72年国際プロレス「第4回IWAワールド・シリーズ」はストロング小林の初優勝でその幕を閉じましたが、その翌日、5月7日、旭川市体育館(観衆4,000人発表)から追撃戦として「ワールド選抜シリーズ」が開幕、北海道をサーキットしています。(全大会ノーテレビ)
ホースト・ホフマンが5月6日、盛岡・岩手県営体育館大会で帰国、「ワールド選抜シリーズ」には不参加。
開幕戦の旭川では、小林のIWA世界ヘビー級王座にバロン・フォン・ラシクが挑戦、両者は前71年11月12日、千葉県銚子市体育館で同王座を賭けて対戦、1−1から両者リングアウトの引き分けで決着がついておらず、今回が約半年ぶりの決着戦となりました。
1本目は21分2秒、小林が逆エビ固め、2本目は7分11秒、ラシクが頭蓋骨掴み(ブレーンクロー)、決勝の3本目は3分16秒、小林が体固めでフォール勝ち。2−1で小林が勝利を飾り12度目の王座防衛に成功しています。
セミファイナルはサンダー杉山&地元北海道出身(中川郡中川町)ラッシャー木村&寺西勇組とモンスター・ロシモフ&イワン・バイテン&ティト・コパ組の大中小トリオが対戦、1本目は17分11秒杉山がコパを逆エビ固め、2本目は17分50秒、バイテンが寺西を体固め、決勝の3本目は5分27秒、寺西がバイテンをアバラ折り(コブラツイスト)でギブアップさせ、2−1で杉山&木村&寺西組に凱歌が上がっています。
ドン・レオ・ジョナサンは大磯武を11分2秒、体固めで破り、ジョージ・ゴーディエンコは大剛鉄之介を14分53秒、体固めで降しました。アリババ・マルスターニはミスター珍に10分42秒、片エビ固めでフォール勝ち、レイ・ゴールデン・アポロンは本郷篤を11分25秒、体固めで撃破しています。
ジョナサン、ラシク、アポロンは旭川大会のみ参戦し帰国しました。「外国人レスラー週給の法則」(外国人レスラーは1週いくらの週給制が原則)でいくと「第4回IWAワールド・シリーズ」開幕戦の3月27日、札幌中島スポーツセンター大会が72年は月曜日、5月7日の旭川大会が日曜日。すると月〜日で丁度6週となります。これを1日でもオーバーすると1週分のギャラが発生するということになりますが、当時の国際プロレスは、これだけのメンバーを6週間参加させていたのだからやはり凄かったということでしょう。
第2戦、5月9日、瀬棚郡今金小学校校庭特設リング(観衆4,500人超満員発表)大会ではメインイベントで杉山&木村組がロシモフ&バイテン組と対戦、1本目は17分17秒、ロシモフが木村を体固め、2本目は12分2秒、木村がロシモフに反則勝ち、決勝の3本目は3分42秒、木村がロシモフを逆エビ固めでギブアップさせ、2−1で杉山&木村組の勝利。
「第4回IWAワールド・シリーズ」中にはほとんどフォール、ギブアップを取らせていなかったロシモフでしたが、「ワールド選抜シリーズ」は「オープン戦」、「消化試合」とあって気が緩んだか、あるいは「モンスター・ロシモフ」として国際プロレスに登場するのはこれが最後となるのがわかっていて恩人吉原功社長への恩返しとばかりサービスしたか、全10大会中、9大会がバイテンとの「同士討ち連発」の面白タッグチームで9大会中8大会が、最後の3本目にロシモフが逆エビ固め(1回だけ逆片エビ固め)でギブアップして負けています。
それにしても大盤振る舞いし過ぎで、地方大会だからといって手を抜いたマッチメイクをしているとしか言いようがないです。
セミファイナルは小林とゴーディエンコのシングルマッチ45分3本勝負、1本目は16分5秒、小林が体固め、2本目は6分15秒、ゴーディエンコがエビ固め、決勝の3本目は3分25秒、小林が逆エビ固めでゴーディエンコからギブアップを奪い、2−1で小林の完勝に終わりました。
寺西はマルスターニを15分10秒、アバラ折り(コブラツイスト)でギブアップさせ、コパは大磯に15分15秒、逆さ押さえ込みでフォール勝ちしています。
