75年新日本プロレス「第2回ワールド・リーグ戦」中盤戦のストロング小林の激闘の模様です。第13戦、4月19日、和歌山県立体育館(観衆4,500人発表)大会でまたまた興味深い組み合わせが実現。
前74年12月に若手の登竜門であるカール・ゴッチ杯争奪リーグ戦に優勝、今シリーズ終了後に初の海外武者修行、ヨーロッパ遠征が決定している「ドラゴン」になる前の若手時代の藤波辰巳と初のタッグを結成、山本小鉄&ゴッチ杯準優勝の小沢正志組と対戦するタッグマッチ45分3本勝負が組まれています。
1本目は15分34秒、S小林が小鉄を片エビ固め、2本目は4分11秒、小鉄が藤波を体固め、決勝の3本目は1分37秒の速攻勝負で藤波がコーチである小鉄からキャメルクラッチ(ラクダ固め)でギブアップを奪い、2−1でS小林&藤波組が勝利を収めました。3本目の小鉄のギブアップ負けは「海外で頑張ってこい」という激励の意味を込めた餞別だったかも知れないです。
藤波はこれより3年後、WWWFジュニア・ヘビー級王者として凱旋帰国した78年3月6日、埼玉県越谷市体育館で小鉄とシングルマッチで対戦、12分、風車固めでギブアップ勝ちを収めていますが、海外武者修行前にタッグながら1本勝ちを奪っていることになります。
この日の公式戦は坂口征二が星野勘太郎を14分7秒、片エビ固めで破り、坂口、S小林を破り絶好調、全勝のキラー・カール・クラップは柴田勝久を4分52秒、頭蓋骨絞め(ブレーンクロー)で降し、マンマウンテン・マイクは永源遙を6分58秒、ボディプレスからの体固めで圧殺勝利。
第14戦、4月20日、岡山県津山市鶴山球技場(観衆5,100人超満員発表)ではS小林は坂口と組んでメインイベントに登場、クラップ&ジョン・ガニア組と60分3本勝負で対戦。1本目は14分9秒、日本組の反則勝ち、2本目は5分58秒、坂口がJガニアを体固めでフォールし坂口&S小林のパワーファイターズが2−0のストレート勝ちを収めました。
この日の公式戦は猪木が柴田を7分25秒、体固めで降し、マサ齋藤はファザール・シンに9分37秒、背骨折りでギブアップ勝ち。星野はサングレ・フリアーを10分3秒、逆エビ固めで破り、スーパー・デストロイヤーとマイクの大型外国人対決は5分12秒、体固めでSデストロイヤーに凱歌が上がっています。
第15戦は4月22日、広島県呉市体育館(観衆4,200人満員発表)大会、S小林は木戸修と公式戦で対戦、9分45秒、体固めで勝利を飾り6勝1敗1分、公式戦の半分以上のカードを消化しています。他は坂口は永源を10分6秒、体固めで破り、大木はFシンを7分31秒、アバラ折り(コブラツイスト)でギブアップさせ、マイクvsフリアーの外国人対決は5分16秒、体固めで撃破。
第16戦4月24日、松山・愛媛県民館(観衆3,000人発表)大会。S小林はフリアーとの公式戦で8分55秒、エビ固めでフォール勝ちし7勝1敗1分。この他の公式戦はまず猪木がマイクと対戦、4分34秒に体固めでフォール勝ち。
クラップと小鉄の公式戦で波乱が…。クラップの反則攻撃をうまくかわした小鉄が9分50秒、バックに廻っての後方回転エビ固め。カウント3が入り、全勝街道を走っていたクラップに土をつけた小鉄が大金星。小鉄は日本プロレス「第11回ワールド・リーグ戦」5月2日、長崎市公会堂で外国人側のエース格だったゴリラ・モンスーンを破って以来6年ぶりの「大物食い」をやってのけました。星野と木戸の公式戦は14分51秒、逆エビ固めで星野が勝ちました。
第17戦、4月25日、広島県福山市体育館(テレビ生中継、観衆5,000人超満員発表)では優勝の行方を左右する注目の2大公式戦が組まれています。
