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2022年02月11日07:00

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ストロング小林さん追悼(36)

70年国際プロレス「ワールド・チャンピオン・シリーズ」(第2回IWAワールド・シリーズ)は優勝決定戦の後もシリーズは継続され、これまで国際プロレスの最多興行回数シリーズは前69年の「ビッグ・サマー・シリーズ」(7月8日〜8月31日)の35戦でしたが、今回はそれを上回る10週間39戦の超ロングランシリーズとなりました。

5月15日は常打ち会場の横浜スカイホール(テレビ収録、観衆2,300人満員発表)大会。都心の後楽園ホールの1,500人よりも動員は上回りました。2000年代にプロレスリング・ノア以外の団体がディファ有明で興行を開催してもあまり満員にはなったことがなかったのと同じ理屈で、やはりファンへの馴染み度合い、親近感が違いました。 

メインイベントはストロング小林&グレート草津&サンダー杉山組の国際最強トリオが実現、ビッグ・コマンチ&ジミー・ダラ&グラン・ブラジミア組と対戦。1本目は18分43秒、草津がブラジミアを体固め、2本目は7分31秒、小林がダラを逆エビ固めでギブアップさせて、2−0のストレート勝ちで小林&草津&杉山組の国際最強トリオの快勝に終わりました。

セミファイナルはワールド・シリーズ2連覇を飾ったビル・ロビンソンがイワン・ストロゴフとシングルマッチ45分3本勝負で対戦。1本目は13分2秒、ストロゴフが首固め、2本目は3分53秒、ロビンソンが体固め、決勝の3本目は5分36秒、ロビンソンが「細かい切り返しの小技ならこちらのもの」と首固めのお返しでフォール勝ちを収め2−1で勝利致しました。

マイティ井上はコンデ・マキシミリとシングルマッチで対戦、15分2秒、アバラ折り(コブラツイスト)でギブアップ勝ちを奪っています。

5月16日、福島県原町(はらのまち)市体育館(観衆3,000人発表)大会。メインイベントは草津&杉山&清美川組がコマンチ&ストロゴフ&ブラジミア組と対戦する6人タッグマッチ。1本目は18分42秒、ストロゴフが清美川を体固め、2本目は4分55秒、清美川がストロゴフを体固め、決勝の3本目は7分21秒、草津がブラジミアから足4の字固めでギブアップを奪い、2−1で草津&杉山&清美川組の勝利。

小林はセミファイナルでロビンソンとシングルマッチ45分3本勝負で対戦、2日前の台東体育館大会での第2回IWAワールド・シリーズ優勝決定戦ではロビンソンに一敗地に塗れ、2連覇を許している小林は今シリーズ最後のシングルマッチとあってリベンジを果たしておきたいところ。

1本目は16分3秒、ロビンソンが体固め、2本目は4分45秒、小林が体固め、決勝の3本目は10分8秒、両者リングアウトとなり、1−1の引き分けに終わりました。今シリーズの両者のシングルマッチでの対戦成績は10戦し小林の2敗8分となっています。

田中忠治とマキシミリのシングルマッチは16分7秒、片エビ固めで田中がフォール勝ちし、井上とダラのシングルマッチは13分44秒、両者リングアウトに終わりました。

5月17日、千葉県流山市文化会館(テレビ収録、観衆1,300人発表)大会。この日はダブル・メインイベント。ダブルメイン第2試合は小林&草津がタッグを結成、ストロゴフ&マキシミリ組と対戦。1本目は11分32秒、ストロゴフが小林を体固め、2本目は4分13秒、小林がマキシミリを体固め、決勝の3本目は2分44秒、逆エビ固めでストロゴフからギブアップを奪い、小林が1人で2本取る大活躍を見せて2−1で小林&草津組が完勝致しました。

ダブルメイン第1試合は杉山vsコマンチによるシングルマッチ時間無制限1本勝負。前にも書きましたが、国際の時間無制限1本勝負と言うと、「ホントは金網デスマッチじゃないのか?」と疑いたくなりますが、金網が導入されるのは、この年の秋になります。試合は19分16秒、杉山がエビ固めでコマンチを降しました。

ロビンソンはダラとシングルマッチで対戦、17分57秒に体固めで完勝。田中とブラジミアのシングルマッチは18分59秒、回転エビ固めで田中がフォール勝ちしています。

5月18日は房総半島を南下して千葉県館山市民センター(テレビ収録、観衆3,500人満員発表)大会。メインイベントはIWA世界ヘビー級選手権試合、王者ロビンソンに草津が挑戦。1本目は僅か44秒、ロビンソンが電光石火の逆さ押さえ込みで先制、2本目は13分15秒、草津がアバラ折り(コブラツイスト)で返し、決勝の3本目は3分49秒、ロビンソンが首固めで取り2−1でロビンソンが王座防衛。

