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2023年08月21日22:31

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ストロング小林さん追悼(481)

全日本プロレスとの興行戦争ですが、日本テレビ「全日本プロレス中継」が毎週土曜日午後8時からのゴールデンタイム枠から撤退を余儀なくされてからの初のシリーズとなる「NWAチャンピオン・シリーズ」が新日本プロレスの「第2回MSGシリーズ」より1週早い4月20日、後楽園ホールで開幕。

前半戦特別参加がジン・キニスキー、シリーズ全戦参加がディック・マードック、マイク・シャープ・ジュニア、マッドドッグ・マーチン、ラリー・レーン、ミグエル・ペレス、終盤戦特別参加がNWA世界ヘビー級王者ハーリー・レイス。

75年4〜5月の「第3回チャンピオン・カーニバル」以来4年ぶりの来日となったキニスキーですが既に51歳となっており、全身の肉が落ちて痩せてしまい、見るからに体調不良の様子でした。

キニスキーは5月2日、長崎国際体育館(テレビ収録、観衆3,800人発表)大会で鶴田のUNヘビー級王座に挑戦する予定でしたが、コンディション不良を理由に若いMシャープJr(後のアイアン・マイク・シャープ)に挑戦権を譲ると表明し、代わりに初来日のMシャープJrが鶴田に挑戦。2−1で鶴田が勝利を収め、9度目のタイトル防衛に成功しています。

キニスキーはこの日、馬場とノンタイトルのシングルマッチ30分1本勝負で対戦、14分38秒、馬場のリングアウト勝ちとなっており、日本プロレス時代から15年続いた両雄の最後の対戦となりました。

NWA世界ヘビー級王者のレイスは5月7日、大阪府立体育会館(テレビ収録、観衆6,300人発表)大会から特別参加。初戦の大阪では鶴田の挑戦を受けて、1−1から両者リングアウトの引き分けで王座を防衛。

5月8日、千葉県体育館(天台町、千葉公園体育館とは別、観衆3,800人発表)大会では同じ職人肌外国人レスラーであるマードックがレイスの王座に日本では初挑戦。1−1から60分時間切れ引き分けとなりました。ノーテレビだったのが惜しまれる試合でした。

5月9日、仙台・宮城県スポーツセンター(テレビ収録、観衆3,700人発表)大会では日本陣営最後の砦、御大の馬場がレイスに挑戦も1−1から時間切れ引き分けで逃げられ、レイスはベルトを守って帰国することが確定した訳です。

レイスはシリーズ最終戦の5月10日、後楽園ホール(観衆1,800人発表)大会にも出場し、Mマーチン(75年に国際プロレスにマイク・マーテルとの「ザ・コンバット・フレンチ・ブラザーズ」として来日したピエール・マーチン。他にフレンチ・マーチン、フレンチ・マーテルなどのリングネームを名乗る)と組んで馬場&ザ・デストロイヤー組と対戦(45分1本勝負)、デストロイヤーがMマーチンをエビ固めでフォールしています。

その後に行われたメインイベントのバトルロイヤルにも出ています。(優勝はマードック)

「NWAチャンピオン・シリーズ」終了後2週間のオフを経て5月25日、大宮スケートセンターから「スーパー・パワー・シリーズ」が開幕。

このシリーズは6年3か月の長きに亘り、日本陣営で助っ人として闘ったザ・デストロイヤーがアメリカに帰国する「デストロイヤーさよならシリーズ」として行われました。

72年12月19日、世界ヘビー級王座(後のPWFヘビー級王座)争覇戦第4戦で馬場と対戦するデストロイヤーが「負けたら馬場の軍門に下る、何でも言うことを聞いてやる」と豪語。試合は1−1からデストロイヤーがリングアウト負けしました。

デストロイヤーは約束通り馬場の軍門に下り、翌73年3月に家族を連れて日本に移住し、日本側で活躍。日本テレビ系「金曜10時!うわさのチャンネル」のレギュラーとなり、和田アキ子、せんだみつおらと軽妙なコントを展開、たちまちお茶の間の人気者になりました。

