85年12月15日、後楽園ホール(観衆3,400人超満員発表)でジャパンプロレス設立2周年記念興行が開催されました。私はこの興行は観に行っています。
全日本プロレスのリングには契約の関係でまだ上がれないスーパー・ストロング・マシン、ヒロ斉藤、高野俊二のカルガリー・ハリケーンズが参戦。全日本プロレスからも中堅選手が参戦していますが、外国人選手、国際血盟軍の参戦はなし。
ジャパン対ハリケーンズのトップ同士による3大シングルマッチが組まれています。ハリケーンズは11月のジャパン自主興行シリーズ「ニューウェーブ・イン・ジャパン」以来の試合出場となりました。
メインイベントでは長州力と8月5日、大阪城ホールで長州に対戦要求を行ったマシンがシングルマッチで激突。(60分1本勝負)両者は長州らジャパンプロレス勢が新日本プロレスを抜ける最後の84年「ブラディ・ファイト・シリーズ」で1シリーズだけ一緒になっていますが対戦はなし。
試合は長州がマシンにサソリ固め。マシンはこれを自力で匍匐前進してロープエスケープ。しかしこれを長州がブレイクせずにリング中央に強引に引き戻して絞め続けました。
マシンはそれでもロープににじりより手をかけましたが長州はまたもサソリを離さずリング中央ヘ。同じ動きを計4回行った長州に対し、マシンのセコンドについていたH斉藤と高野俊が「ブレイクだろっ!」とレフェリーに抗議も受け入れられず。
怒ったH斉藤と高野俊がリングに上がり、長州に暴行。16分48秒、長州の反則勝ちとなりました。
セミファイナルはジュニア頂上決戦、小林邦昭vsH斉藤の一騎討ち(45分1本勝負)。8月7日、後楽園ホールでH斉藤が試合後の小林を挑発、一触即発の雰囲気になってから4か月でのシングルマッチとなりました。
ジャパン勢大量離脱の後の84年10月「闘魂シリーズ」にカルガリーから凱旋帰国しているH斉藤は「虎ハンター」として大ブレイクしていた小林とはすれ違い。
小林が得意のソバットを見せ、H斉藤は場外へ転落。これを見た小林がロープヘ飛んで、場外のH斉藤めがけてトペを放っていきましたがH斉藤はこれをかわし、小林は自爆。すかさず場外でジャーマン・スープレックスを決めたH斉藤がリングに上がり、11分47秒、H斉藤がリングアウト勝ち。
初戦はH斉藤の勝利となりましたが両者はこの後全日本プロレスのリングでは世界ジュニア・ヘビー級王座、新日本プロレスに戻ってからはIWGPジュニア・ヘビー級王座を賭けて長い期間ライバルとして抗争を展開することになります。
セミ前に組まれたのは谷津嘉章と高野俊の新シングルマッチ(30分1本勝負)。こちらは地力で優る谷津が10分47秒、ブルドッキング・ヘッドロック2連発からのダイビング・エルボードロップで片エビ固めに決め、谷津の完勝となりました。
第3〜5試合はジャパンと全日本の対抗戦、寺西勇&永源遙組とマイティ井上&大熊元司組は10分40秒、大熊が首固めで永源を降し、全日本軍の勝利。保永昇男vs渕正信のシングルマッチは13分51秒、両者リングアウトの引き分け。
栗栖正伸とハル薗田のシングルマッチは8分29秒、逆さ押さえ込みで薗田のフォール勝ち。
ジャパン同士の新倉史裕と仲野信市のシングルマッチは18分15秒、仲野が首固めで勝ちました。仲野は新日本プロレスでは79年3月にデビューしていますが、83年1月に退団、佐川急便に就職しドライバーをしていました。しかし、リングへの思いを捨て切ることは出来ず、84年3月に再デビュー。81年1月デビューの新倉より後輩になっていましたが先輩超えを果たした訳です。
第1試合のジャパン対全日本、笹崎伸司と百田光雄のシングルマッチは5分13秒、光雄がバックドロップからの体固めで若手の笹崎を退けています。
さて、6月に池尻に事務所を構え、長州を社長に据えたジャパンプロレスは水面下で全日本プロレスからの独立を画策。TBSのレギュラー放送を取り付けるべく動いて来ました。
芸能プロダクションであるソウマオフィスと番組レギュラー放送制作に関する契約を結び、この日の午後7時30分から長州の特番を90分枠で放送する予定でしたが、放送は翌週の12月22日からのドキュメンタリー番組「ザ・スペシャル」(60分枠)での「燃えろ!闘え!長州力」に変更。
当初、大晦日に紅白歌合戦の裏番組としてジャパンプロレスの試合中継「格闘技大戦争」を放送、翌86年3月にも90分枠の特番を放送し4月からのレギュラー放送開始という構想でしたが、TBSの上層部が国際プロレスを放送した「TWWAプロレス中継」(68年1月〜74年3月)の失敗があったことから「プロレスは二度と放送したくない」と拒否反応を示し、放送開始には至らずに終わりました。
長州らジャパンプロレスの全日本プロレスからの完全独立はTBSの支援なくして実現は出来ず、ここで頓挫してしまいました。
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