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2023年02月19日18:54

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週プロ流智美あの日あの時予想2021年総括(42)

第208戦、10月20日発売号●【予想】力道山13回忌追善興行開催発表、馬場による猪木包囲網(75年10月21日永田町・東京ヒルトンホテル)【正解】喧嘩屋ウェップナーを迎撃する猪木がロス特訓、格闘技世界一決定戦調印式(77年10月21日新日本プロレス新宿・京王プラザホテル)

【予想解説】今回は予想、正解とも日付が21日となりました。75年ネタを連投して予想していますが、それだけこの年は前74年に猪木に「挑戦を受けろ!」と挑発され続けていた馬場の反撃が用意周到かつ陰湿なものであったということになります。

75年10月21日、永田町の東京ヒルトンホテル(キャピトル東急ホテル)で百田家(力道山家、力道山未亡人の百田敬子さんと百田家後見人、リキエンタープライズの山本正男代表)が記者会見を行いました。

本75年は力道山の13回忌にあたる事から、それを記念した大会「力道山13回忌追善大試合」を12月11日、日本武道館にて、全日本プロレス、新日本プロレス、国際プロレスの日本の3団体に呼び掛けて開催すると発表した。各団体には事前に相談して賛同してもらっているとのことです。

12月11日と言えば、会見の8日前の10月13日、猪木が新日本プロレスの事務所で「人間風車」ビル・ロビンソンとNWF世界ヘビー級選手権試合を行うと発表した蔵前国技館と同日。物理的に考えてこれは無理というもの。

時代が平成以降であれば、代替案として新日本プロレスより力道山門下生だった星野勘太郎、山本小鉄、魁勝司(北沢幹之)などを派遣し、提供試合を行うことも可能だったかと思いますが、当時の新日本プロレスと全日本プロレスの関係を勘案すれば、それが無理な話であることは想像に難くないです。

新日本プロレスの蔵前国技館大会の同日に「力道山追善13回忌追善興行」を日本武道館で開催を発表、山本氏は全日本プロレスや国際プロレスだけでなく新日本プロレスにも参加を呼びかけ、猪木に対して力道山の弟子として蔵前国技館大会でのロビンソン戦をキャンセルして日本武道館大会への参戦を要求しています。

山本氏はこの年の夏(6月26日の蔵前国技館あたりか?)に猪木に事前交渉しており、その時に猪木は「それは素晴らしい企画ですね。是非参加させて下さい」と語ったと言います。

猪木は「10月9日の蔵前でのルー・テーズ戦の前に山本氏が『着流し』でやって来て『どうしても出ろ!』と。私はロビンソン戦が決まっているとして断っていた。いくらかの心遣いはさせてもらいます。」と言ったものの交渉は決裂していました。

「力道山追善13回忌追善興行」には全日本プロレスや国際プロレスは当然参加を表明したが、日本テレビで放送されることから、表向きは力道山家の主催興行ではあるが、実質上は全日本プロレスの興行であることは明白でした。

新日本プロレスの蔵前国技館大会は「力道山追善13回忌追善興行」より先に決定していて会場も押さえており、テレビ中継の日程もあって穴を開ける訳にはいかず。

おそらく馬場は新日本プロレスが蔵前国技館を12月11日に押さえていることは、猪木がロビンソン戦を発表する前には調査済だったでしょう。それを利用して後発の強味を生かし力道山家を動かして「力道山追善13回忌追善興行」を計画し、新日本プロレスの蔵前国技館大会と同じ日にぶつけてきた、猪木や新日本プロレスも馬場や全日本プロレスが仕掛けた罠だと察知していたと思います。

この記者会見の席上に馬場がいなかったのは計画的で、それから6日後の10月27日、午後3時から港区六本木の全日本プロレス事務所で記者会見を行った馬場は、百田家が故力道山の13回忌にちなみ12月11日、日本武道館で行う「力道山13回忌追善大試合」への参加を各団体に呼び掛けた件で、全日本プロレスは参加の意思を表明、いの一番に参加を表明しています。

不参加となった猪木に対し、主催者である百田家の百田敬子未亡人は「猪木さんには力道山門下生を名乗って欲しくない」と力道山門下生からの「破門」を通告、山本氏は参戦表明をしない猪木や新日本プロレス対し約束を破ったとして「猪木は恩知らずのバカ野郎だ!」と非難しました。

