ジャパンプロレスの設立2周年記念興行が行われた同じ85年12月15日、日曜日の昼からは大田区の池上本門寺において力道山23回忌追善の法要が行われました。
「力道山直系の保守本流」を自認する馬場の全日本プロレスからは馬場、鶴田、天龍、タイガーマスクを初め力道山の指導を受けた大熊元司、グレート小鹿、ジョー樋口レフェリー、百田家側として敬子未亡人、力道山の実子である百田義浩、百田光雄らが多数出席。
新日本プロレスからは力道山門下生にあたる猪木と星野勘太郎が出席しています。
一連の引き抜き抗争以来、馬場と猪木が公の場で同席、BIはマスコミの要望に応え、力道山の墓を挟んでツーショット撮影に応じました。私は昨年19年9月1日、新宿・百人町ネイキッド・ロフトで行われた元週刊ゴング編集長、ドクトル・ルチャこと清水勉氏主催のイベントでこの法要の秘蔵映像を見ることが出来ました。
印象に残っているのが猪木が「敵陣」にも関わらず終始笑顔で周りに接し、お焼香の際も馬場にさりげなく順番を譲る気配りを見せていたという社交性の素晴らしさを発揮していたことでした。
この席上で顔を合わせた馬場と猪木は「選手引き抜きに関わる防止協定」について話し合いを持ち、これ以上の選手の引き抜きは行わず、ファイトマネーの高騰を防ぐことで一致。後日12月19日に両者から引き抜き防止に関する書面を作成し、選手リストが交換されています。
また、8月に新日本プロレスを離脱しジャパンプロレスのリングに上がっていたスーパー・ストロング・マシン、ヒロ斉藤、高野俊二のカルガリー・ハリケーンズの3人については新日本プロレスとテレビ朝日の契約満了となる翌86年3月31日迄は全日本プロレスのリングには上がれないことが改めて確認されています。
引き抜き防止リストの中には長州力以下ジャパンプロレス勢の名前も入っていました。
85年の東京スポーツ新聞社制定による「プロレス大賞」が選定され、年間最高試合賞(ベストバウト)には11月4日、ジャパンプロレス大阪城ホール大会の長州vs鶴田戦が選ばれています。長州は3年連続のベストバウト受賞(83年は4月3日、新日本プロレス蔵前国技館でのvs藤波とのWWFインターナショナル・ヘビー級選手権試合、84年は8月2日、蔵前でのvs猪木戦)となりました。
また、年間最優秀タッグチーム賞はインターナショナル・タッグ王座を1年間守り抜いた鶴田&天龍の鶴龍コンビが新日本プロレスのIWGPタッグ・リーグ戦優勝チームである藤波&木村健吾組を抑え受賞、鶴田はダブル受賞に輝きました。最優秀選手賞(年間MVP)は藤波が獲得しています。
殊勲・敢闘・技能の三賞のうち全日本プロレスのタイガーマスクが敢闘賞を受賞。負傷欠場もありましたがNWAインターナショナル・ジュニア・ヘビー級王座獲得が受賞の決め手になっています。
年末の12月29日、ニュージャージー州イースト・ルーサーフォード・メドーランズ地区ブレンダン・バーン・アリーナにて全日本プロレスの「世界最強タッグ決定リーグ戦」にテッド・デビアスとのコンビで優勝したスタン・ハンセンがリック・マーテルの保持するAWA世界ヘビー級王座に挑戦。
14分1秒、コーナーマットに頭を着けた状態で絞め上げる逆エビ固めでマーテルをギブアップさせ、AWA世界ヘビー級王者となっています。
※85年編は今回にて終了。次回より、86年編をお送り致します。ハンセンのAWA世界王座獲得でハンセン、鶴田、長州、天龍が4すくみのベルト争奪戦を展開、タッグでは鶴龍コンビvs長州&谷津嘉章組の全日本対ジャパンの軍団抗争が本格化、カルガリー・ハリケーンズ襲来、元横綱・輪島大士全日本プロレス入り、キラー・カーン、ジャパンに造反、タイガーマスク猛虎七番勝負開始など、盛り沢山の内容でお届け致します。お楽しみに!
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