78年新日本プロレス「ゴールデン・ファイト・シリーズ」も後半戦、第21戦は9月15日、岡山県倉敷市営体育館(テレビ生中継、観衆2,700人満員発表)大会。
メインイベントは翌週の9月21日、品川プリンスホテル・ゴールドホールで行われるNWFヘビー級選手権試合の2度目の前哨戦。猪木とタイガー・ジェット・シンのノンタイトル戦シングルマッチ60分1本勝負。3日前の9月12日の熊本大会では猪木の反則勝ちに終わっていますが、シンとしては勝敗を度外視してでも、21日のタイトル戦本番前に猪木の肉体的、精神的にダメージを負わせておきたいところ。
試合は一進一退の攻防の後、両者もつれて場外に転落、そこへセミ前の試合を終えた上田馬之助が乱入、ターゲットはシンだ。9月19日、大阪府立体育会館での一騎討ちを前に激しく憎悪を剥き出しにしてぶつかる両者。猪木は2人の乱闘を尻目にリングに上りました。レフェリーの場外カウントに気がついたシンが慌ててリング内に戻ろうとするもカウント20が入り14分24秒、猪木のリングアウト勝ちの裁定が下されています。
シンは猪木にダメージを与えるどころか、上田に文字通り足を引っ張られてのリングアウト負け、とんだ赤っ恥を掻かされてしまった訳です。
セミファイナルは藤波辰巳&長州力組とピート・ロバーツ&ジョニー・マンテル組が対戦するタッグマッチ45分1本勝負。まだこの時代は3本勝負がタッグの主体ですが、テレビ生中継でメインの猪木vsシンを最後まで入れたかった為か、この日は1本勝負でした。19分43秒、藤波がPロバーツを体固めで降し、藤波&長州組が勝利を収めました。
セミ前が上田とジンバ・カーンのシングルマッチ45分1本勝負。不協和音程度だったシンと上田の関係に決定的亀裂が入ったのが9月1日、会津若松での6人タッグ。藤波に逆さ押さえ込みで決勝フォールを奪われたZカーンを「このウスノロっ!」と足蹴にして殴りつけ、子分を痛めつけられたシンが怒り上田と乱闘に。
上田は「それ見たことか、やっぱりあんなのがパートナーじゃ、シンは(北米タッグ)ベルトを取れなかったじゃないか!」とZカーンの木偶の坊ぶりを批判、Zカーンも勝てないまでも上田にダメージを与え、シンの援護射撃をしたかったところですが、実力が違い過ぎました。僅か2分4秒、ロープに飛ばして戻って来たZカーンの喉元にカウンターの凶器パンチを一撃、片エビ固めで上田があっさりフォール勝ちしています。テレビ生中継は上記3試合を放送しました。
坂口征二はジョー・ロッシーを6分3秒、片エビ固めで破り、ストロング小林は星野勘太郎を9分28秒、カナディアン・バックブリーカーでギブアップさせました。
この日試合後、新日本プロレスフロントから9月19日、大阪府立体育会館でのシンと上田のシングルマッチの特別レフェリーを猪木が務めると発表しました。猪木は「正直…(レフェリーは)やりたくはないが、凶暴な2人の試合だ。お客さんに怪我人が出ないとも限らない、お客さんを守る為に引き受けることにした。」とコメントしています。
第22戦、9月16日、岐阜市民センター(観衆4,500人超満員発表)大会。S小林はメインイベントに出場、猪木とのニュー・ゴールデンコンビを結成、上田&Pロバーツ組と対戦。1本目は15分32秒、両チームリングアウトで1−1、決勝の2本目は1分40秒、猪木がPロバーツを体固めに決めて2−1で猪木&S小林組が勝利を飾りました。
セミファイナルは注目のシングル初対決、藤波とシンのシングルマッチ45分1本勝負。藤波は珍しくメキシコ修行時代を彷彿とさせる銀ラメのタイツを着用、シンに対してドラゴン・ロケット(トペ)を見せていきましたが、7分3秒、藤波の反則勝ちとなりました。
この試合は「ゴング」がカラーグラビアで特集しています。「月刊プロレス」は取材なし。
坂口はZカーンを7分32秒、片エビ固めで破り、星野勘太郎はロッシーを10分19秒、体固めで破り、Jマンテルは小林邦昭を11分3秒、片エビ固めで降しました。
今シリーズ、左足くるぶしを痛め欠場、一度は復帰した長州力ですが、前日の倉敷大会で今度は左膝を負傷しこの日からまた欠場しています。
第23戦は9月17日、上田の地元、愛知県海部郡(現在のあま市)共同建設広場特設リング(観衆4,800人超満員発表)大会。
メインイベントは猪木&藤波組の師弟コンビと地元の上田&Pロバーツ組の対戦、1本目は13分23秒、藤波がPロバーツをエビ固め、2本目は4分38秒、猪木がPロバーツを体固め、Pロバーツから2本連取して猪木&藤波組が2−0のストレート勝ち。
S小林はセミファイナルでシンとシングルマッチを行い、僅か5分53秒、コブラクローで敗れてしまいました。元気のなさが目立ちます。
坂口はJマンテルを9分31秒、弓矢固め(ボーアンドアロー・バックブリーカー)で破りました。痛め技で使ったのは僅少ながら何回か観たことはありますが、ギブアップまで奪ったのは大変、珍しいです。
星野はZカーンを10分14秒、逆エビ固めで降しています。Zカーンのポジションは実際はこの位が相応でしょう。藤原喜明はロッシーに10分2秒、体固めでフォール勝ちしました。
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