプロンに上がったところ、バックランドはロープ越しに猪木をアトミックドロップの要領で担ぎ上げ、猪木の股間をトップロープに叩きつけました。
猪木はたまらずダウン。そのままバックランドがカバーの体勢。カウント3、バックランドが6日ぶりの王座奪回…。しかしそこへ新間寿WWF会長がリングに上がり、レフェリーの高橋に抗議。
シンの乱入と、最後のバックランドの急所攻撃は反則行為であり3カウントは認められず、ノーコンテストと主張。高橋もカウントは3つ入ったとして譲らず。
バックランドは早々とベルトを手にして、奪い返そうとする永源遙をベルトで殴ろうとします。チャンピオンベルトを腰に巻き、王座奪回をアピールもリング上では口論が続いています。
新間はWWF会長権限で判定をゴリ押し、判定が覆り 27分19秒、没収試合、ノーコンテストとなりました。猪木は現行のまま(初防衛)が認められましたが猪木はこれを潔しとせず、タイトルを返上しました。
観客席からは「インチキ!」という野次が飛び、好試合が台無しになってしまいました。シリーズ最終戦は雰囲気が悪い中、エンディングを迎えることになった訳です。
※観戦チケットをアップ致しました。
ログインしてコメントを確認・投稿する