第222戦、2月2日発売号○【予想、正解】悪党・上田馬之助が王座奪取!レスラー生涯最良の日、北米タッグ選手権試合、坂口征二&ストロング小林組vsタイガー・ジェット・シン&上田馬之助(77年新日本プロレス大阪府立体育会館)
【解説】前76年8月5日、蔵前国技館で新日本プロレスの会場に初めて姿を現し、猪木に挑戦状を叩き付けた上田。その後も無法乱入を繰り返しましたが年内は新日本プロレスのリングで試合をすることはありませんでした。
年が明けた77年新日本プロレス「新春黄金シリーズ」開幕戦、1月7日、越谷市体育館大会、この日はテレビ生中継のダブル・メインイベントとして行われ、ダブルメイン第1試合は翌週1月14日、福岡九電記念体育館で行われる北米タッグ選手権試合の前哨戦、坂口征二&ストロング小林組とタイガー・ジェット・シン&ブルータス・ムルンバ組の60分3本勝負。
1本目は12分46秒、S小林がムルンバをブレーンバスターから体固めで先制のフォール。しかし2本目、私服姿の上田馬之助が姿を現しリング下へ。シン&ムルンバ組に加勢し、坂口&S小林組にシンと2人がかりで攻撃を加え、4分52秒、ノーコンテストとなりました。場外で額を鉄柱にぶつけられた坂口は左のコメカミから大流血。タイトル戦本番前に大ダメージを負いました。
坂口&S小林組は1本目はフォールを奪っていますが、2本目がノーコンテスト裁定により、勝敗は無効試合となりました。
年末まで成りを潜めていた上田でしたが、年明け早々に動き出し、何とシンと結託、凶悪コンビを結成することに。カード変更され、1月14日、福岡での北米タッグ選手権はシン&ムルンバ組に代わり、シン&上田組の挑戦が決定。シン&ムルンバ組の北米タッグ王座挑戦はおそらくダミーカードだったと思われます。
ダブル・メイン第2試合は猪木とスタン・ハンセンの初対決シングルマッチ60分1本勝負。ブルーノ・サンマルチノの首を折ったハンセンは来日第1戦のテレビ生中継では早くもメインで猪木との一騎討ちというチャンスに恵まれました。
ハンセンのジャンピング・エルボードロップは自爆、ドロップキックでハンセンを追い込んでいく猪木でしたが、10分過ぎ、ダブル・メインイベント第1試合を終えたシンと上田が登場し、場外乱闘を展開している猪木とハンセンの一戦に乱入。
シンと上田はハンセンに加担し、猪木を3人がかりで痛めつけ、11分13秒、猪木の反則勝ちとなりました。シン 、上田、ハンセンはこのシリーズ共闘戦線を張ることになりました。
1月14日、福岡九電記念体育館で上田馬之助がタイガー・ジェット・シンと組んで坂口&S小林組の北米タッグ王座に挑戦、1本目からシンと上田はS小林の左腕に的を絞り、徹底した腕攻め。コーナーマットや鉄柱を使った反則攻撃を織り交ぜながら、13分1秒、シンがS小林を逆腕固めでギブアップさせて挑戦者チームが1本を先取。
2本目はエキサイトした上田が凶器のスパナを持ち出してシンと2人がかりでS小林の腕を痛めつける暴挙に出て、レフェリーのミスター高橋は6分36秒、ノーコンテストを宣言。
シン&上田組はS小林から1本勝ちを奪いましたが、ノーコンテストで試合そのものが無効となり、ベルト移動もなければ、王者組の防衛記録にもカウントされませんでした。S小林は左肘を攻撃されてダウン。試合こそノーコンテストですが、内容は完敗です。
両チームによる北米タッグ選手権試合の再戦が2月2日、大阪府立体育会館で決定。坂口&S小林組は王座獲得から1年、最大のピンチを迎えたことになりました。
再戦はやはりS小林の左腕がシン&上田組に狙われ、巧みなカットプレーで坂口の助けを妨害、シンの度重なるキーロック攻撃にS小林は堪らずギブアップ、1本目は17分2秒、シンがキーロック(鍵固め)でS小林を破り先制。
1本目が終わった段階でS小林の左腕は使い物にならなくなりほぼ戦闘不能状態に。2本目に入ってもダウンしたS小林をシンと上田が2人がかりで左腕を攻撃、3分22秒、日本組の反則勝ちとなりました。
立ち上がれないS小林は左腕の激痛により失神、山本小鉄が入ってきてダウンしたS小林に「起きろ!」とばかり張り手を入れますがS小林は動かず、3本目はS小林の試合放棄となり、ベルト移動。シン&上田組が王座獲得。
怒りの観客席からは暴動寸前の怒号が起き、殺伐とした空気になりましたがシンと上田は本部席にあったベルトを強奪すると勝手に勝ち名乗りをあげて控室えと逃走しています。
流さんのコラムでは、96年3月15日、IWAジャパン仙台大会の帰路、東北自動車道埼玉県岩槻付近で追突事故に遭い半身不随の生活を強いられ、15年近い闘病生活の末、10年12月21日に誤嚥の為71歳で亡くなった上田を主役としたDVD−BOX「悪逆無道!極悪ヒール烈伝」 (11年7月、ビデオパック・ニッポン&ポニーキャニオンより発売)の監修をしていた流さんはプロデューサーが「タイガー・ジェット・シンを主役に」と主張したところ、「いや、今回は上田馬之助でいきたい」と反論し、押し切ったエピソードが綴られています。
結果的には上田が主役で正解だったと私も思います。
※対戦成績は222戦41勝181敗、勝率185。
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