猪木は山本氏からバカ野郎呼ばわりされたことで腹を括り「ゴング」誌のインタビューに応え、「力道山先生が墓の下で一番喜んでくれることは一体何か考えてください、それは先生が植えつけたプロレスリングを栄えさせることですよ。私はロビンソンとの試合で、絶対に力道山先生に喜んでもらえる試合をやる自信はある。武道館の追善興行は花相撲、こちらは本当のストロングスタイルの試合、向こうと私とロビンソンの試合と、どちらかが本当の追善試合になるかは、ファンの皆さんに判定してもらえればいいと思う」と答え、興行戦争を決意しました。

【正解解説】76年6月26日、日本武道館でのモハメド・アリ戦で海外におけるクローズドサーキット(有料の宇宙中継、現在で言うライブビューイング)の興行収入が不振で7億円とも10億円とも言われる負債を背負った新日本プロレス。

負債はNET(テレビ朝日)が肩代わり、同局から役員が出向してきて管理下に置かれ、猪木、坂口は代表権を失いました。(79年に復権)

猪木は身を削りシリーズオフには海外遠征で外貨稼ぎをし、また「格闘技世界一決定戦」をシリーズ化。レギュラー枠の「ワールドプロレスリング」とは別の特番枠で、放映権料が別建てで入金されるようにテレビ朝日が配慮していました。

77年8月2日、日本武道館で行われた猪木vs全米プロ空手世界スーパー・ヘビー級王者ザ・モンスターマン・エベレット・エディの一戦は5ラウンド1分35秒、猪木がルー・テーズ式パイルドライバー(リバーススラム)からのギロチン・ドロップでKO勝ち、アリ戦での観客の溜飲を下げた試合で内容も大変面白かったです。

モンスターマン戦の成功に気を良くした猪木と新日本プロレスは、10月25日、日本武道館で猪木vs元プロボクシング世界ヘビー級8位のチャック・ウェップナーと坂口とモントリオール五輪柔道重量級銅メダリスト、バッファロー・アレン(アレン・コージ)の柔道ジャケットマッチの2大格闘技戦を行うと発表しました。

猪木は10月6日に草加市ヤコウスケートセンタープール場で「闘魂シリーズ」が閉幕するとロサンゼルスに飛び、アリ戦のレフェリーを務めたジン・ラーベルの紹介で、元プロボクシング世界ライト・ヘビー級王者のアーチ・ムーア、さらにはサンタモニカに住んでいた現役の世界王者(ウェルター急性)のカルロス・パロミノとボクシング特訓を行っています。

流さんのコラムのソースとして採り上げている10月23日付(22日発行)の「東京スポーツ」ではロサンゼルスでのボクシング特訓から帰国する直前の猪木に対し国際電話に取材を行っており、ムーアやパロミノから適確なアドバイスを受けたとコメントしています。

ただし、使われている写真は猪木が出演した映画「がんばれ!ベアーズ大旋風、日本遠征」の撮影の時のオフショットであり、ロス特訓のモノではないです。

コラムのタイトルの上の帯にある「調印式」というのはこの記事が掲載されていると東スポの日付である10月22日に新宿・京王プラザホテルで猪木、坂口、ウェップナー、アレンの4選手が出席して行われる、という意味だろうと思われます。

猪木vsウェップナーの一戦は、猪木がウェップナーのラビットパンチ(後頭部へのパンチ)の連打を浴びて苦戦しましたが、延髄斬りの原型といえる回し蹴りをウェップナーに見舞いました。 

右足はウェップナーに頭をすくめて避けられてしまいましたが、左足がウェップナーの後頭部にヒット、これでダメージを受けたウェップナーを一気に逆エビ固めに捉えて6ラウンド1分35秒、猪木がギブアップ勝ちを奪っています。

セミファイナルで行われた坂口とアレンの柔道ジャケットマッチは3分10ラウンド、特別レフェリーをウィリエム・ルスカが務めました。5ラウンド2分7秒、坂口が送り襟絞めでアレンをギブアップさせて元柔道日本一の実力を見せつけています。

※対戦成績は208戦38勝170敗、勝率183。 
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