5月13日、深川市花園公園特設リング(観衆3,000人満員発表)大会、メインイベントは小林&杉山組vsロシモフ&バイテン組の対戦、1本目は22分11秒、ロシモフが杉山を体固め、2本目は4分38秒、小林がロシモフに反則勝ち、決勝の3本目は杉山がロシモフを逆エビ固め。2−1で小林&杉山組に軍配が上がりました。
セミファイナルは木村とマルスターニのシングルマッチ45分3本勝負。1本目は16分27秒、リングアウト勝ち、2本目は8分5秒、逆エビ固めで木村が連取し2−0のストレート勝ちを収めました。大磯とコパのシングルマッチは13分25秒、回転エビ固めで大磯のフォール勝ち。ゴーディエンコはこの「ワールド選抜シリーズ」開幕戦からリングネームを紫鬼三から改名したデビル紫を12分5秒、体固めで降しています。
5月18日、網走市民体育館(観衆3,000人発表)大会。メインイベントは小林&木村組とロシモフ&バイテン組が対戦しました。1本目は19分45秒、ロシモフが小林を体固め、2本目は6分25秒、小林がバイテンを体固め、決勝の3本目は4分32秒、小林がロシモフを逆エビ固めでギブアップさせて2−1で小林&木村組が勝利を飾っています。
セミファイナルは杉山とゴーディエンコのシングルマッチ45分3本勝負。1本目は9分27秒、ゴーディエンコが体固め、2本目は5分7秒、杉山が逆エビ固め、決勝の3本目は8分33秒、杉山が体固め。2−1で杉山がゴーディエンコから2本連取して完勝しています。
寺西はマルスターニを16分25秒、アバラ折り(コブラツイスト)で破り、大剛はコパを12分17秒、回転エビ固めで降しました。
シリーズ最終戦は5月20日、根室市青少年体育センター(観衆3,000人発表)大会。メインイベントは小林&寺西組vsロシモフ&バイテン組。1本目は15分37秒、バイテンが寺西を体固め、2本目は6分43秒、寺西がロシモフに反則勝ち、決勝の3本目は4分36秒、寺西がバイテンをアバラ折り(コブラツイスト)でギブアップさせ2−1で小林&寺西組が最終戦を勝利で飾りました。
セミファイナルは木村とマルスターニのシングルマッチ45分3本勝負。1本目は18分17秒に両者リングアウト、2本目は1分2秒、木村が逆エビ固めでギブアップ勝ちし2−1で木村の勝利。杉山はコパとシングルマッチで対戦し、13分23秒、体固めでフォール勝ち。
ゴーディエンコは大磯を14分39秒、体固めで撃破。ゴーディエンコは68年の来日では「岩石男」の異名通り恐るべき強さを見せつけ、「ワールド・チャンピオン・シリーズ」(第1回IWAワールド・シリーズ)ではビル・ロビンソン、豊登とベスト3に残る活躍を見せましたが、約3年半ぶりの来日では年齢的に42歳とピークを過ぎたか、予選落ち。選抜シリーズでも小林、杉山に完敗を喫しています。この時が最後の来日となりました。
国際プロレスの東京体育館大会の行なわれた4月28日の2週間後の5月12日には日本プロレスが同所で「第14回ワールド・リーグ戦」の優勝決定戦を開催、9,000人満員発表の観客を集め、国際プロレスの3,000人発表にトリプルスコアで圧勝、馬場がゴリラ・モンスーンを2−1で降して3年連続6度目の優勝を果たしています。
猪木が前71年暮れ、日本プロレスを除名・追放処分になったことで、自局のエースを失ったNETは馬場の登場を日本プロレスに強く要請。
69年にNETが後発で日本プロレスの放送を開始した時には�’肋譴了邱腓亙�送させない�∈筝�征二の試合は放送させない��ワールド・リーグ戦の公式戦は放送させない、という取り決めがなされましたが�↓�はなし崩し的に反故にされました。これは日本テレビも黙認。�,世韻呂匹Δ靴討眷Г瓩泙擦鵑任靴燭�、日本プロレスは4月3日、新潟市体育館から馬場の試合をNETに放送させてしまいました。(馬場&坂口組vsディック・マードック&マイティ・ブルータス組)
これに日本テレビが激怒、馬場vsモンスーン戦の東京体育館からの生中継を最後に日本プロレスの放送を打ち切ってしまいました。
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