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2023年04月01日21:51

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週プロ流智美あの日あの時予想2022年総括(32)

第249戦、8月10日発売号●【予想】場外10カウントルールに驚き、猪木vsタイガー・ジェット・シン、ロスでのNWF王座戦【正解】猪木、藤波がシェア・スタジアムで激闘(79年ロサンゼルス・オリンピック・オーデトリアム)、NWFヘビー級選手権試合、猪木vsラリー・シャープ、WWFジュニア・ヘビー級選手権試合、藤波辰巳vsチャボ・ゲレロ(80年8月9日《現地時間》ニューヨーク・センチュリー・シェア・スタジアム)【参考】2016年8月10日発売号はインターナショナル選手権試合、馬場vsジン・キニスキー(67年8月14日日本プロレス大阪球場)

【予想解説】猪木とシンの一連の抗争は75年6月26日、蔵前国技館で猪木がシンに奪われていたNWF世界ヘビー級王座を奪回して一区切りついた感じで、その後はマンネリ化していきました。上田馬之助がシンとタッグを結成し「極悪コンビ」として北米タッグ王座を獲得し、シンの悪党人気も一時は息を吹き返した感じでしたがこれもやはりマンネリ化してきて78年「ゴールデン・ファイト・シリーズ」で仲間割れした後、直ぐによりを戻しています。

2人を完全に分断して個別に売り出していくことは難しく、79年2月の「ビッグ・ファイト・シリーズ」から両者は再合体していますが、この79年という年はシンがヒールとして新日本プロレスから「再生」された年だったと思います。

3月8日、水戸市民体育館でのテレビ収録試合で猪木&藤波組とシン&上田組がメインイベントで組まれ(60分1本勝負)、僅か6分49秒、猪木がシンのコブラクローの前にフォール負け。

3月16日、那覇市奥武山体育館からのテレビ生中継ではシリーズ最終戦、4月5日、東京体育館でNWFヘビー級王座を賭けて対戦する猪木とシンがノンタイトル戦で前哨戦を行い、13分8秒、猪木の反則負け。

このシリーズのシンは73〜75年にかけて猪木と抗争を展開していた時期の凄みが蘇って来ていました。

3月23日、呉市体育館からのテレビ生中継では猪木&坂口征二&藤波組とシン&上田&マサ齋藤組という豪華6人タッグマッチが実現、1本目、7分44秒、逆さ押さえ込みでシンから1本奪いましたが、2本目は2分16秒、シンがコブラクローで猪木から今シリーズ2度目のフォールを取っています。決勝の3本目は2分32秒、猪木が上田を回転エビ固めで破り、猪木が1人でシンと上田からフォール勝ちしていますが猪木のフォールはいずれもクイックであり、相手にダメージを与える勝ち方ではありませんでした。

シリーズ最終戦の4月5日、東京体育館での猪木vsシンのNWFヘビー級選手権試合は、ランバージャックデスマッチとして行われ、20分26秒、猪木がコーナーポスト最上段からのフライング・ニードロップからの体固めでフォール勝ちし19度目の防衛に成功しています。

「第2回MSGシリーズ」終了後、猪木は2度目のパキスタン遠征を敢行、初日6月17日はラホール・ガダフィスタジアムでジュベール(ジャラ)・ペールワンと5分10ラウンド闘い時間切れ引き分けとなりましたが、翌18日にはカラチ・ホッケースタジアムでシンと時間無制限1本勝負で対戦、25分45秒、猪木の放ったバックドロップが共倒れとなり両者KOの引き分けに終わりました。

次期「サマー・ファイト・シリーズ」終盤戦には前78年11月、「欧州世界選手権シリーズ」で猪木が苦渋を舐めさせられた「墓堀り人」ローラン・ボックが初来日、最終戦の8月2日、品川プリンスホテル・ゴールドホールで猪木のNWFヘビー級王座に挑戦する予定でしたが、ボックが来日前に西ドイツ・シュツットガルト郊外で交通事故に遭い来日をキャンセル。

