79年新日本プロレス「闘魂シリーズ」は1日の移動日を経て北海道へ。第5戦は11月1日、札幌中島スポーツセンター(テレビ収録、観衆4.000人発表)大会
メインイベントはNWFヘビー選手権試合61分1本勝負、猪木に元NWA世界ヘビー級王者「アメリカンドリーム」ダスティ・ローデスが挑戦。
ローデスは来日前の8月21日、フロリダ州タンパでハーリー・レイスを破り、第53代NWA世界ヘビー級王者なりましたが、5日後の8月26日、フロリダ州オーランドでレイスのリターンマッチを受けて防衛に失敗し5日天下に終わりました。
詳細は順を追って書いていきますが、ローデスを破って第54代NWA世界ヘビー級王座に3度目の戴冠を果たしたレイスは同時期に開催されていた全日本プロレスの「ジャイアント・シリーズ」に特別参加。
奇しくも前日10月31日、愛知県体育館で馬場がレイスに挑戦、18分29秒、ランニング・ネックブリーカードロップからの体固めでフォール勝ちし約5年ぶりにNWA世界ヘビー級王座を獲得していました。
それだけにファン、マスコミは試合内容もさることながら、猪木がローデスから一本勝ち(フォール、ギブアップによる勝ち)することが期待されていた試合と言っていいでしょう。
ローデスは「カクトウギのテーマ」で入場、オレンジを基調とした豪華絢爛なコスチュームを着用しての入場です。続いて猪木の入場。 ローデスの右肘には赤いサポーター、試合前に握手をしようと手を差し出す猪木ですが、ローデスはこれを拒絶。
試合開始のゴングが鳴るといきなり両者ともロープに飛ぶ。ぶつかり合いは135kgのローデスが有利。ショルダータックルで吹っ飛ばすとボディスラムで猪木をマットに叩きつけ、コーナーマットに飛ばしていきます。
ローデスはコーナーの猪木に突進して古舘伊知郎アナウンサー命名の「ファッショナブル爆弾」バイオニック・エルボーを狙うが猪木がかわす。両者ともスピーディーな攻防を展開。
ローデスは猪木の首をつかんで強引な首投げで投げ捨ててからの、エルボードロップ、は猪木がよける。ローデスはもう一度エルボードロップ、これも猪木がかわしてローデスは自爆の連発。
「よっしゃ!」と闘魂全開の猪木がローデスに向かいますが、ローデスは突然腰振りダンスを見せて猪木の闘志をすかしてそのまま場外にエスケープしています。
ローデスのオーバーアクションでの挑発に、猪木はますますカッカしてしまいます。が、これはローデス一流の駆け引きで、ローデスは隙が生じた猪木の顔面にパンチ、ボディに膝蹴りを連打、ガクッと倒れた猪木の喉元に膝を突き当てて当ててチョーク攻撃。レフェリーのミスター高橋がカウントを入れてローデスを猪木から離そうとすると、ローデスは高橋レフェリーに手を出して抗議モード。
ローデスは猪木をロープに飛ばして顔面にエルボー、 猪木はダウン。ローデスがロープに飛んでジャンピング・エルボードロップは猪木がかわしました。
猪木はショートレンジからのドロップキック、ローデスが場外に転落。ローデスののらりくらりしたペースに怒りモードの猪木はこれを追って場外へ、ローデスの額を鉄柱に叩きつけました。「反則だっ!」ローデスのセコンドについていたペドロ・モラレスは怒って猪木に手を出しました。。ローデスは額から大流血。猪木は4月3日、福岡スポーツセンターでのレフトフック・デイトン戦でみせた秘密兵器のヘッドバットをローデスの割れた額めがけ打ち付けていきます。
攻防はリング上へ、猪木がローデスをロープに飛ばしてカウンターのコブラツイスト。これはローデスが腰投げでクリア。 猪木はショートレンジからのドロップキック、フォールにいきましたがカウント2。
猪木はローデスに突進、そこへローデスが猪木の頭部にカウンターのバイオニックエルボー、そのままフォールの体勢に。ローデスは両脚をロープに掛けて体重を乗せていきます。しかしこれは高橋レフェリーが見ておりカウントは入れません。
カウント3が入ったとばかりローデスは自ら勝利をアピール。リング下のセコンドのモラレスが本部席にあったNWFのベルトを持ってエプロンに上がり、ローデスに渡そうとします。これを見ていた高橋レフェリーがモラレスとローデスからベルトを取り上げにかかりましたが、いくら鍛えているとは言え、プロレスラーの力には敵わず、ローデスは高橋レフェリーを突き飛ばし、高橋はダウン。
ローデスが猪木に背中を見せた瞬間、ローデスのバックに廻った猪木はローデスをロープに押し付けて一回転、ジャパニーズ・レッグロール・クラッチホールド(回転足折り固め)。ブリッジも首を痛めていた近年の猪木ながら綺麗なブリッジでした。
高橋レフェリーはうつ伏せにダウンしたままでカウントが入らない。しびれを切らした猪木が技を解き、高橋レフェリーに詰め寄りましたが、猪木の背後からローデスがスローモーションでダンスを見せながら接近し、バイオニック・エルボー、場外に転落してダウンしている猪木に、ローデスがエルボードロップの連発。ここで試合終了のゴングが要請され17分1秒、猪木の反則勝ちで、25度目の防衛に成功しました。
猪木としてはスッキリ勝ちたかったでしょうが、相手が全米のスーパースター、ローデスではそう簡単にはいきませんでした。
判定に不満の両者は、翌週11月8日、小樽市総合体育館でノンタイトルでの再戦が決定。この試合はWWFヘビー級王座挑戦者決定戦として行われることになりました。
セミファイナルは坂口征二&藤波辰巳組がパット・パターソン&グレッグ・バレンタイン組と対戦したタッグマッチ45分3本勝負。パターソンと坂口は翌週のWWF北米ヘビー級選手権試合の前哨戦となりました。
1本目は12分31秒、坂口がパターソンを体固め、2本目、坂口が外国人コーナーに捕まり、足を徹底的に攻撃されました。パターソンの足4の字固めがガッチリ入りましたが坂口は意地でもギブアップしない。
しかしこれ以上の我慢は危険と判断したレフェリーが試合をストップ、6分30秒、パターソンが坂口にレフェリーストップ勝ち、決勝の3本目は足に大きなダメージを負った坂口が立ち上がれず試合続行不可能となり、無念の試合放棄となり、2−1でパターソン&Gバレンタイン組の勝利。 坂口は前哨戦で手痛いダメージを被りました。
札幌大会は翌11月2日の「ワールドプロレスリング」で録画中継され、セミとメインの2試合が放送されています。
セミ前は長州力とニコリ・ボルコフのシングルマッチ30分1本勝負が行われ、8分14秒、片エビ固めでボルコフのフォール勝ち。
ペドロ・モラレスは星野勘太郎を10分51秒、回転エビ固めで破り、ストロング小林は木戸修に11分3秒、片エビ固めでフォール勝ち。マサ齋藤は木村健吾を7分46秒、体固めで降しています。
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