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2018年02月12日16:31

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ファンタジープロレスの巨匠桜井康雄さん追悼(279)

新日本プロレスは78年の全日程を終え、79年に入る訳ですが、79年は大躍進の年となりました。

新日本プロレス46年の歴史の中においてはやはり興行は水物だけに浮き沈みも激しく、苦しい時期も多々ありました。

テレビ中継なし、大物外国人選手は呼べるルートも資金もなし、日本人選手も猪木以外は弱体という状態でスタートした新日本プロレスは、73年に坂口らが日本プロレスから加入、NET(テレビ朝日)の放映開始で息を吹き替えしましたが、あと半年この話が遅れていたら、新日本プロレスは資金ショートを起こして崩壊していたであろう、という発言をしていた業界関係者は多数います。

73年5月にはシンガポール在住の「吉田」なる貿易商が売り込んで来たとされるタイガー・ジェット・シンが初来日。

猪木と血で血を洗う因縁の抗争を展開。日本でトップレスラーにのし上がって稼いでやろう、という野心満々のシンと、長期に日本に滞在することが出来る、自前の外国人ライバルを作って興行の看板にしたい猪木の思惑が一致しました。

猪木とのシングルマッチは5月31日、岐阜市民センター、6月14日、大阪府立体育会館の2試合組まれ、反則決着による1勝1敗。

10月14日には蔵前国技館で猪木、坂口組vsルー・テーズ、カール・ゴッチ組の世界最強タッグ戦を実現させ12000人の大観衆を動員してみせました。

シンは10月の闘魂シリーズ第2弾に再来日。シリーズオフの11月5日、新宿伊勢丹前で買い物中の猪木、倍賞美津子夫妻を路上で襲撃するという暴挙に出て、新宿警察署が出てくる大騒ぎとなりました。

後にミスター高橋の著書によりヤラセであったことが書かれていますが、一般世間を巻き込んでの大がかりなアングルであったにせよ、猪木は話題作りの為にギリギリの線を仕掛け、シンもまた、外国で犯罪者にされかねないリスキーなアングルを必死でやって見せた訳です。

その結果、伊勢丹事件直後の11月8日、沼津市民体育館(猪木とシンが6人タッグで対戦し両者ドクターストップによる退場)、11月16日、札幌中島スポーツセンターでの猪木vsシンのシングルマッチ(猪木の反則勝ち)は超満員の観客を集めています。

このシリーズにおける猪木とシンの決着戦は11月30日、福山市体育館におけるランバージャック・デスマッチ(双方のセコンドがリング下を囲み、リング下に落ちた選手をすかさずリング内に投げ入れなければならない)で対戦。

18分6秒、バックドロップからの体固めで猪木が勝利を収めました。

12月10日、東京体育館では猪木がジョニー・パワーズを破りNWF世界ヘビー級王座を獲得。

新日本プロレスにとっては初の国際タイトルの獲得でした。これまで、力道山、馬場、大木金太郎が保持してきたインターナショナル選手権、馬場のPWF(世界)ヘビー級選手権、国際プロレスのIWA世界ヘビー級選手権はいずれも団体によって作られた言わばお手盛りの王座。

北部ローカルとは言えアメリカの現存していた団体の看板ベルトを日本人が長期的に保持することになったのはNWF世界ヘビー級王座が初。

力道山が62年3月28日にロサンゼルス・オリンピック・オーデトリアムでフレッド・ブラッシーを破り獲得したWWA世界ヘビー級王座は、7月25日、同所でブラッシーのリターンマッチを受け、明らかな反則である噛み付き攻撃による出血多量でのドクターストップ負けで力道山は4か月で無念の王座転落をしています。

NWFは経営の悪化から団体のクローズを考えており、パワーズが猪木にベルトを売却した、という定説は、もちろんこの時期には語られたり、書かれたりすることはありませんでした。

NWF世界王座の獲得で看板タイトルが出来た新日本プロレスは勢いに乗り、翌74年には大きな飛躍を遂げることになります。

猪木は3月19日、蔵前国技館で2月に国際プロレスを退団したばかりの元エース、ストロング小林の挑戦を受け、壮絶な闘いの末、伝説となった「首で支えるジャーマン」でこれを降しました。

4月には日本プロレスの春の本場所であったワールド・リーグ戦を復活させ、決勝リーグ戦では日本人、外国人問わず初の総当たりリーグ戦を開催。

猪木と坂口の同門対決も実現しました。(4月26日、広島県立体育館。30分時間切れ引き分け)

5月8日、東京体育館での優勝決定戦では猪木、坂口、キラー・カール・クラップの3人が決勝進出。3人による巴戦(先に2勝した方が優勝)となり、第1試合では坂口がクラップに反則勝ち。

第2試合の猪木vs坂口2度目の対戦では、場外に両者が落ちたところ、クラップとジ・インベーダー(ビル・ドロモ)が乱入。坂口を凶器で襲撃し、坂口は出血多量によるドクターストップ負けで棄権となりました。

自動的に次の第3試合、猪木とクラップが優勝決定戦となり、猪木が弓矢固めでギブアップ勝ちし初優勝を飾っています。


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