急遽、シンが最終戦のみ特別参加し、猪木のNWFヘビー級王座に挑戦、試合は時間無制限1本勝負で行われ、シンのセコンド、M齋藤がレフェリーの死角を突いて度々試合に介入、最後は双方のセコンドが入ってきて17分59秒、ノーコンテストとなりました。(防衛記録には加算されず)

シリーズ終了後、猪木、坂口、藤波はロサンゼルスとカナダ・カルガリー遠征に出発。

3選手は8月10日、ロサンゼルス・オリンピック・オーデトリアムの定期戦に出場、坂口は元新日本プロレスの留学生でアメリカに戻ってプロレスラーとしてのキャリアを積んだアレン・コージ(バッドニュース)とNWF北米ヘビー級王座防衛戦を行い、14分26秒に反則負けを喫しましたがルールにより4度目の防衛。

藤波はこの時点では未来日だったスキップ・ヤング(翌80年1月に新日本プロレスに初来日)を2−1(60分3本勝負)で破りWWFジュニア・ヘビー級王座23度目の防衛に成功。

品川で決着がつかなかった猪木とシンのNWFヘビー級選手権試合の決着戦がロサンゼルスで実現、ゴング前からターバンで猪木の首を絞める奇襲攻撃を見せたシンが、試合を優勢に運び、両者の身体がエプロンから場外に出たところで、レフェリーのレッドシューズ・ドゥーガンがカウント10を数え、僅か7分3秒で両者リングアウトの引き分け、数ある猪木vsシンのNWFヘビー級選手権試合の中でも最も呆気なく終わった試合でした。

場外10カウントというのは馬場の全日本プロレスのPWFルールでは年中見られた光景でしたが、まさか海外とはいえ猪木の試合で場外10カウントで試合が終わるとは予想できず、凡戦中の凡戦だったと言えます。

【正解解説】正解は予想より1年後の新日本プロレスの夏の遠征の話題、本連載2021年編で2回(5月19日発売号【正解】、9月22日発売号【予想】)に亘って触れておりますNWA世界ヘビー級王者、ハーリー・レイスとWWFヘビー級王者、ボブ・バックランドのダブル・タイトルマッチ。

当初は8月9日、WWFのビッグマッチであるニューヨーク・センチュリー・シェア・スタジアムでの開催案が浮上しましたが、NWA側のサム・マソニック元会長が「マクマホン(ビンス・シニア)ばかり儲けさせることはない」とレイスのブッキングに難色を示し、結局は9月22日、MSG定期戦で開催することになりました。

バックランドは元WWWFヘビー王者、ペドロ・モラレスと夢のタッグを結成し、アファ&シカ・アノアイのザ・ワイルド・サモアンズ1&2号のWWFタッグ王座に挑戦、2−0のストレート勝ちで王座奪取も「この日限定の移動」みたいで直ぐに王座は返上され、特に王座決定戦を行うことなくサモアンズにベルトは戻されました。

アンドレ・ザ・ジャイアントとハルク・ホーガンのシングルマッチはホーガンがアンドレをボディスラムで投げつけましたが、アンドレがジャイアント・プレスでフォール勝ち。

日本から猪木、藤波も参戦、猪木はラリー・シャープとNWFヘビー級王座防衛戦を行い、9分41秒、延髄斬りから体固めで3度目の防衛に成功、藤波はチャボ・ゲレロを10分28秒、回転足折り固めで(ジャパニーズ・レッグロール・クラッチホールド)で降してWWFジュニア・ヘビー級王座を14度目の防衛。テレビ朝日で収録されて8月22日に90分拡大枠で特番中継されました。

他にテレ朝で放送されなかったビッグマッチはヒールとして師匠ブルーノ・サンマルチノに反旗を翻したラリー・ズビスコがケージ(金網)マッチで対戦、場外エスケープでサンマルチノの勝利。ケン・パテラはトニー・アトラスにリングアウト負けながらインターコンチネンタル王座を防衛。

36,295人の大観衆が熱狂、確かにここでレイスvsバックランドのダブル・タイトルマッチを組めば一番得をしたのはビンス・シニアに違いなかったでしょう。
※対戦戦績は249戦45勝204敗、勝率181。 
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