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2020年08月07日23:20

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ジャンボ鶴田怪物伝説(692)

全日本プロレス対ジャパンプロレスの抗争も2年目に突入、86年は新春シリーズとなる「ニューイヤー・ウォーズ SUPER BATTLE86」は、ついに全日本プロレスが元日興行を初開催。従来の1月2日、3日の恒例の昼興行と併せての後楽園ホール3連戦で幕開けとなりました。

新日本プロレスは82年から4年連続続けて来た元日興行からは撤退。1月3日が金曜日だった為、新春シリーズである「ニューイヤー・ダッシュ86」開幕戦となる後楽園ホールからの生中継と前85年12月25日、猪木、藤波が新しい提携先であるフリッツ・フォン・エリック主宰のワールドクラス・レスリングに遠征、テキサス州ダラス・リユニオンアリーナからの中継(猪木vsスティーブ・ウィリアムス、藤波vsマスクド・ディモン他)が特番90分枠で放送されました。

前85年12月6日、両国国技館に自主興行開催が困難となったUWFの前田日明、藤原喜明、木戸修、高田伸彦、山崎一夫の5戦士が新日本プロレスのリングに「業務提携」として会場に現れ、このシリーズから若手の中野辰雄(翼燿)、安生洋二、宮戸成夫(優光)らと共に新日本プロレスへ参戦。人員不足に苦しんでいた新日本プロレスは陣容が強化されました。

これは後日談ですが前田の話によるとUWFが興行活動を休止した時、選手の今後の身の振り方を考えた前田が、新日本プロレスを離れた経緯から、いきなり頭を下げて新日本に復帰を依頼するよりも、まず、全日本プロレスに参戦を打診したところ、馬場は、

「ウチも今ジャパンプロレスだ何だと大変だから、全員は取れない。前田君と高田君だけでいいんだよ」と回答。グッドワーカーを自認しどこでもいい仕事が出来ると思っていた藤原、木戸はショックを受けた、UWFはあくまでも全員引き取ってもらうことが前提条件で、そんな中、山本小鉄に「戻ってこい」という言葉をかけてもらい新日本プロレス復帰が決まった、という話です。
  
全日本プロレスは2年連続の新春シリーズ名変更。新日本プロレスも74年以来12年間続けて来た「新春黄金シリーズ」の名称を変更しています。これは80年代も後半に入り、シリーズ名も横文字を使い、若いファンにアピールしていこう、BIの時代から鶴藤長天の時代へと移行しようと試行錯誤をしていたからだと思います。

「ニューイヤー・ウォーズ SUPER BATTLE86」参加外国人は序盤戦特別参加が初来日となるニキタ・コロフ&クラッシャー・クルスチェフ組のザ・ロシアンズ、第2戦からの参加がミル・マスカラス、第2週目からの特別参加がバリー・ウィンダム&マイク・ロトンド組のUSエキスプレス、序盤戦特別参加がトム・マギー、また、後述致しますが、当初は来日メンバーとして発表されていなかった謎の外国人、マイティ・ミロが途中参戦しています。

1年前のジャパン勢シリーズ初参戦となる「激突!オールスター・ウォーズ」に比べると外国人のメンバーが大きく減少しています。やはり、所帯は倍近くに増え、興行数も全日本、ジャパン双方併せて大幅に増加していますが、観客動員までが倍増したとは言えず、馬場もオーナーとしてはポリシーとしていた外国人選手の招聘を削らない訳にはいかなくなり、「少数精鋭」にシフト。

また85年「世界最強タッグ決定リーグ戦」に続いてシリーズに参戦予定だったダイナマイト・キッド&デービーボーイ・スミス組のザ・ブリティッシュ・ブルドッグスが、WWF参戦のスケジュールを優先させた為に来日がキャンセルされ、代わりにウィンダム&ロトンド組のUSエキスプレスが来日しています。

84年の年頭からスタートしたビンス・マクマホンによるWWFの全米制圧は新日本プロレスとの父ビンス・シニアからの親密関係を壊してしまいましたが、WWFの影響は薄いと思われていた馬場の全日本プロレスにもついに被害が及び始めてしまいました。

キッド&スミスはスチュ・ハートがカルガリーのスタンピート・レスリングの株式をビンスに売却した時、個人ではWWFと契約を結ばずフリーとしてWWFの試合に出場、ビンスもそんな二人を快く思うはずもなく、前座の扱いでカルガリー大会に出していました。

地元のヒーローが前座では観客も集まらず、WWFのカルガリーマーケットは衰退。スチュの次男であるブルース・ハートがこの86年スタンピート・レスリングを買い戻すことになりますが、キッド&スミスは新日本プロレスから全日本プロレスに移籍はしたものの、馬場も年間3シリーズ程度呼ぶのが限界、また馬場を通してNWAのクロケット・プロ等で仕事が出来るという目論見は外れました。既に全米の85%程度のマーケットはビンスの手中に収まってしまっていたのです。

生活の為には選択の余地はなく、ビンス側に寝返りWWFと契約をかわしていました。ビンスのこの年さらなるマーケット拡大を狙っての体制強化でついに来日キャンセルとなりました。
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