カネックの膝の負傷は本当でしたが、カネックは「敵前逃亡などではない。殺されそうになったから逃げただけだ」と語っています。
これはロン・スターを始めとした他の外国人に控室でリンチに遭わされたことを指すかと思いますが、新間の言うカネックは「藤波のドラゴン・スープレックスが怖くてノイローゼ状態だった」説。
これについて私は別連載「猪木とビンス」でこれは全くのナンセンス、と書いておりますが、あながちこれも全くあり得ない話ではなかったみたいです。
もちろん藤波が故意に受身の取れない投げ方をしてカネックに負傷させることがあればプロとして失格、やらないとは思いますが、ルチャの中にあのような技はなく受身を自ら取り損ねたら、負傷の危険性は十分にあったでしょう。
そこで、レスラーはマッチメーカーに対し、色々注文をつけてお互いに折り合いをつける訳ですが、英語が堪能でないカネックは山本小鉄やミスター高橋とコミュニケーションが取れなかったかと思われます。
カネックはメンタル面が弱いかと言えばそうではなく、子供の頃に「道端にあった犬の死体を拾って肉屋に売り付けた」位の心臓の持ち主なのでノイローゼはないと思いますが回りは敵だらけでは疑心暗鬼にかかっても仕方ない。
藤波にその意志がなくても誰かに「焚き付けられれば」やって来ない保証はない訳で、おそらくカネックはドラゴン・スープレックスホールドでのフィニッシュを拒否。
ここで、これも根強い「山本小鉄による恫喝説」が浮上して来ます。
これは一般的には膝を負傷したカネックに対しマッチメーカーをしていた小鉄が「試合に出ろ!」と怒鳴り、カネックがこれを拒絶する発言をしたところ、「藤波は生半可なことで勝てる相手じゃないぞ!」と恫喝したとされるエピソードですが、
私はこれはドラゴン・スープレックスホールドによるフィニッシュを拒否、負けはいい。藤波の晴れ舞台だから勝ちは譲ろう、でも受身の取れない危険なスープレックスはやめてくれ、ジャーマン・スープレックス等で無難にケリをつけて欲しいというカネックの申し出に対し、小鉄が頑として応じなかった、と考えます。
MSGでカルロス・ホセ・エストラーダを破った時のフィニッシュであるドラゴン・スープレックスホールドでのフィニッシュは藤波の凱旋帰国シリーズ最終戦の蔵前国技館での国内初開催となるWWWFジュニア・ヘビー級タイトルマッチと言う大場所では新日本プロレス側も絶対に譲ることは出来なかったでしょう。
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