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2023年04月19日05:54

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週プロ流智美あの日あの時予想2022年総括(49)

第266戦、12月7日発売号●【予想】黄金コンビ、北米タッグ王座再び奪取失敗、北米タッグ選手権試合、ジョニー・パワーズ&パット・パターソン組vs猪木&坂口征二組(73年新日本プロレス大阪府立体育会館)【正解】日プロ幹部と大モメの猪木史上唯一の無気力試合、インターナショナル・タッグ選手権試合、馬場&猪木組vsドリー・ファンク・ジュニア&テリー・ファンク組(71年日本プロレス札幌中島スポーツセンター)【参考】2011年12月7日発売号、2016年12月7日発売号は正解に同じ。

流さんのプロレス史「あの日あの時」の連載開始が2011年12月7日発売号、記念すべき第1回は「最後のBI砲」(プロレス夢のオールスター戦は除く)、それから5年後の2016年同日発売号もこの試合を採り上げており、今回が72年3月6日新日本プロレス旗揚げ戦、同10月の全日本プロレス旗揚げ(同一の出来事ではないものもあり)に次いで、この「BI砲vsファンクス」が3回目の採り上げ。

「あの日あの時」も連載開始から3巡目に突入したことになります。

【予想解説】坂口が入団、NETの放送がついて勢いがついた2年目の新日本プロレスは興行の看板となるタイトルが欲しいところでした。

4月に活動停止となった日本プロレスの元取締役、遠藤幸吉はNETの「ワールドプロレスリング」のレギュラー解説を務めることの見返りとして日本プロレスと親密関係にあったロサンゼルスのNWAハリウッド・レスリングのプロモーターであるマイク・ラーベル(近年では「ラベール」表記となった文献が増加)と新日本プロレスを繋ぎました。

外国人ルートが弱体だった新日本プロレスはカール・ゴッチのブッキングによりヨーロッパ勢、ゴッチ個人ルートによるアメリカ東部地区、ガルフコースト地区に加えて、ニュージーランドのスティーブ・リッカードのルートから外国人レスラーを招聘していましたが、NET放送開始で資金も増え、NWAのメンバーであるラーベルと取引出来るようになり、この取引が翌74年、ニューヨーク、WWWFの大プロモーター、ビンス・マクマホン・シニアとの提携に繋がります。

猪木と坂口は「サマー・ビッグ・ファイト・シリーズ」が8月16日に足立区体育館で閉幕するとロサンゼルスに飛び、パワーズ&パターソン組が保持している北米タッグ王座に挑戦。

少なくとも、ローカル団体NWFのオーナー兼エースレスラーであり、本拠地であるニューヨーク州バファロー、オハイオ州クリーブランドを主戦場にしていたパワーズと「サンフランシスコの帝王」と呼ばれ西海岸地区のトップスターだったパターソンはこれまで同一テリトリーで一緒に仕事をしたことはなく、急造タッグチームでした。

1本目は12分53秒、猪木がパターソンを体固め、2本目は7分5秒、パワーズが坂口を足8の字固め、決勝の3本目は8分12秒、日本組の反則勝ちとなり2−1で猪木&坂口組が勝ちましたがルールによりタイトル移動なし。

年度最終シリーズ「闘魂シリーズ第2弾」終盤戦(同シリーズ終盤戦は「ワールド・タイトル挑戦シリーズ」と銘打たれて開催されている)にパワーズ&パターソンの北米タッグ王者チームが揃って来日。

8月には敵地ロサンゼルスでベルトを奪えなかった猪木&坂口組の黄金コンビは10月14日、蔵前国技館でルー・テーズ&カール・ゴッチ組を2−1で降し「世界最強タッグ戦」を制しており、ホームの日本でタイトルホルダーとなりたいところでしたが…。

1本目は15分58秒、パワーズの足8の字固め(パワーズロック)の前に猪木が屈辱のギブアップ負け、2本目は3分10秒、坂口がパターソンを体固め、決勝の3本目は王者組がまたしても暴走、7分28秒、反則負けで逃げ切り猪木&坂口組はまたもベルト奪取成らず。

翌74年、同タイトルはカール・フォン・ショッツ&クルト・フォン・ヘス組の「ナチの戦犯コンビ」に移動し、これを猪木&坂口組が追う展開になりますが、この王座移動については不可解な点も多く、パワーズ&パターソン組の王座とショッツ&ヘス組の王座は「別物」であると考えられます。

【正解解説】猪木は日本プロレスの芳の里淳三社長、遠藤幸吉取締役らいわゆる「ダラ幹」達を追放し、プロレスラーが潤う会社にしようと会社改革を訴え、馬場を初めレスラー達の同意を取り付けていたものの、幹部達を追い出した後は野心家の猪木が会社の実験を握ると危惧した馬場が態度を翻し、上田馬之助が猪木の計画を芳の里社長に話したことから猪木の描く絵は頓挫、一転して「会社乗っ取りを企てたクーデター犯」として日本プロレスを放り出されてしまいました。

参謀の木村氏は元警察官の経歴を持つ日本プロレスの興行を買っていたプロモーターで猪木後援会の会長、会計士の資格を持っていたところから、経理には明るく、猪木の代理人として11月下旬頃から会社の帳簿を持ち出していたと言われています。

馬場や上田が猪木寄りである第三者の木村氏の存在を快く思う訳もなく、木村氏を猪木が入れた段階でもはやアウトだったと言わざるを得ません。

そこに至る渦中の真っ只中に行われた馬場&猪木組のBI砲にザ・ファンクスが挑戦したインターナショナル・タッグ選手権試合。クーデター犯の汚名を着せられた猪木は精彩を欠くファイトを展開。

1本目は16分5秒、ドリーが猪木を体固め、2本目は5分34秒、馬場がテリーを片エビ固め、決勝の3本目はファンクスのツープラトンのダブルアーム・スープレックスに馬場が沈み、4分12秒、テリーが馬場を体固め、猪木は馬場を見殺しにしてしまいました。

BI砲は王座転落、ベルトはファンクスへ。猪木は札幌での試合を最後に1人帰京し「尿道結石」を理由に12月8日、代々木の小林外科病院に入院、12月9日、大阪府立体育会館で予定されていたドリーとのNWA世界ヘビー級王座、UN王座のダブル・タイトルマッチはキャンセルとなり、代打に坂口が挑戦し2−1で敗れています。

UN王座は返上、吉村道明と組んで保持していたアジア・タッグ王座は12月12日、東京体育館で坂口&吉村組がドリー&ディック・マードック組を破り王座獲得。猪木は1週間足らずの期間で3本のベルトを剥ぎ取られ丸腰にされて12月13日、日本プロレスを除名・追放処分となってしまいました。

※対戦戦績は266戦48勝218敗、勝率180。
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