ミル・マスカラスとのマスクマン対決、アブドーラ・ザ・ブッチャーとの血の抗争、覆面世界一決定戦十番勝負など数々の激闘を繰り広げ、全日本プロレスの観客動員、テレビ視聴率にも貢献。デストロイヤーがいなかったら、全日本プロレスの興行成績、テレビ視聴率はもっと悪いものになっていたのは間違いないところです。

ビル・ロビンソン、デストロイヤーの前義兄にあたるビリー・レッド・ライオン、初来日のケビン・フォン・エリック&デビット・フォン・エリックのエリック兄弟。ボブ(ブッチ)・ミラー&スウィート(ルーク)・ウイリアムスのザ・キウイズ(後のザ・ジープハーダーズ、ブッシュワーカーズ)、マーク・テンダーの外国人レスラーが参加。デストロイヤーもこのシリーズは外国人側から参戦しました。

5月25日、大宮スケートセンター(テレビ収録、観衆2,800人満員発表)大会では鶴田のUNヘビー級王座に前同王者、ロビンソンが挑戦して1−1から60分時間切れ引き分けで鶴田が10度目のタイトル防衛。

5月31日、能代市体育館(テレビ収録、観衆2,500人発表)大会では空位となっていたアジア・タッグ王座決定戦が行われ、前王者チーム、グレート小鹿&大熊元司組の極道コンビがBOミラー&SWウイリアムス組のザ・キウイズを2−1で破り王座返咲きを果たしています。

6月5日、旭川市体育館(テレビ収録、観衆3,800人満員発表)大会では新アジア・タッグ王者チームとなった小鹿&大熊組にケビン&デビットのエリック兄弟が挑戦。若い挑戦者チームが押し気味に試合を進めましたが、2−1で極道コンビが初防衛戦に成功しました。

6月12日、盛岡・岩手県営体育館(テレビ収録、観衆3,700人発表)大会。デストロイヤーが前義兄(離婚したウィルマ前夫人の実兄)であるライオンと組んで馬場&鶴田組のインターナショナル・タッグ王座に挑戦。デストロイヤーの強い要望で実現したカードでしたが2−1で馬場&鶴田組の勝利に終わり、7度目の王座防衛となりました。

シリーズ最終戦、6月14日、後楽園ホール(テレビ収録、観衆2,300人発表)大会でデストロイヤーは日本側ラストマッチとしてセミファイナルで馬場とシングルマッチ45分1本勝負で対戦、17分37秒、バックドロップからの片エビ固めでフォール勝ち。馬場はカウント2で左足をロープに掛けましたがレフェリーは気づかずカウント3を入れています。

新日本プロレスの「第2回MSGシリーズ」とのニアミス興行ですが、後楽園ホールが先攻が「NWAチャンピオン・シリーズ」開幕戦の4月20日金曜日で1,000人発表と振るわず。カードはメインイベントが馬場&デストロイヤー組vsキニスキー&MシャープJr組、セミファイナルが鶴田vsマードック。

新日本プロレスは9日後の4月29日日曜日昼興行、猪木&藤波組vsジャック・ブリスコ&カネック組、坂口征二vsスタン・ハンセンで2,900人の超満員発表でトリプルスコア違い差をつけて新日本プロレスの圧勝。

大阪府立体育会館が先攻が全日本プロレスの5月7日月曜日、レイスvs鶴田のNWA世界戦で6,300人発表、新日本プロレスは23日後の5月30日水曜日、猪木vsアンドレ・ザ・ジャイアントの決勝リーグ戦、藤波辰巳vsカネックのWWFジュニア・ヘビー級選手権試合で7,000人発表。どちらも満員にはなりませんでしたが、新日本プロレスが僅差の勝利となりました。

全日本プロレスは東京での大会場での興行開催が出来ず、興行面ではスケールダウン。新日本プロレスの優位が続きました。ブッチャー、ザ・ファンクス等が参戦したシリーズとそうでないシリーズとの格差が大きく、ブッチャー、ファンクス等に頼らない興行基盤の確立が課題となっています。

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