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2023年10月11日21:36

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ストロング小林さん追悼(531)

一方、新日本プロレスからのブッキングで上田馬之助が参戦した国際プロレス秋の陣「ダイナマイト・シリーズ」では、終盤にAWA世界ヘビー級王者ニック・ボックウィンクル、NWA世界ジュニア・ヘビー級王者ネルソン・ロイヤル、特別レフェリーとしてルー・テーズ、ローラーボール・マーク・ロコ(82年4月からブラック・タイガーとして新日本プロレスにレギュラー参戦)らを招聘しました。

シリーズを通しての参加外国人レスラーはジョー・ルダック、パット&マイクのケリー・ツインズ、チン・リー。

10月5日、後楽園ホールでは特別興行「世界3大タイトルマッチ」(テレビ生中継、観衆2,300人満員発表)が開催されています。私はこの興行は生観戦しています。

大会前に物議を醸したのはロイヤルの保持していたNWA世界ジュニア・ヘビー級王者問題。ロイヤルは前78年4月の全日本プロレス「エキサイト・シリーズ」に同王者として来日、シリーズ最終戦の5月11日、大阪府立体育会館でアル・マドリルを破り王座を防衛。

帰国後、マドリルに1度王座を奪われるも奪回に成功、その後、引退を表明し王座を返上していました。NWA世界ジュニア・ヘビー級王座を管理していたのはオクラホマの盲目のプロモーター、レロイ・マクガークでした。

国際プロレスは10月5日後楽園ホールにおいて、ロイヤルのNWA世界ジュニア・ヘビー級王者に阿修羅・原を挑戦させると発表しましたが、これを受けてNWA会員である全日本プロレスの馬場と新日本プロレスの新間寿営業本部長が、9月27日東京・赤坂のヒルトンホテルで記者会見を行い、現在NWA世界ジュニア・ヘビー級王座は空位となっている為、ロイヤルは王者ではないと公表。国際プロレスに対し、善処を希望する旨の発表を行いました。

新間はさらに「10月には空位となっているNWA世界ジュニア・ヘビー級王座決定トーナメントがオクラホマであるらしいので、是非ともウチの藤波を参加させたい」とちゃっかりアピール。

結局、この話は実現せずこの年の暮れにフロリダのエディ・グラハムが中心になり、ニューヨークのビンス・マクマホン・シニア、ロサンゼルスのマイク・ラベールらが協力してNWAインターナショナル・ジュニア・ヘビー級王座を新設。藤波辰巳はそちらのベルトを狙うことになります。

オクラホマ版NWA世界ジュニア・ヘビー級王座決定トーナメントは翌80年2月に開催されロン・スターがレス・ソントンを破って新王者につきました。

これに対し国際プロレスの吉原功代表は「ロイヤルはチャンピオンということで大剛(鉄之助)と契約している。タイトルマッチは予定通り行う」と馬場、新間のクレームに対し反論。

渦中のロイヤルは10月2日に来日、「私がチャンピオンだ。NWAのボブ・ガイゲル会長の『親書』を持ってきている」とあくまでも王者であると主張しています。ガイゲル会長からすれば「まぁ、日本なんだからそこらへんはうまくやってくれよ」ということなのでしょう。

当日、入場セレモニーに現れたロイヤルはベルトを巻いて入場してきましたが、ロイヤルの巻いてきたベルトはケン・マンテル、ヒロ・マツダ、そしてロイヤル自身が巻いていた白地に「USA」のロゴの入ったお馴染みのモノではなく、茶色の革の台座に金色のプレートを装着した新しいベルトでした。

ロイヤルと原のNWA世界ジュニア・ヘビー級選手権試合は60分1本勝負で行われ、14分45秒、両者カウントアウトの引き分けに終わっています。

マイティ井上&アニマル浜口組の保持するIWA世界タッグ王座には日本プロレス時代所属選手として最後のインターナショナル・タッグ王者チームだった大木金太郎と上田がタッグチームを6年半ぶりに組んで挑戦。(61分3本勝負)

大木は全日本プロレスのリングに上がっていましたがこの日1日だけレンタル参戦。1本目は14分23秒、大木が浜口を体固め、2本目は2分41秒、上田の反則暴走により国際組の反則勝ち、決勝の3本目は2分45秒、大木と上田が同士討ちを繰り返し仲間割れ、控室に帰ってしまい試合放棄となり国際組が勝利。2−1で井上&浜口組が7度目のタイトル防衛を果たしています。

メインイベントはAWA世界ヘビー級王者ニックとIWA世界ヘビー級王者ラッシャー木村のダブル・タイトルマッチ61分1本勝負。特別レフェリーはテーズ。 

試合はR木村が怒涛のラッシング・パワーでニック圧倒、得意の逆エビ固めに捕らえ絞り上げました。位置はロープに近く、ニックはエスケープしたくてもあと少し手が届かない状態。

ギブアップを確認しに来たテーズにニックはうつ伏せのままパンチを浴びせ16分30秒、確信犯の反則負け。ベルトの移動はなく、ニックはAWAを、R木村はIWA3度目の防衛に成功しました。

プロレスマスコミのオピニオンリーダーと言える「東京スポーツ」はロイヤルと原の試合をノンタイトル戦と報じ、タイトルマッチの権威のあり方について一石を投じました。
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