全日本プロレスとの興行戦争ですが、その前に本編に名前が出てくるさる8月23日に79歳で亡くなられたテリー・ファンクさんのご逝去に伴い謹んで哀悼の意を表したいと思います。
全日本プロレスは新日本プロレスより1週遅い7月6日、越谷市体育館で「サマー・アクション・シリーズ」が開幕。時間差の特別参加でドリー・ファンク・ジュニア&テリー・ファンクのザ・ファンクス、アブドーラ・ザ・ブッチャー、ザ・シークの4選手が特別参加。
他にシリーズフル参戦がムース・モロウスキー、ロジャー・カービー、ザ・ロボットR2&C3、ミスターX(ジャック・エバンス、後にドラゴンゲートに来日するハイフライムーブのプロレスラーとは別人)。大木金太郎が外国人ヒールサイドとしてフル参戦します。
77年12月の「世界オープン・タッグ選手権」、翌78年12月の「世界最強タッグリーグ決定リーグ戦」のドル箱カードとなったファンクスvsブッチャー&シーク組の抗争を持ってきました。先の「NWAチャンピオン・シリーズ」、「スーパー・パワー・シリーズ」がいずれも地味なメンバーであり観客動員が今ひとつだっただけに切り札投入で夏に勝負を賭けます。
7月15日、日曜日の品川プリンスホテル・ゴールドホールでファンクスとブッチャー&シーク組の対戦が実現。新日本プロレスの8月2日、同所での猪木vsローラン・ボックのNWFヘビー級選手権試合にぶつけました。
8月26日、日本武道館での「プロレス夢のオールスター戦」があるせいか両団体共に東京、大阪、名古屋などでの大会場での開催はなく、シリーズ天王山は5,000人収容の品川プリンスホテル・ゴールドホールとなりました。
また、新日本プロレスと提携する国際プロレスの「ビッグ・サマー・シリーズ」後半戦に新日本プロレス経由でアンドレ・ザ・ジャイアント、ヘイスタック・カルホーンが特別参加することが決定。
アンドレは先の「第2回MSGシリーズ」に来日したばかり。古巣国際プロレスへの参戦は74年6月以来5年ぶりとなりますが、前回はストロング小林の退団、TBSの放送打ち切り、大剛鉄之助の交通事故によるレスラー生活断念というトリプルショックに見舞われた国際プロレスを助けるべく、ブッキング権を持つニューヨークのプロモーター、ビンス・マクマホン・シニアの許可をもらっての参戦でしたが、今回はWWFルートでの来日。
また、カルホーンも前78年6〜7月の新日本プロレス「サマー・ファイト・シリーズ」以来1年ぶりの来日となりました。
同じシリーズにダイナマイト・キッドが初来日していますが、この時は新日本プロレスは何ら関与しておらず、国際プロレスのブッカーをしていた大剛ルートでの来日でした。キッドを巡っては後に新日本プロレスと国際プロレスの間で争奪戦が起きることになります。
開幕戦の6月29日、埼玉県大宮スケートセンター(テレビ生中継、観衆2,500人発表)大会。メインイベントは猪木が新北米タッグ王者となった長州力とタッグを組んでウィリエム・ルスカ&マサ齋藤組と対戦したタッグマッチ60分1本勝負。
ルスカは黒のショートタイツに右手にブラックジャックを着用してのヒールスタイルで登場。M齋藤が悪のアドバイスをして悪党ファイトを展開、14分58秒、長州をロープに飛ばし、帰って来たところを大外刈り気味に倒してからの頸動脈絞め。レフェリーが長州は落ちたとして試合終了のゴングを鳴らし、ルスカが長州にレフェリーストップ勝ち。
大外刈りのタイミングもぎこちないですし、コブラクローの出来損ないみたいな感じでした。
ストロング小林はセミファイナルで初来日のクレイジー・レロイ・ブラウンとのシングルマッチ45分1本勝負。Lブラウンはフード付ジャケットを着用しての入場。試合前にマネージャー役のM齋藤がビール瓶を持ち込んで、Lブラウンが石頭でビール瓶が砕け散る、というデモンストレーションをやろうとしましたが…。
ビール瓶に水を入れてしまった為、思うように割れず、M齋藤が何度叩いても状況は変わらずLブラウンの額からは流血。結局は割れずに終わる有り様となりました。
そんな状況で試合は始まりましたが、S小林はLブラウンのヘッドバットの前に僅か2分49秒、片エビ固めでフォール負け。S小林にダメージがあったとは思えず、いかにも「寝てやった」と言わんばかりのフォール負け。
「5番手」というポジションはこういうもの、という厳しい現実を突きつけられた試合でした。
セミ前は藤波辰巳とウルトラマンのシングルマッチ30分1本勝負。ウルトラマンの入場時には「ウルトラマン」の主題歌がテーマ曲として使用され、リング上では「本物」のウルトラマンがプロレスラーのウルトラマンを激励するシーンが見られました。
ウルトラマンは円谷プロの公認ではありませんでしたが、同プロ制作の「プロレスの星アステカイザー」(76年)に猪木、ジョージ高野らが出演した経緯があり、話の出来ない相手方ではなく、新日本プロレスとテレビ朝日がウルトラマンに関して円谷プロにきちんと断りを入れていました。
試合は10分21秒、両者リングアウトの引き分けとなり、初来日のウルトラマンは藤波とドローで株を上げています。テレビ生中継は上記3試合を放送。
坂口征二とジョージ・スチールは4分15秒、坂口の反則負け、トニー・ロコは星野勘太郎を13分10秒、回転エビ固めで破り、木戸修は永源遙に9分52秒、回転エビ固めでフォール勝ち。
凱旋帰国2戦目となる木村健吾は小林邦昭とシングルマッチで対戦、9分56秒、卍固めでギブアップ勝ちを収めています。
ログインしてコメントを確認・投稿する