77年新日本プロレスの幕開けを飾る「新春黄金シリーズ」は1月7日、埼玉県越谷市体育館で開幕。この年は元日が土曜日であり、最初の金曜日が7日だった為3年ぶりに3が日の開幕戦ではありませんでした。越谷市体育館での新年開幕戦は3年連続です。
全日本プロレスは2年続けて1月2、3日、後楽園ホール昼興行2連戦で「新春ジャイアント・シリーズ」が開幕。国際プロレスは1月2日、熱海後楽園ポップランドで「新春パイオニア・シリーズ」が開幕。第2戦の1月3日、後楽園ホール大会は昼が全日本プロレス、夜が国際プロレスの開催となり、日本プロレス史上初の後楽園ホール昼夜別団体興行となりました。協力関係にあった両団体は、搬入搬出の手間を省く為に昼の全日本のリングを夜の国際が借りて使っています。
新日本プロレスはこの年は通常より1シリーズ少ない年間6シリーズ。その代わり1シリーズあたりの日程が長くなりました。このあたりは前76年のモハメド・アリ戦後の地方興行のキャンセルが相次いだいわゆる「アリ・ショック」と言われた興行収入の落ち込みを勘案して興行の効率化を図らざるを得なくなったものです。
「新春黄金シリーズ」参加外国人はタイガー・ジェット・シン、スタン・ハンセン、ピート・ロバーツ、ブルータス・ムルンバ、デビット・テイラーの5選手。
エースのシンは前76年7〜8月の「アジア・リーグ戦」以来5か月ぶりの来日、前回は7月29日、大阪府立体育会館で坂口征二を破りアジア・リーグ戦シングル部門で優勝、新日本版初代アジア・ヘビー級王者となりましたが、タッグ部門は準優勝に終わり、8月5日、蔵前国技館では猪木のNWF世界ヘビー級王座に挑戦するも12分43秒、両者リングアウトで王座奪取成らず。
今回は猪木と遺恨に決着をつける目的での来日。また前76年の同シリーズに来日したムルンバが一緒であり、北米タッグ王座挑戦も視野に入れます。
新日本プロレス初参戦なる「バッドボーイ」スタン・ハンセンは1949年8月29日、テキサス州ナックシティ出身の当時27歳。
ウエスト・テキサス州立大学卒業後、プロフットボール球団のボルチモア・コルツ(現インディアナポリス・コルツ)、サンディエゴ・チャージャーズに入団しましたが解雇され、故郷の中学校で教員を務めていました。その頃、大学のフットボール部の先輩であったテリー・ファンクにスカウトされプロレス入り。ハンセンは教員の収入面に不満を持っており、スカウトに快諾。
72年にテキサス州アマリロのファンク道場に入門し、日本から修行に来ていた全日本プロレスのジャンボ鶴田、ボブ・バックランドらと同時期に修行をしていました。
73年1月1日、アマリロ地区にてプロレスラーとしてデビュー。以降、フロリダ地区などを転戦してキャリアを積んだ後、オクラホマ、ルイジアナといったミッドサウス地区でフランク・グーディッシュ(ブルーザー・ブロディ)とのタッグチームで活動。74年10月10日にUẞタッグ王座を獲得し、プロレスラーとして初戴冠を果たしました。
75年9月、全日本プロレスの「ジャイアント・シリーズ」に初来日、アブドーラ・ザ・ブッチャー、オックス・ベーカー、プリンス・ピューリン、ボビー・ジャガーズに次ぐ5番手の扱い、ハンセンの下は初来日のラリー・ズビスコ。
その後、フリッツ・フォン・エリックが主宰していたテキサス州ダラスを経て76年上期WWWFに登場。同年4月26日、ニューヨーク・MSGで、WWWFヘビー級王者ブルーノ・サンマルチノの首を骨折させた事件(実際にはハンセンがボディスラムを失敗したことによる重度の頸椎捻挫であったが、ウエスタン・ラリアットによるものとして喧伝された。試合は5分10秒、ドクターストップでハンセンが勝つもベルト移動なし。)で一躍有名になりました。
6月25日、ニューヨーク・シェア・スタジアムでサンマルチノが復帰、ハンセンとの再戦が行われ、8分、サンマルチノの猛攻の前にハンセンは試合放棄。
8月7日、MSGでサンマルチノとハンセンがケージ(金網)マッチで3度目の対戦をし11分11秒、サンマルチノが場外エスケープ成功により勝利。WWWFヘビー級王座防衛を果たしています。
その後もWWWFには出場していたましたがサンマルチサンマルチノに怪我をさせたコトでクラッシャー(壊し屋)の烙印を押され、対戦相手からは嫌われ、同じヒールレスラーからも「稼げる対戦相手のサンマルチノに怪我を負わせた」と控室で口もきいてもらえず、また、9月には僚友グーディッシュが「ブルーザー・ブロディ」のリングネームでWWWFに登場、サンマルチノのWWWFヘビー級王座に挑戦。同地区での活躍の機会は少なくなっていました。
WWWFをリリースされたハンセンでしたが、そんな折り、ビンス・マクマホン・シニアが新日本プロレスヘハンセンをブッキングしたのです。(この項続く)
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