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2020年10月10日22:07

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ありがとう!横浜文化体育館(32)

U系団体で2番目に旗揚げ興行を行った高田延彦のUWFインターナショナル(91年5月10日、後楽園ホール)は団体活動期間中(91年5月〜96年12月)は一度も横浜文化体育館での興行開催はありません。大規模会場のビッグイベント開催に拘り、横浜では横浜アリーナがメイン会場でした。

晩年とされる95年以降は興行規模はかなり縮小されましたが横浜文体とは縁がなく終焉を迎えました。後継団体の「キングダム」は横浜文体での開催はありますが、こちらは稿を改めたいと思います。

Uインター旗揚げ興行の1日後、91年5月11日、横浜アリーナで旗揚げ戦を開催した前田日明率いるリングスですが、1月7日の新生UWF選手ミーティングで「解散だ!」と言ってしまった当事者の前田には新生UWFの選手は誰一人ついて来ず、所属日本人選手が前田一人という状況でスタート。

しかし、オランダ格闘技界のラスボス、クリス・ドールマンが協力を決めたことでオランダの立ち技系選手が多数参戦することで試合を組むことが出来ました。ドールマンはサンボ世界王者で、76年2月6日、新日本プロレスの日本武道館大会で行われた猪木vsウィリエム・ルスカの「格闘技世界一決定戦」にルスカのトレーナー、スパーリング・パートナーとして来日、猪木のバックドロップ3連発にタオルを投げた人物として知られており、オランダ軍団の存在は既に新日本プロレスが目を付けており、坂口征二社長がドールマンと交渉していましたが、前田が誠意を持ってドールマンを説得、オランダ軍団獲得に成功しました。

また、新生UWFを中継していたBS放送の「WOWOW」は3派に分裂したU系団体の中で新生UWFのエースであり、カリスマであった前田を選択、WOWOWとの契約を取り付けたことで順調にスタートを切りました。

日本人選手もUインターの練習生だった長井満也がデビュー前にリングスに移籍、空手の正道会館から角田信朗、佐竹雅昭が参戦、「ファイティング・ネットワーク」をコンセプトとし、「世界最強の男はリングスが決める!」をキャッチコピーに掲げて、総合格闘技団体のカラーを強く打ち出していきました。

新日本プロレスが88年秋に旧ソ連のレッドブル軍団と契約したのに傚い、日本コマンド・サンボ連盟の堀米奉文会長ルートからロシアのコマンド・サンボの選手を招聘、91年12月7日、有明コロシアム大会にはヴォルク・ハンを招聘、その「回転体」と言われた華麗なる動きは日本のファンがこれまでに見たことがないもので強烈なインパクトを与えました。

リングスも大会場開催には拘っていましたので横浜では旗揚げの地、横浜アリーナでの興行が主軸でした。横浜文体大会初開催は93年4月24日「BATTLE DIMENSION 格闘新次元」(観衆4,760人満員発表)。ワンマンエースである前田は膝の手術の為欠場中。

メインイベントを飾ったのは1月23日、東京ベイNKホール大会でのメガバトル・トーナメント3位決定戦でヘルマン・レンディングに勝ったを最後に膝の手術を行う為に欠場となった前田不在のリングスの「暫定エース」となったハン(ランキング5位)。長井(同15位)とのランキングマッチ。

リングスでは92年10月からの「メガバトル・トーナメント」(第1回はディック・フライを破ったドールマンが優勝)開催後、ランキング制を導入し次回以降のトーナメントの組み合わせに影響するよう、単なる消化試合にならない為に工夫を凝らしていました。

試合は16分5秒、ハンがアームロックで長井をギブアップさせて完勝しました。(ランキングの移動はなし)

セミファイナルでは藤原組より移籍したバート・ベイルがハンス・ナイマンと対戦、8分35秒、ナイマン蹴りを上手く捌いてフェイスロックでギブアップ勝ち。立ち技のナイマンはサブミッションに引き込まれると脆くなる一面を度々見せています。

ディック・フライvsピーター・ウラのオランダ対決はロストポイント差でウラの判定勝ち。前92年5月16日、有明コロシアムで同時デビューを果たしたリングス生え抜き第1号新人、山本宜久と成瀬昌由の同期対決は8分48秒、左肘を負傷した山本のドクターストップ負けとなりました。

また、試合前の全選手入場式の後、リングス・オランダでこの大会の前に射殺されたトム・フォン・マウリックの追悼セレモニーが行われています。ドールマン率いるオランダ勢は酒場のバウンサー(用心棒)など裏社会で稼ぎを得ている選手が多く、ドールマンがビジネスパートナーとして新日本プロレスではなく前田のリングスを選んだのは、そう言った若者たちを格闘家として食べられるようにして欲しかったからでした。
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