IWA世界ヘビー級王座の防衛戦が日本で行われたのは、前69年5月5日、新潟市体育館での対ラッシャー木村戦(時間無制限1本勝負、10分42秒、ロビンソンが体固めで勝ち4度目の王座防衛)以来1年ぶり。この間にロビンソンはヨーロッパで23度の王座防衛に成功しており、草津戦が28度目の防衛という記録が残されていますが、ロビンソンは69年夏〜70年の来日まではヨーロッパで試合はしておらず、カナダ、オーストラリアに遠征しており、この23回の防衛戦というのはやっていないだろうと思います。

セミファイナルは小林&杉山&田中組vsコマンチ&ストロゴフ&マキシミリ組の6人タッグマッチで、1本目は13分41秒、小林がマキシミリを体固め、2本目は4分12秒、杉山がコマンチを体固めに決めて2−0で小林&杉山&田中組のストレート勝ち。

清美川はダラとシングルマッチで対戦し、15分20秒、体固めでフォール勝ち。中堅どころで頭角を現して来た寺西勇はブラジミアとシングルで対戦、12分36秒、回転エビ固めでフォール勝ちを収めました。

シリーズ最終戦は5月19日、仙台市レジャーセンター(テレビ収録、観衆3,000人超満員発表)大会。TBSネットワークが強く、集客で日本プロレスを凌駕している仙台ですが、2か月間隔が空いているとは言え、同じシリーズの3月19日に同じ仙台の宮城県スポーツセンターで興行を開催したばかりであり、国際の仙台での興行依存度の高さが伺えます。

宮城県スポーツセンターより一回り小さいレジャーセンターを持ってきたのは興行スパンの短さを考慮して手堅いハコ選びに出たかと…。

メインイベントは前日、草津を相手にIWA世界ヘビー級王座を防衛したロビンソンに最後の砦杉山が挑戦。小林はワールド・シリーズ決勝で敗れており、草津は前日敗れており、国際プロレスの期待は杉山にかかりました。

今シリーズでの杉山の対ロビンソンのシングルマッチの成績は4戦3敗1分と分が悪いですが、最終戦でロビンソンに防衛されると長期に亘ってベルトが再び海外へ行ってしまうことになります。

1本目は15分22秒、杉山が体固めで先取、2本目は2分2秒、ロビンソンが逆さ押さえ込みで返し1−1。決勝の3本目はラフな展開となり場外乱闘に。リングに戻る杉山にロビンソンがしがみついて両者リングアウトの場外心中を狙いにいくも、杉山はエプロンでロビンソンにエルボースマッシュ一閃、これでロビンソンがロープに足を絡めたままエプロンで宙吊りになってしまい自力脱出出来ず、杉山はリング内へ。

レフェリーの非情のカウントは進み、4分53秒、カウントアウトで杉山がついにロビンソンから勝利。2−1で杉山が勝ちベルト移動。第2代IWA世界ヘビー級王者なりました。杉山は土壇場でベルトを国際プロレスにもたらしました。

今シリーズ、杉山はテレビ収録の大会で1人で2本奪って自軍に勝利を呼び込むことが多かったですが、それもそのはず、シリーズ前にインテリアデザイナーの新田真佐美さんと結婚。(後に離婚)ベルトと併せてまさに「両手に花」。国際プロレスに杉山時代が到来しました。

小林はセミファイナルに出場、草津&清美川とのトリオでコマンチ&ストロゴフ&マキシミリ組との6人タッグマッチ。1本目は7分58秒、清美川がストロゴフを体固め、2本目は1分42秒、ストロゴフが清美川を体固め、決勝の3本目は4分11秒、小林がマキシミリを体固めに決めて2−1で小林&草津&清美川組が勝ちました。

53歳の老雄、清美川は途中スタミナ切れも考えられましたが、最後まで長期のシリーズを乗り切ったのは立派でした。

田中はダラとシングルマッチで対戦、13分41秒、逆片エビ固めでギブアップ勝ち。大磯武はブラジミアを13分3秒に体固めで降しています。

長期に亘った「ワールド・チャンピオン・シリーズ」(第2回IWAワールド・シリーズ)ですが、第1回のロビンソン、ジョージ・ゴーディエンコ、ピーター・メイビア、レイ・ゴールデン・アポロン、ジョン・ダ・シルバ、ジルベール・ボワニーなどの外国人勢からはかなり見劣りし、公式戦もきちんと行われておらず、盛り上がりには欠けた展開となってしまいました。
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