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2017年08月30日23:12

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ファンタジープロレスの巨匠桜井康雄さん追悼(137)

藤波辰巳のWWWFジュニア・ヘビー級王座獲得を契機に海外からの中継が増加したテレビ朝日のワールドプロレスリングですが、レギュラー番組の枠に収まらないものは別建予算を組んで特番の水曜スペシャルで放送するなど攻めの姿勢を見せ、ファンを喜ばせました。

4月7日のレギュラー枠では3月20日、ニューヨークMSGからの中継が放送され、前に書いた藤波vsジプシー・ロドリゲスのWWWFジュニア・ヘビー級選手権試合と坂口vsウィリエム・ルスカの柔道ジャケットマッチが放送されましたが、

それ以外にアンドレ・ザ・ジャイアント、ダスティ・ローデス、ミル・マスカラスが夢のトリオを結成し、ケン・パテラ、プロフェッサー・タナカ、ミスター・フジ組と対戦した6人タッグマッチが放送されて物議をかもしています。

試合は7分、アンドレがジャイアント・プレスでフジをフォールしていますが、問題は日本テレビ系で放送されている全日本プロレスの看板外国人マスカラスのテレ朝への登場でした。

この時代、馬場、鶴田、ザ・デストロイヤー以下全日本プロレスの所属選手は日本テレビとも個人契約を結んでおり、原則日本テレビの応諾なく他局には出られないことになっていましたが、外国人選手まではそこまでの縛りはなく、契約違反とはなりません。

(ドリー・ファンク・ジュニアとテリー・ファンクに関しては全日本プロレスの取締役だった時期があり個人契約を結んでいた可能性あり)

しかし、他局の外国人選手の試合は映さないというのはある意味仁義であり、テレ朝と新日本プロレスはそれを破った形となりました。

そこは新間の「やったもん勝ち」の精神がテレ朝に広く浸透していたと言えます。

かなり後の話になりますが82年2月の馬場、鶴田、天龍らのフロリダサーキットにアンドレも参加。バトルロイヤルで馬場、鶴田らとリングで顔合わせしていますが、アンドレの試合が日テレで放送されることはありませんでした。

中継を見ていた全日本のスタッフから報告を受けた馬場は怒りをあらわにし、「こんなことが罷り通っては駄目だ。テレビ朝日と新日本プロレスに抗議する」とコメントしています。

実際には法令違反に抵触しないところから厳重注意に留まったかと思いますが、テレ朝のワールドプロレスリングの中継班はその後何度か海外での中継で禁を破ります。それについては後述したいと思います。

マスカラスは前77年12月19日にMSGに登場、当時のWWWFヘビー級王者スーパースター・ビリー・グラハムに挑戦、レフェリーストップ勝ちし、78年1月23日、同所で再挑戦。反則負けでベルト奪取はなりませんでした。

この日は藤波がカルロス・ホセ・エストラーダを破りWWWFジュニア・ヘビー級王座を奪取した日で、2月15日に発売された別冊ゴング3月号では現地に取材に行っていた竹内宏介氏の「政治力」でマスカラスと藤波のツーショット表紙が実現。

これを見たファンは「マスカラス、新日本プロレスに登場か!?」という期待が膨らみました。

以前に書いた3月26日、新宿・京王プラザホテルのコンコルドボールルームで行われたMSGシリーズのファン公開イベント(参加メンバー発表及び予選トーナメント組合せ抽選会)の中で新間のはからいにより、ファンとマスコミ、関係者による質問タイムが儲けられました。

その中でファンから「マスカラスを新日本に呼ぶ可能性はありますか?」という質問が新間にぶつけられました。

新間は一瞬考えた後で近くにいた竹内さんに「竹ちゃん、あんた答えなよ!あんたの『アミーゴ』だろう!?」と竹内さんにムチャブリ。

竹内さんは早口で「マスカラス選手はですね、今年の夏には自分の弟(ドスカラス)を連れて来日します」と質問をはぐらかしました。

会場に来ていた観客からは「それ、全日だろう!」という声が上がりましたがマスカラスは新日本には上がらない、というのが回答だった訳です。

後から聞いた話では、時期は不明ですが新日本プロレスはマスカラスの引き抜きを画策して接触、条件提示までいきましたがマスカラスが法外な金額をふっかけて来た為に猪木が「ふざけるな!」と激怒し話は流れたとのことです。
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