朝。輝莉が起きたらもうベッドに律音の姿はなかった。
・・・・律音が同じベッドで寝ていたのは夢でもみていたのだろうか。
と。
ドアが開いて既に着替えていた律音が入ってきた。発声練習をしてきたらしい。こんな朝からとおもったが、フリステスでは普通なのかもしれない。
朝食の席で再度両親から決勝に出る意思を問われたが・・・・気持ちは変わらない事を伝えると、もう止める事はしてこなかった。
輝莉の部屋に戻ってきた2人。律音の第一声、「良かったね。ご両親に止めてもらえて」
そうなのだろうか。
そうらしい。律音の話だと、フリステスでは怪我しようが喉をつぶそうがエトワールを目指して休む事も許されない女の子達が何人もいるという話だ。
その女の子達はどんな家庭に育ったのだろうか。音楽一家として1本道を突き進む事だけしかさせてもらえないのだろうか。
休む事も・・・・立ち止まる事も許されず。
それを考えると心底心配してくれる家族や仲間がいるというのは本当に恵まれている気がした。
律音「優勝できるといいね。できなくてももしかしたらデビューできるかもだけど」
どういう事だろうか。PROJECT-STAR-LIGHTで優勝したグループが芸能界デビューできるのではなかったのか。
律音「え?だって優勝したSTAR-MINEだけ芸能界デビューじゃなかったでしょ?BLUE-HAWKSと月宵月華もデビューしたじゃん」
そう言われたらそうだった。前回大会で優勝したSTAR-MINEだけではなかった。もしかしたら負けても----------
律音「いま、負けてもデビューできるんならって思った?そんな考えだと勝てないしデビューできないよ。スカウトの目はごまかせないんだからね」
と心を見透かしてくるような事を言われて心臓が飛び跳ねそうになった。たしかにプロのスカウトはそういう心の内も読めてくるのだろうか。
もちろんそのセリフに対しての返事はこうだ。勝って優勝してデビューしたいと。律音は「じゃあがんばろっ」と笑顔。
・・・・今は笑顔だが・・・・さっきの言葉は一体なんだったのか。律音は歌手だがスカウトマンではない。
もしかしたらフリステスで何かしていたのだろうか。ツアー選抜のメンバー決めをエトワールがやっていたとか・・・・。
律音「とりあえずそろそろ出発しよっか。病院寄ってかないとだし」
輝莉「そうですね-----------」
輝莉は怪我した足をみた。赤くなった腫れはこころなしかひいた気がするが・・・・ちょっと動かせばやはり痛む。
痛み止め・・・・効くのだろうか・・・・。もし効かなければ---------
痛いのを堪えて決勝戦に臨まなければならない。しかも痛いという表情も苦しそうな表情も出来ず、ひたすら笑顔で。
できる、だろうか。やらなければならないが・・・・果たして---------------
律音と輝莉は輝莉の父親の車で月乃宮総合病院へ向かった。
決勝戦へ臨む為に---------------------
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