全日本プロレスとの興行戦争ですが、全日本プロレスは新日本プロレスより2週間早く、8月17日、後楽園ホールから「国際児童年、ユニセフ協会協賛ブラック・パワー・シリーズ」が開幕。
ミル・マスカラス、アブドーラ・ザ・ブッチャー、ボボ・ブラジル、カルロス・コロン、アル・コステロ、ラリー・シャープ、ブルーノ・ベッカーの外国人レスラーが参加。他に大木金太郎が外国人ヒールサイドとしてシリーズ全戦参加。
日本側は先の「サマー・アクション・シリーズ」で師匠・大木との訣別を宣言。ベビーターンし全日本プロレスに入団発表したキム・ドクこと戸口正徳が、ファン投票で選ばれた新リングネーム「タイガー戸口」として開幕戦からフル出場。また、高千穂明久、佐藤昭夫がアメリカ遠征から凱旋帰国しています。
今シリーズ、マスカラスは日本陣営より出場。開幕戦の8月17日、後楽園ホール(テレビ収録、観衆2,500人満員発表)大会ではマスカラスは鶴田とタッグを結成、ブッチャー&コロン組と対戦。
1本目はコロンが鶴田をギロチンドロップから体固め、2本目は鶴田がマスカラスとの連係を見せダイビング・ボディアタックでコロンを体固め、決勝の3本目はブッチャーが。マスカラスのマスクを引き裂いて反則負けとなり、2−1で鶴田&マスカラス組が辛勝。
セミファイナルは馬場&戸口組と大木&ブラジル組が対戦、4人中戸口以外はインターナショナル王座に就いた経験の持ち主。(認定団体の日本プロレスは消滅も大木は現王者)
戸口と大木に何らかの遺恨が生じるかに見えましたが、2人は淡々と試合を展開。むしろ何も主張しない大木に哀しさを感じました。試合は両チームリングアウトに終わりました。
凱旋帰国の高千穂&佐藤組はAコステロ&Lシャープ組と対戦、高千穂は髪を伸ばして口髭を生やし、フロリダでのタッグパートナーである新日本プロレスに参戦しているマサ齋藤と同じ黒のニータイツを着用。
Aコステロは全日本プロレスの至宝であるインターナショナル・タッグ王座の初代王者とされているザ・ファビュラス・カンガルーズのリーダー(パートナーは初代がロイ・ヘファーナン、2代目がドン・ケント)というタッグの名手。Lシャープはこの翌80年に新日本プロレスに参戦することになります。
試合は高千穂がM齋藤と同じスタイルのダックアンダー式スープレックスからの体固めでLシャープを破りました。
前半戦最大のヤマ場は8月22日、札幌中島スポーツセンター(テレビ収録、観衆8,800人超満員発表)大会。メインイベントは夢の対決、マスカラスとブッチャーのシングルマッチ60分1本勝負。
ブッチャーはマスカラスのマスクを破りにかかり、これに怒ったマスカラスが反撃、場外に逃げるブッチャーをマスカラスが追って8分58秒、両者リングアウトの引き分け。
マスカラスはさすがにテリー・ファンクのような訳にはいかず、ブッチャーも思い切ったラフが仕掛けられず不完全燃焼気味の試合となっています。
8月24日、帯広市総合体育館(観衆4,500人満員発表)大会では、グレート小鹿&大熊元司組の極道コンビが持つアジア・タッグ王座にブラジル&コロン組が挑戦。極道コンビにとってはブラジルは衰えたとは言えまだまだ強敵でした。
1本目は小鹿がコロンを体固め、2本目はコロンが小鹿を体固め、決勝の3本目は両チームリングアウトとなり1−1で小鹿&大熊組が2度目のタイトル防衛に成功。
全日本プロレス勢は一旦東京に戻り、8月26日、日本武道館での「プロレス夢のオールスター戦」に参戦しました。
8月31日、大阪府立体育会館(テレビ収録、観衆5,000人発表)大会。メインイベントは2月10日にイリノイ州シカゴ・インターナショナル・アンフィシアターでブッチャーを破り、PWFヘビー級王座を奪回した馬場が半年超ぶりに前王者であるブッチャーのリターンマッチを受けて初防衛戦を行っています。
1本目は馬場が32文ロケット砲から片エビ固め、2本目はブッチャーがジャンピング・エルボードロップから体固め、決勝の3本目は両者リングアウトとなり1−1の引き分けで馬場が王座初防衛を果たしています。
馬場は前78年6月1日、秋田市立体育館でキラー・トーア・カマタに反則負けを喫し5年3か月保持した同王座を手放していますが、持病の糖尿病からくる腰痛の悪化に悩まされていたと聞かされておりしばらくはコンディション不調でした。
しかしこの試合では32文ロケット砲も出しており復調の兆しが見えてきました。(この項続く)
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