セミファイナルは日本プロレス崩壊時の因縁を巡る坂口と大木金太郎の遺恨試合。「これはプロレスの枠を越えた喧嘩になる、喧嘩のレフェリーはしたくない」とミスター高橋が会社にレフェリングの辞退を申し出。
事態を重く見た新日本プロレスはマスコミ各社に呼びかけ、桜井康雄(東京スポーツ)、鈴木庄一(日刊スポーツ)、石川雅清(デイリースポーツ)、藤沢久隆(月刊プロレス)竹内宏介(ゴング)、小池幸雄(フクニチスポーツ)等マスコミ識者による「試合監視委員会」が結成され、「試合監視委員会」は両者に対し「スポーツマンシップに則り、正々堂々と試合をするように」と異例とも言える勧告を行い、高橋は予定通りレフェリーを務めることになりました。
坂口を「頭突き6発で倒す」と公約した大木は定石通り猪木戦同様、ヘッドバットの奇襲を狙いましたが、坂口先に張り手を見舞われ奇襲は未遂に。
「勝つも負けるも頭突き一筋」の大木はそれでも坂口の頭部を摑み、ヘッドバットの連発、6発では坂口を倒せず、しかし坂口は左の目の上から流血、大木は坂口の割れた目の上を狙ってジャンピング・ヘッドバット。ダウンした坂口は場外から椅子を持ち出して大木の石頭を殴りつけ、コーナーマットを外し、剥き出しになった金具に大木の額をぶつけていきます。
大木も額から流血、坂口はアトミックドロップ、シュミット式バックブリーカーと荒鷲殺法を見せてフォールにいきましたが、大木の足はロープへ。ブレイクを命じる高橋レフェリー。両者ブレイクして立ち上がった瞬間に大木は一本足原爆頭突き、この後両者場外に降りて果てしない場外乱闘が続き、14分41秒、ノーコンテストが宣せられました。
通常、ノーコンテストであれば両者無得点となりますが、マスコミ識者で作られた「試合監視委員会」は決着をつけさせるとして5月9日、香川県高松市民文化センターで再試合が決定しました。
メインイベントは前年度優勝決定戦と同一カードとなる猪木とクラップの公式戦。クラップは、両足のリングシューズの裏に「INOKI」とローマ字でプリントし「猪木を足の裏で踏み潰す」と言った意味の挑発行為。
猪木はクラップの挑発には乗らず、足を捉えるとリング中央で足4の字固め。苦しむクラップですが上体をおこしてロープヘ逃げようともがきましたが外れない。しかし猪木はクラップに合わせて一緒に上体を起こしてしまったのが失敗でした。
クラップは足4の字固めを掛けられた状態で猪木の頭部を掴むと必殺技のブレーンクロー。両のコメカミを絞め上げていきました。これで足4の字固めが外れました。ここでテレビ生中継は放送時間が修了。
猪木はコーナーマットにクラップを叩きつけてからドロップキック、クラップは場外に転落、エプロンに上がってきたところをロープ越しのブレーンバスター、しかし、クラップのセコンドについていたSデストロイヤーがリング下から猪木の足を掬いました。場外に落とされた猪木はクラップの鉄柱攻撃、ボディスラムを食らい、場外でダウン。クラップはサッとリングイン。19分29秒、猪木のリングアウト負けとなり、猪木は開幕戦の大木戦に次いで2敗目となり、決勝進出に黄色信号が灯りました。クラップは1敗はしたものの猪木、坂口、S小林の3強を総ナメにしています。
この日S小林はテレビ生中継前の試合に出場、齋藤とのフリー同士によるタッグチームを結成しマイク&Jガニア組と45分3本勝負で対戦。1本目は6分19秒に齋藤がJガニアを背骨折り、2本目は4分17秒、S小林がマイクをキャメルクラッチでギブアップさせ、S小林&齋藤組が2−0のストレート勝ちを収めました。
この日のその他の公式戦はSデストロイヤーが永源をカナディアン・バックブリーカーで破り、前日クラップを破って絶好調の小鉄はFシンを6分32秒、体固めでフォール勝ちしています。
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