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2020年10月13日23:07

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ありがとう!横浜文化体育館(35)

U系第4番目の団体として藤原組から派生したパンクラスは93年9月21日、千葉・浦安市の東京ベイNKホールで旗揚げ。船木誠勝、鈴木みのる、冨宅飛駆(祐輔)高橋義生、柳澤龍志、稲垣勝臣ら藤原組からの退団メンバーで結成されました。藤原組のトップ外国人であったウェイン・シャムロックもパンクラスヘ移籍。社長は元週刊プロレス編集部の尾崎允実が就任。

無駄な贅肉のない研ぎ澄まされた肉体と競技性を重視したハイブリッド・レスリング(異種のものを組み合わせるの意)をコンセプトとし、「秒殺」という言葉を流行らせました。競技と呼ばれるスポーツは一秒でも早く目的にたどり着くか、1点でも多く得点をあげるものがほとんどでプロレスのように相手の良さを引き出すモノではありません。パンクラスは蹴りを受けるとか見せるなどの要素を徹底的に排除しました。

「パンクラス」の名付け親は藤原組の顧問だったカール・ゴッチでしたが、ゴッチはUWF時代からレガースを使ったキックについては明らかに拒絶反応を示しており、ゴッチがパンクラスのリングに立会人やゲストで呼ばれたことはありません。

赤と黒の✕をデザインした団体ロゴは若者達にも受け、プロレスらしくないセンスの良さで好評を博しました。旗揚げ戦ではエース船木がシャムロックに敗れ、また全6試合のトータル試合時間が13分5秒というのが話題を集めました。既にU系団体としては藤原組、UWFインターナショナル、リングスと3団体がひしめき合う状況であり、パンクラスはU系の中でも差別化を図っていかなければ簡単には生き残れない時代になっていました。

パンクラス初の横浜文化体育館大会は旗揚げから4か月後の94年1月19日「PANCRUSH!」(観衆5,645人超満員発表)。東京ベイNKホールでの旗揚げ興行の後は名古屋、神戸、大阪と興行を開催し、関東に戻ってきて2回目の興行。平日の水曜日開催でしたが、私はこの興行は生で観戦しています。

メインイベントは旗揚げ戦で船木を破ったWシャムロックが鈴木みのると対戦。来日前の93年11月12日に行われた第1回UFCではホイス・グレイシーのチョークスリーパーにまさかのタップ負けを喫したWシャムロックでしたが、この日は無類の強さを発揮、7分37秒、膝十字固めで鈴木からギブアップ勝ちを収めています。 

船木はセミファイナルでオランダのバス・ルッテンと対戦、東京ベイNKホールでの旗揚げ戦では柳澤を僅か43秒、KOに降し、勝利時にリング四方に向けて開脚飛び「ルッテン・ジャンプ」を披露してファンの心を掴んだルッテンでしたがキックボクサーであることからグラウンドでの対応力が今ひとつで2分28秒、船木のアンクルホールドにギブアップ負けを喫しました。 

冨宅はスコット・ビーザックを3分4秒、ヒールホールドで撃破、柳澤はジェームス・マシューズを腕ひしぎ逆十字固めでギブアップ勝ちを収めました。

パンクラスは団体旗揚げ2年目の94年に自前のベルト、「キングオブ・パンクラス」王座を新設、12月16、17日の2日間に亘り両国国技館で王座決定トーナメントが行われ、決勝では修斗からパンクラス入りした「親分」山田学に判定勝ちしたWシャムロックが初代パンクラシストに。

95年初の横浜文体大会は3月10日「EYES OF BEAST」(観衆5,560人超満員発表)。メインイベントはキングオブ・パンクラス選手権、初代王者Wシャムロックがルッテンを迎え撃っての初防衛戦。1分1秒、膝十字固めでWシャムロックが勝ち王座初防衛。

セミファイナルはランキング戦、3位の船木がWシャムロックの血縁関係のない弟、フランク・シャムロックと対戦。5分11秒、ヒールホールドで船木がFシャムロックを撃破。弟も兄に負けず劣らずのテクニックを持っていますが経験値の差が出ました。

ランキング戦、2位の鈴木はグリゴリー・スミットを9分10秒、チョークスリーパーで失神させました。プロレスでは喉に入れるチョークは反則になりますが、パンクラスのリングでは「合法」となりました。パンクラスがチョークスリーパーを容認したのはUFCに倣ってかと思います。

ランキング戦、4位の山田はジェイソン・デルーシアと対戦、1分41秒、デルーシアの掌底の連打を浴びて左頬に裂傷負い、出血がひどくドクターストップ負け。デルーシアがランキング4位になりました。

パンクラス生え抜きの渋谷修身、伊藤嵩文もデビューし日本陣営も充実。

95年は11月4日にも「EYES OF BEAST」横浜文体大会(観衆5,687人超満員発表)が開催されています。こちらは私は生観戦しました。

キングオブ・パンクラス王座はWシャムロック→鈴木→ルッテンと移動。第3代王者ルッテンはこの日、キックボクシングから総合格闘技に転身したモーリス・スミスとノンタイトル戦を行い、4分34秒、チョークスリーパーでルッテンを降して勝利。ルッテンもグラウンドの技術がどんどん上がり、船木、鈴木を苦しめたスミスを絞め技でタップを奪いました。これが、団体が意図するところのハイブリッド(雑種、交配、混合)レスリングなのでしょう。

セミファイナルはランキング戦、2位の船木がFシャムロックと対戦、3月には同所で同一カードが実現、船木が完勝していますが、今度は10分31秒、Fシャムロックがアンクルホールドで船木からタップを奪い、ランキング2位に浮上。

冨宅vsデルーシアは30分時間切れ判定ドロー。秒殺を売りにしたパンクラスでしたがお互いに手の内がわかって来るとこういった膠着した試合も増えてきます。

前キングオブ・パンクラシストでランキング1位の鈴木はランキング戦でトッド・メディーナを1分30秒、腕ひしぎ逆十字固めで破りました。

高橋はスコット・ビーザックを相手に2分26秒、掌底連発でKO勝ちを収めました。
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